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読み書きが嫌いだった息子が「国語が得意」になるまでに実践した“2つのこと” « ビューテ

時刻(time):2023-06-20 16:33源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
言葉を広げるために、何をする? 視力が弱く、左利きの息子。苦手意識のあった文字を読むことを克服。次に考えたことがありました こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。 私はこれまでの食育コラ
 言葉を広げるために、何をする?

視力が弱く、左利きの息子

視力が弱く、左利きの息子。苦手意識のあった文字を読むことを克服。次に考えたことがありました

 こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。

 私はこれまでの食育コラムを通じて、日々の料理や食育を工夫すれば、一生モノの知性や学力を高めることができるという実践法を、我が子の具体的エピソードを通して紹介してきました。前回は、視力やえんぴつ使いに困難があった息子が読書好きになるまでのお話です。

【前編を読む】⇒子どもの「読み書きへの苦手意識」をガラリと変えた“意外なきっかけ”

 読書が好きなくらいでは「国語が好きで、得意」とは言えませんよね。実はここからが大事なポイントで、今も継続的に進めていること。いったいどのような意識で、何をやっているのか、さっそくご紹介していきたいと思います。








左利きを矯正しないことを決心


 本を読むことが好きになったものの、左利きが原因なのか、ひらがなを正しい方向で書くことが難しく、保育園で一人だけ左利きだった息子は劣等感を抱くことになりました。

 先生からは、「文字を書くのが他のお子さんよりも得意ではないので、今のうちに右利きに矯正すべきです」というアドバイスまでいただきました。

 しかしながら息子の希望を聞いたところ、「絶対に左がいい」とのことでしたので、矯正しないことを決心しました。

 私は右利きであるため、息子の苦労すべてを理解することができないのですが、どんなに集中しても無意識に右から左に線を引っぱってしまうのです。そしてほとんどが鏡文字。これをどう改善していこうか、真剣に悩みました。





①買い物メモやレシピを楽しみながら書く


6歳の時に書いたドライカレーの材料。字を書くことが苦手だったので、イラストとセットで表現しています

6歳の時に書いたドライカレーの材料。字を書くことが苦手だったので、イラストとセットで表現しています

 そして私がはじめたのは、料理をする際に材料を書いて、買い出しに行こうという提案でした。そして私は、「文字がすべてではないよ。絵や記号を使って表現してもいいんだからね」の姿勢に徹しました。

 イラストを許可された息子は途端に表情が明るくなり、少しずつ文字をセットで書くように。

 このレシピが、親の私にとってはかわいく感じたため、息子の個性としてたくさん褒めるように意識しました。そしてひらがなが間違っていても絶対に否定しないように心がけました。

 子どもをついつい叱ってしまう親の話をよく耳にするのですが、その理由は「余裕のなさ」とのこと。私は子どものできたことに対して褒めることが大事だと考えているため、逆に叱る余裕がなかったというのが本音です。

 ですから、叱ることに罪悪感を抱いている方がもしいたら、ちょっとした発想転換をしてみると良いかもしれません。

カタカナ、ひらがなを書いて見せてくれるように

だんだん書けるようになることがうれしいのか、ひらがなとカタカナどちらも書いて見せてくれるようになりました

 こんなことをのんびりと続けていただけなのですが、今では漢字を書くのが得意に。漢字検定も率先して受けるようになり、文字を書くことに少しずつ自信を持てるようになりました。












②言葉以外の表現方法である「料理」を実践


台に乗って、一人で一生懸命料理に励んでいます

台に乗って、一人で一生懸命料理に励んでいます

 そしてもう一つ私が大事にしているのは、真の国語力やコミュニケーション力、理解力を養うために、言葉の世界だけに依存しないことです。

 国語=言葉だと考えてしまいがちですが、言葉を起点に想像を膨らませたり、人の気持ちを考えたりすることができなければ、単なる“言葉の勉強家”までしか到達はできないでしょう。

 料理は言葉の枠を出た完成形がありますから、そこまでの一連の工程を大切に、さまざまな料理を楽しむようにしています。

 そうすることで、言葉を知ることと、それを使って別の表現方法に繋げていくことがセットになり、「知行合一(知識と行為は一体である)」をシミュレーションできるのではないかと思い、楽しく実践を続けています。

料理をする息子

料理をしてみると、言葉では書かれていない香りや音、成功や失敗などさまざまな要素が体験できます






「言葉はすべてを語らない」と実感


 最後にもう一つ、言葉の世界だけに捉われなくなった理由は、あるレストランでの体験にありました。東京にあるフランス料理店なのですが、そこでのお品書き(「はまぐり、うめいろ、うずら、みかん、かぬれ」とひらがなで書かれた単語が並んでいるだけ)を見て、運ばれてきた見事な料理を味わい、言葉はすべてを語らないことを実感したのです。

ある日のランチコースのお品書き。「はまぐり、うめいろ、うずら、みかん、かぬれ」の文字が並んでいる

ある日のランチコースのお品書き。どんな料理が出てくるのか、言葉だけではわかりません

 言葉よりも大事なのは、そこから広がる想像力と感じる心である。

 それを素晴らしい料理を食べることで理解した息子は、言葉の世界が苦しいものではなくなりつつあります。

 そして読解テストのような問題を解く姿勢にも主体性が宿っています。もちろんこの先どうなるかはわかりませんが、これからもマイペースに、真の国語力を磨いていこうと考えています。

 読んで書いて実行すること。私がお伝えしたいのは、身近な料理からこれらの能力を磨くことは、工夫次第で大いにできるという考え方です。共感いただけるポイントが一つでもあれば、とっても嬉しく思います。

<文/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12




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