逆立ち(倒立)を使ったトレーニング方法はさまざまあります。壁を使った逆立ち、逆立ち腕立て伏せ、逆立ち静止、さらには逆立ち歩きなど。
しかし、恐怖心から逆立ちの姿勢ができないという人も少なくありません。そのような人のために、逆立ちの正しい練習方法やコツを、プロトレーナーが解説します。
逆立ちにはどんな効果がある?
逆立ち(倒立)の姿勢は、腕や肩など上半身の筋力を鍛えることはもちろん、体幹強化やバランス感覚の向上に大きな効果が期待できます。
鍛えられる部位 腹筋(お腹) 三角筋(肩) 上腕二頭筋、上腕三頭筋(腕) 僧帽筋(背中) 股関節 腰まわりの筋肉 体幹逆立ちが怖い、できない原因とは
逆立ちをするには、最低限の筋力やバランス感覚が必要です。ただし、その要求されるレベルは決して高くありません。言ってしまえば、小さな子どもが遊び感覚でもできるのが逆立ちです。
まずは上下逆さまに慣れることから始めよう「逆立ちができない」という大人は、実のところできないのではなく、上下が逆さまになる姿勢への恐怖心がネックになっているケースがほとんどです。
そのため、まずはその恐怖心を取り除くことが最初のステップになります。
壁を使った逆立ちのやり方
まずは、壁を使い、足を壁に這わせるように少しずつ上げていく練習からです。安全のためにマットを敷くと、恐怖心も薄れるでしょう。
ウォール・ウォーク 壁の縁にかかとをつけて、床に両手をつき、腕立て伏せの姿勢になる 四つん這いで後退するように、両手を1歩ずつ壁に近づけていく。同時に、壁につけた足を上に登らせていく 徐々に登る高さを上げていき、壁に体を近づけていく
これを何回も繰り返し、最終的には、垂直に近い姿勢になるまで練習します。

ほぼ垂直に近い位置まで来たら、両足を揃えてみてください。体を1本の棒のようにするのがコツです。
そして、この姿勢で静止する時間を伸ばしていきます。
はじめは低い位置まででOK最初は低い位置でも構いません。こわいと思った時点で足をゆっくり壁伝いに下ろし、元の位置に戻ります。
このとき、膝を床で打たないように注意してください。
片手を床から離してみる20秒ぐらい静止できるようになったら、今度はわざと片手を床から離し、腰にタッチしてみてください。
わざとバランスを崩し、そこから元に戻る感覚を身につけます。
左右交互に5回ずつ行いましょう。

次に、壁に背中を向けて逆立ちの姿勢になる練習です。
立った状態から勢いをつけても構いませんが、慣れない人は両手を床につけた状態から、足を蹴り上げる方法を試してみましょう。
手を置く位置=壁から20センチほど手前 手幅=肩幅とほぼ同じ逆立ちになったとき、両腕が床に向かって垂直になり、両耳が腕で隠れるのが正しい姿勢です。
壁から離れて歩いてみようキックアップができるようになったら、壁から少しだけ離れてみましょう。支えをなくした状態で、逆立ちのレベルアップを図ります。

壁の1メートルほど手前から、壁に向かって数歩だけ歩いてみてください。壁にどちらかの足がついたら、両足を揃えてしばらく静止します。
これができるようになったら、本格的に逆立ち歩きの練習に入れます。

なお、逆の順番で、壁に顔を向けた逆立ちの状態から前に歩いてみるのも、いい練習になります。
短時間の練習を繰り返すのが効果的
練習を継続すれば、逆立ちは誰でもマスターできます。ただし疲れた状態で練習しても、効果は小さくなるうえ危険でもあります。
長時間の練習をするのではなく、10~15分程度の練習を頻繁に行うのがオススメです。その程度であれば体へのダメージも少ないため、毎日でも行うことができます。
たとえば筋トレの前に行えばウォーミングアップになり、そのうえテクニック練習にもなるので一石二鳥ですね。
[筆者プロフィール]
角谷剛(かくたに・ごう)
アメリカ・カリフォルニア在住。IT関連の会社員生活を25年送った後、趣味のスポーツがこうじてコーチ業に転身。米国公認ストレングス・コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)、CrossFit Level 1 公認トレーナーの資格を持つほか、現在はカリフォルニア州アーバイン市TVT高校でクロスカントリー部監督を務める。また、カリフォルニア州コンコルディア大学にて、コーチング及びスポーツ経営学の修士を取得している。著書に『大人の部活―クロスフィットにはまる日々』(デザインエッグ社)がある。
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<Text & Photo:角谷剛>