アラサー漫画家のひぐちさとこさんは、お菓子の缶やミニチュア玩具、ブローチやお人形など、可愛いものが大好き。コレクター気質もあってつい集めすぎてしまい、気がつけば、未開封のまま放置したお土産や大量のダブったガチャガチャが部屋中に散らばっていたんだとか……。
ひぐちさんは「二度と余計な買い物をしないためにはどうしたらいいか」を試行錯誤し、独自の「買い物ルール」を考案。ブログで発信したところ大きな反響が。
今回はそんなひぐちさんによる買い物の心得と、著書「『買い方』を変えたら、人生変わった! つい集めすぎちゃう私のお買い物ルール」(大和出版)の一部をご紹介します。(以下、ひぐちさとこさんの寄稿です)

「安いから」だけで買ってはいけない
「セール」、これほど魅力的な言葉って、そうそうありませんよね。
中でも私・ひぐちが弱かったのは、「閉店セール」!
大学生の頃、雑貨屋さんの閉店セールに出くわした私は、「全品90パーセントオフ」という超弩級の煽り文句に釣られて、「こんな機会なかなかないから、何か買わないと損!」とばかりに、フェルトでできたブローチやら、オリジナルプリントのエコバッグやら、こまごましたものを大量に買ってしまいました。
そして案の定持て余し、収納ボックス送りに……。

写真はイメージです(以下同じ)
値札ばかりを見て、もの自体をちゃんと見てあげないと、満足のいく買い物はできませんよね。
セールの表示を見かけるたびに、「こんなに安いなんて、何か買わないと損!」と思っていたけれど、よく考えてみると、定価で売っていたら買わなかったものにお金と収納スペースを使う方が、圧倒的に損していますよね……。(自分で言っておいて、グサッとくる……!)
それに気づいてからは、セールの誘惑に負けないため、「安い! 欲しい!」と思うたびに、「これが定価で売っていても買う?」と、問いかけるようにしています。
百円ショップに要注意
もちろん、値段が安くても気に入っているものはたくさんありますし、もともと欲しかったものが安く買えるならそれに越したことはないのですが、「安い」だけを理由に衝動買いをするのはやめようと決めたのです。
たとえば、百円ショップがいい例です。
以前の私は、特に用事もないのに百円ショップをうろついて、本来なら買わなくていいものを買ってしまっていました。

そうした無駄遣いを防ぐため編み出したのが、買う前に自分に「問いかけ」をするというマイルール。
百円ショップで何か気になるものを見つけたら、「今持っているものよりも好き?」「今使っているものよりも使いやすそう?」「これが百円以上で売っていたとしたら、買う?」と、自分自身に投げかけます。
「問いかけ筋」を鍛えよう
マイルールは、筋トレと同じで、日々のトレーニングが大切です。
最初のうちは誘惑に負けてしまうこともありましたが、問いかけを繰り返すうちにだんだんと「問いかけ筋」が成長し、勝率が上がっていきました。
さらに効果があったのは、「ここで百円を使わずに貯めておいたら、いつか本当に欲しいものに出会ったときの足しになる」という考え方。
ただ我慢するのは難しくても、「ここで我慢すれば、あとでもっといいものを手に入れられるかもしれない……」と思うと、誘惑に打ち勝てるのです。

こんなトレーニングを重ねるうちに、私にとって百円ショップは、「安くてついつい欲しくなっちゃうものが売っているお店」から、「キッチンの排水溝の水切りネットなど、目的の決まった消耗品を買いに行くお店」に変化していたのです。
消耗品は、安く買ってナンボですから……。
もう店内をうろうろと見回ることもあまりせず、目当ての消耗品コーナーに直行しています。トレーニングの甲斐がありました……!
閉店セールの全品半額でも成功
そして先日、再び雑貨屋さんの閉店セール(全品50パーセントオフ!)に遭遇したときの話。
おトクな商品がたくさんあったけれど、「どれも、本当に欲しいものではない……! 本当に欲しいもののために、今は買わない……!」と自分に言い聞かせ、結局何も買わずに店を出ることに成功しました。

その時の誇らしさたるや。まるで、日々のトレーニングの暁に、とうとうチャンピオンベルトを手にした気分でした。
「安さ」の誘惑に打ち勝つには、小さな努力の積み重ねが大事。
【ひぐちさとこ】買い物が大好きなアラサー女子/漫画家
1991年生まれ、関東在住。京都精華大学イラストレーションコース卒業
著書に『「買い方」を変えたら、人生変わった! つい集めすぎちゃう私のお買い物ルール』『集めすぎ女子が本当の「好き」を見極めたら みるみる部屋が片付きました』など多数。公式ブログ
<文・マンガ/ひぐちさとこ>
(エディタ(Editor):dutyadmin)



