【今日のにゃんこタイム~○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.107】
物を咥えてちぎり、あらゆる場所での爪とぎにチャレンジするおてんば娘のバジルちゃんは、まん丸なお目目が印象的なサビ猫さん。
そのアクティブさには驚かされることもありますが、実はバジルちゃん、交通事故に遭い、怪我を負った過去が……。だからこそ、現在のように伸び伸び暮らしてくれる姿に、飼い主のひできさん(@46c79a9ab871405)は喜びを感じています。
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片足を引きずっていたサビの子猫を保護
出会いは、2022年7月。車を運転していたところ、道路上にうずくまる子猫を発見。保護をしようと車から降りて近づくも、子猫は片足を引きずりながら、自動販売機の下へ隠れてしまいました。
子猫は呼吸も荒かったため、ひできさんはなんとしても助けようと決意。悪戦苦闘しながらも、なんとか捕獲し、動物病院へ連れていきました。
かなりの大怪我を負っていた
病院では、横隔膜が破れて内臓の位置がずれていることが判明。すぐに手術をすることになりました。引きずっていた足は大腿骨を骨折していましたが、内臓の手術によって小さな体に負担がかかったため、内臓の回復を待ってから手術を行うことになりました。
手術後、飼い主さんは内臓に負担がかかりにくいように、獣医師から勧められた療法食を与え、経過観察。子猫の名前は、バジルに決定しました。

自宅では安心して眠ることができるように暗い寝床を作り、トイレは足に配慮した入り口が低いものをチョイス。ストレスを与えないよう、必要以上に接触しないようにも心がけました。
そうした療養生活を続けていたところ、なんと、驚くべき出来事が。バジルちゃんの自然治癒力は思っていた以上に高く、10日ほどで足の骨折が自然に完治したのです。
「動物病院の先生も驚かれていました。本当は、先生が何らかの処置をして下さっていたのでは……?と今でも思っています(笑)」
弱々しかった子猫がアクティブな“おてんば娘”に成長
その後、バジルちゃんは事故の後遺症もなく、スクスクと成長。今では、部屋中を思いっきり走り回るほど、元気になりました。

「手術後は声を出すことができなかったので、初めて小さな声で『ニャー』と言ってくれた時は、すごく嬉しかったです」
最近では、ご飯をしっかりと食べすぎて肥満気味になりつつあるという、バジルちゃん。食事以外に、飼い主さんに甘えることも大好きで、帰宅すると、足元でゴロゴロと転がったり、スリスリしたりと大サービスをしてくれます。

「だいぶ触らせてくれるようになりました。まだ、抱っこをされるのは嫌がりますが(笑)。早く、抱っこできるようになりたいです」
そう語る飼い主さんは外で懸命に生きていたバジルちゃんの姿を見たからこそ、つらい環境にいる動物達の力になりたいと思うようになりました。
過酷な環境に生きる猫を助けられるのは、人間だけ

「どんな野良猫ちゃんも、とても過酷な環境で生きている。寒くても暑くても怪我をしても、病気になっても、お腹が空いても、痛くて自分で治せなくても、みんな生きようとしています。その苦しみや痛みを減らしてあげられるのは、人間だけだと思うんです」
治療を受けてすっかり元気になり、オモチャで喜んで遊び、ご飯をおいしそうに食べ、スヤスヤと眠ってくれるようになった、バジルちゃん。その姿は幸せを与えてくれると同時に、動物の命の重さを考えるきっかけも与えてくれました。

誰にも知られることなく、ひとりで痛みに耐えていたかもしれない小さな命が、イタズラもできるほど逞しくなった――。その事実を知ると、身近にいる野良猫の守り方も考えたくなります。
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<取材・文/古川諭香>
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古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)

