梅雨を迎え、春ドラマもいよいよ佳境に。今クールは、恋愛を絡めたドラマがプライム・深夜帯ともに多くラインナップされていました。そんななかで、ひときわ色気を放って“オス”を感じさせた俳優たちベスト3を紹介したいと思います。

※以下、各ドラマの最新話までのネタバレを含みます。


まずご紹介したいのは、新たなオスの一面を見せてくれた『王様に捧ぐ薬指』（TBS系、火曜22時～）の山田涼介（Hey! Say! JUMP）。物語は橋本環奈が演じる“ド貧乏シンデレラ”・綾華（あやか）と、山田演じる“ツンデレ御曹司”・東郷（とうごう）がお互いのメリットのために契約結婚をするところからスタートします。


最初は打算しかなかったふたりの関係でしたが、生活を共にすることで徐々に心を通わせていき……第6話ではついに契約を解消し、本当の夫婦になろうと歩み始めました。


山田がアクションからコミカル、シリアスまで、幅広い表現力をもっていることは確かです。しかし、とても30歳とは思えない可愛らしい笑顔が魅力の山田が、“ドSの俺様”はちょっと違和感…と思っていました。が、おみそれしました。見事にハマっています。

特に第6話のラストは、もう!! ロマンチックな夜景をバックにお互いの気持ちを確認。そして、ふたり仲良く家に帰るのですが……玄関に入った瞬間いきなりの壁ドン！ あんなオス全開の山田は初めて見たと思います。ツンデレ、苦悩、俺様と色んな表情を見せてくれる山田。まもなく終わってしまうなんて残念すぎますが、最後まで堪能したいと思います。

2人目は、『夫婦が壊れるとき』（日本テレビ系、金曜深夜24時30分～）の吉沢悠です。世界的にヒットした傑作海外ドラマを、日本版にリメイクした本作。愛する夫と子どもに囲まれた“完璧な人生”を送る主人公の医師・真壁陽子（稲森いずみ）の夫・昂太役を吉沢が演じています。

ある日、出張から戻ってきた昂太のジャケットから女物のリップを発見した陽子。一度抱いた不信感はぬぐい切れず、とうとう不倫の確たる証拠をつかんでしまいます。そこから周囲の人たちの裏切りや、不倫に留まらない夫の裏切りの数々が発覚し、ドロドロの愛憎劇が展開されている真っ最中。

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吉沢といえば昔から好青年のイメージが強く、絶えず話題作に出演し続けている俳優です。ここまでクズな役を見せてくれるのは初めてではないでしょうか。


理想の夫婦を演じる傍らで、若いお嬢様・理央（優希美青）と不倫して妊娠までさせ、会社の資金繰りに行きづまると家の財産を根こそぎ使い込み、果ては息子の学資保険まで解約。その上、友人には「同時に同じだけ愛せるなんて知らなかった」「陽子も理央も、ふたりとも大事なんだ。だから辛い」なんて言うから驚きです。正真正銘のクズ野郎ですよ！

吉沢の新境地ともいえるクズっぷりに注目が集まっていますが、妙な色気を放っているのです。吉沢から醸し出されるオスの魅力が、クズなのに周囲の女性、妻も不倫相手も、母もとにかく甘やかしてしまう状況に説得力をもたせています。

ギャップという意味で、最後にご紹介したいのが『隣の男はよく食べる』（テレビ東京系、水曜深夜24時30分～）の菊池風磨（Sexy Zone）です。


恋を忘れた独身女性・麻紀（倉科カナ）の隣に住んでいる、年下のWEBデザイナー・蒼太役を演じています。料理上手な麻紀と、いっぱい食べる肉食男子の蒼太。10歳の年の差があるふたりの不器用なムズキュンラブストーリーです。


とにかく麻紀が作る手料理が大好きで、食材をもって麻紀の部屋に押しかけて美味しそうにごはんを食べ、麻紀のことも美味しくいただく蒼太。鍛えられた肉体美の濡れ場は、ものすごく色っぽいです。

年下の男の子で、ごはんも麻紀のこともいっぱい食べてくれる設定というのもありますが、やたら菊池がセクシーなのは “声”のせいでしょう。適度な低音で、優しくゆっくりと話す菊池の声が、とにかく心地よくも艶っぽい。


菊池といえばバラエティで活躍する明るいキャラクターの印象が強く、ドラマの出演も比較的、お調子者的な役が多いように感じます（例外もありますが）。しかしこのドラマで菊池が見せる顔は全く違います。不器用で口下手な可愛い年下の男の子役をしっかりと、しかも色気たっぷりに演じてくれました。

来クールで主演を務める『ウソ婚』（カンテレ・フジテレビ系）では、女性にもてるドS役を担うというのも楽しみです。

＜文／鈴木まこと＞