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認知症の義母に「私の金、盗っただろ」と言われモヤッ…実は“意外な真実”があった | ビ

時刻(time):2023-07-03 16:29源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
1970年の310人から、2022年には9万526人にまで急増しているデータ。何の数字か分かりますか? これは、日本における100歳以上の高齢者の人口です(※1)。超高齢化社会は先の話ではなく、今現在すでにどっぷり漬かったものに……。 そうなってくると、避けて通れないのが“介護”の問題です。考えるだけで気を失いそうですが、そんな不安に押しつぶされそうな私たちの気持

 1970年の310人から、2022年には9万526人にまで急増しているデータ。何の数字か分かりますか? これは、日本における100歳以上の高齢者の人口です(※1)。超高齢化社会は先の話ではなく、今現在すでにどっぷり漬かったものに……。

 そうなってくると、避けて通れないのが“介護”の問題です。考えるだけで気を失いそうですが、そんな不安に押しつぶされそうな私たちの気持ちを、少しでも軽くしてくれそうな本をぜひ1冊ご紹介したく。カラテカの矢部太郎さん著、認知症専門医師の長谷川嘉哉さん原案の『マンガ ぼけ日和』(かんき出版)です。






2025年には高齢者の5人に1人が認知症に


2025年には高齢者の5人に1人が認知症に

写真はイメージです。

 2022年の日本の高齢者人口は世界第1位。認知症患者数も増加中です。2025年には高齢者の5人に1人が認知症になる(※2)とも言われています。気持ちを軽くと言った舌の根も乾かぬうちから、さらに気分が重くなりましたが、これが現実。65歳未満で発症する若年性認知症もあり、介護の心配だけでなく、明日、自分が介護される側にだってなるかもしれません。

 正直、怖いです。そんな不安を抱える私たちに、いま何かできることはあるのでしょうか。難しい話はナシです。ただ、単純に、知識は武器になります。そして『マンガ ぼけ日和』が、その一助になってくれるはず。






「私のお金、盗っただろ!」と言われたら…


『マンガ ぼけ日和』は、認知症専門医である長谷川嘉哉先生が、2021年に出版した書籍『ボケ日和―わが家に認知症がやって来た!どうする?どうなる?』(かんき出版)を基としています。こちらも、専門書とは一線を画した、患者と家族、いまを生きる私たちに寄り添う本として、支持され続けている一冊です。

「私のお金盗っただろ!」と言われるのにはワケがあった
『マンガ ぼけ日和』は、同書のカバーイラストを務めた矢部さんのコミックによるさらに親しみやすい語りで、認知症への心の持ちようを変えてくれます。柔らかなモノクロの世界観から生まれる、温度まで伝わってくるようなイラストもステキです。

 たとえば、「私のお金盗っただろ!問題」について。認知症といえば出てくる、周囲の人に「自分のお金を盗っただろう、通帳(印鑑)を隠しただろう」と騒ぎまくる、アノ問題です。

 本編でも、“モノ盗られ妄想”という認知症症状のひとつとして冒頭から登場するのですが、実はこの妄想、「患者のお世話を一番している人」「もっとも頼りにしている人」に対して現れる症状なのだそう!

 かつてお義母さんに激しくなじられたという女性。憎まれていると思っていたのに、自分の介護はちゃんと伝わっていたのだと知ります。そして、こうした知識を「あの当時、知っていたなら」と感想を漏らすのです。その大切な知識を、私たちは、いま留めました。













「幻覚が見える」と言い出したらどうする?


 本書は、認知症の進行を春夏秋冬の1年の季節に見立てて、3組の家族のケースを紹介していきます。そのなかには、いくつもの「なるほど!」や「そうなんだ!」という気づきや驚きが登場します。

 何か「少しヘンだ」と、家族も本人も思いつつ、「病院に足を運ぶのはイヤ、怖い」と拒否する親を、どうやって病院に連れだしたらいいのかといった、診察以前の、しかし実際に困っている人が多いだろう第1歩へのアドバイスにはじまり、認知症が進み、幻覚が見えるようになった家族(患者)を前にしたときの、よりよい対応の仕方などを教えてくれます。

 いずれも机上のそれではなく、実際に役に立つだろう知識ばかり。それを、変わらぬ矢部さんのタッチで進めてくれるので、さらりと読みながら、いつの間にか、将来へのお守りが胸ポケットにどんどん増えていくようです。






「不安より安心」を。この本そのものが、安心の一粒に


 なかでも個人的に「なるほど。それは覚えておこう!」と強く思ったのが、「不安より安心」というエピソード。そこでは長谷川先生を「お父さん」と呼んでしまった患者さんに、付き添いの息子さんが、「今日は何月何日?」とお父さんを試すような質問をする様が描かれます。

『マンガ ぼけ日和』1

『マンガ ぼけ日和』より(以下同じ)


『マンガ ぼけ日和』2







『マンガ ぼけ日和』3

『マンガ ぼけ日和』4
 実際に自分が家族だったら、普通にやるだろうと想像できますよね。「今日は何日?」「今朝は何を食べた?」「あの人は誰?」etc.。これなら答えられるだろう、きっとトレーニングとしてプラスになるだろうと、よかれと思って投げかける。

 でも、もう答えるのが難しい状態へと進行している相手へのそれは、かえって不安を大きくしているだけ。「答えられない」という“気持ち”は、ご本人も感じ取ります。

 ここで長谷川先生は「不安より安心」をあげてくださいとアドバイスします。たとえばご飯を置く際には、「ご飯だよ」ではなく、「晩ご飯だよ」と添える。

 たったひと言情報を添えるだけで、ご本人にとって、とても大きな安心材料になると
。「情報」という名の安心材料を、どんどんプレゼントしてあげてくださいと。とってもステキなアドバイスだと思いませんか?






避けては通れない“看取り”との向き合い方も


 季節は移り行き、やがて冬へ。そこには“看取り”も関わってきます。認知症という病気の特性上、避けては通れないことです。大事なことだから知っておきたいけれど、テキストで読むのはツラくて無理という人も、矢部さんの漫画なら、手に取りやすいのではないでしょうか。

 重ねてになりますが、認知症への心の持ちようを変える、おすすめの1冊です。いつの間にか蓄えた知識のカードが、ふとした際に支えとなってくれるかもしれません。

※1 厚生労働省「1 R4百歳プレスリリース – 厚生労働省」令和4年9月16日
※2 厚生労働省「新オレンジプラン」「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」

<文・望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi




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