結婚式は一生に一度の大イベント。
その一方、新郎・新婦はゲストの対応、お色直しなどに忙しく、せっかくのコース料理を食べられないまま披露宴を終えることがほとんどだとか。
井本沙織さん(仮名・36歳)の友人、アキコさん(仮名)は、さまざまな披露宴に参列して新婦が料理を食べられなかったのを見て、「自分の結婚式は、絶対に料理を完食する!」と決めていたそうです。
「新婦が食べられる披露宴」を決行
そんな会話をしてから数年後、アキコさんが結婚することに。
結婚式の後の披露パーティは、10人程度の小規模形式で企画。新郎新婦とゲストが大きなテーブルで一緒に食事する形式だったそう。井本さん曰く、これは以前から宣言していた「新婦もコース料理をきっちり食べたい」というアキコさんたっての希望とのこと。
ゲストのおもてなしのために試食し、アキコさん自らも気に入ったコース料理の式場に決めたのだから自分も楽しもうと張り切っていたそうです。
親しい友人と過ごす楽しいひととき
そして、迎えた結婚式当日。
身体のラインを強調したマーメイドタイプのウェディングドレスで式に臨んだアキコさんは、参列者の祝福を受けながら、教会での感動的な式を終え、披露パーティ会場へ。
親族は呼ばず、ごく親しい間柄の仲間たち10人程度でひとつのテーブルを囲み、参加者にふるまわれる美味しいコース料理に舌鼓を打ちながらおしゃべりするという、和やかな会だったそう。
この会を振り返り井本さんは「主役とゲストの距離が近く、本当に親しい間柄の人たちだけの会だったので、とても楽しかったし、素敵な企画だなと思って参加していました。アキコちゃんが選んだこだわりのコース料理もとても美味しくいただきました」と言います。
機嫌よく食べていた新婦に異変が…
希望通りのパーティにうれしそうなアキコさん。
しかし、時間が経つにつれ、徐々に「ドレスがきつい…」とつぶやくようになりました。

お料理をしっかり堪能したアキコさんは、ジャストフィットのドレスがきつすぎて、締め付けられて気持ち悪くなってしまった様子。耐えかねたのか、歓談の途中で急に立ち上がり「ごめん、トイレ行ってくる!」と宣言したのです。
身体にフィットした純白のドレスは、そのままではトイレに行けません。式場の人が慌ててアキコさんを追いかけます。
心配する参列者のもとに10分後、アキコさんが帰還。「食べすぎちゃったぁ」と照れくさそうに笑いながら着席しました。
ハプニングあり、それでも素敵と思えたのは
「もともと明るくてサッパリした性格だったので、『やっぱり主役は控えめにしなくちゃダメだね』と反省のそぶりを見せつつも、最後のデザートまで、しっかりと平らげていました(笑)。でも、こういう結婚式もいいなぁと個人的には思いましたね」と井本さん。
自分自身が一番美しく輝ける結婚式。
食べるのを我慢して美しさを保つか、それともアキコさんのように思いきり楽しんでしまうか、考え方は人それぞれ。
予想外のハプニングは避けられないにせよ、新郎新婦や参加者のいい思い出になるような日を迎えられるといいですね。
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<文/塩辛いか乃>
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
(エディタ(Editor):dutyadmin)
