うどんの新しい食べ方。
こんにちは、食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、スーパーマーケットやコンビニグルメ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
うどん弁当に続き、丸亀製麺に注目が集まっています。それは、5月16日から新発売になった「丸亀シェイクうどん」。“ふるふる、カンタン、もっちもち!”をコンセプトに、うどんと具材とだしが入ったタテ型カップをシェイクして味わう、新感覚のテイクアウト専用商品です。
全5種類・税込390円からという手軽さも魅力で、発売初日には店頭に長い行列ができていました。

うどんをシェイクする。これ、どれほどおいしいのでしょうか? そこで今回は丸亀シェイクうどん全5種をすべて実食して、おいしさの魅力についてレポートしていきます(価格はすべて税込です)。
5種類の内容・価格は?
5種類の概要は次の通りです。
●「梅おろしうどん」390円
内容:梅・大根おろし・わかめ・ぶっかけうどん並(冷)
●「明太とろろうどん」390円
内容:明太子・とろろ・刻みのり・ぶっかけうどん並(冷)
●「ピリ辛担々うどん」490円
内容:担々肉みそ・刻みのり・ごまだれぶっかけうどん並(冷)
●「ごまだれサラダうどん」590円
内容:サラダリーフ・ごまドレッシング・ぶっかけうどん並(冷)
●「ピリ辛担々サラダうどん」740円
内容:担々肉みそ・サラダリーフ・ごまだれぶっかけうどん並(冷)
社長が発案!シェイクうどんはどんな食べ物?
今回のシェイクうどん、うどんを振って混ぜて食べるというアイディアは、丸亀製麺の山口寛社長が発案したものだそう。なんだか気合いを感じます。
そもそもこのシェイクうどんは新設するドライブスルー専門店に合わせて開発されたそうですが、発売は全国全店舗で行われることに。さて、まずは食べてみることにしましょう。
意外と振り方が難しい!?
この商品を食べる際にもっとも大切な工程は、シェイクすること。カップの裏面には振り方の注意事項が丁寧に書かれています。
ポイントは2つで、フタがしっかり閉まっていることを確認して、強く振り過ぎないこと。でもこれ、イラストのように持つのが意外と大変でした。特に背の高い2種類(「ごまだれサラダうどん」 と「ピリ辛担々サラダうどん」)を安定して持つとなると、少々気を遣います。
例えば、手が大きくない女性はドキドキするかもしれません。いろいろやってみた結果、イラストとは違いますが、フタと底を持って振るのがもっとも安定して事故がないことがわかりました。
混ざり方が絶妙にGOOD!混ざりにくいのは?
20回ほど振って、フタを開けてみると、想像以上にきれいに混ざり合っていました。
よく混ざり合っている状態で食べることでうどんのモチモチ感が際立ち、味の一体感を堪能できるのだと思います。これぞ、ファーストフードとしてのうどんを新しいスタイルで味わえるアイディアなのだと強く納得しました。
楽しいし、面白い。そしておいしいもしっかり体験することができます。唯一混ざりにくかったのが、わかめが入っている「梅おろしうどん」。
だしの粘度や具材の特性によるものだと思いますが、混ざっていなかったら箸で混ぜればOKですし、シェイクする体験が奪われることはありません。
魅力は濃厚な味わいと、食べやすさ
全5種を食べてみて感じたのは、どんな場所でもうどん本来のおいしさを実感できること。
例えば、濃厚な味わいの「ピリ辛坦々うどん」を車の中や公園、会社のデスクでもスマートに食べられるというのは、本格うどんの概念を大きく広げることに貢献しているとも考えられます。
また、いずれにも共通しているのが、だしや素材の旨味がしっかりあり、味付けもしっかりめであること。暑い季節のテイクアウトメニューとしておいしく感じられる絶妙なバランスです。
シェイクうどんには入っていない具材。これは戦略なのか!?
どれもハイレベルにおいしかったものの、物足りなさを探すとすれば、「揚げ玉(天かす)」や「天ぷら」が入っていないことです。
食の嗜好は個人差があるので一概には言えませんが、食感の奥行きが少々限定的であり、ここにカリカリとした食感、天かすの旨味が加わることでもっとおいしくなるのではないか?と感じました。
天ぷらは小口にカットすることでシェイク用に活用することが可能ですし、揚げ玉も新たに作る必要もないですから、提供は簡単なはず。ではなぜこれらを入れなかったのか……?
推測ではありますが、店内で食べるうどんとの差別化を明確にしたかったからなのかもしれません。
つまり、そこでお客を取り合っても無意味であり、競合はズバリ他店のファーストフードメニューやコンビニ麺。
これは、丸亀のしたたかな戦略を感じた瞬間で、今後ますますうどんの食シーンやファン層に広がりが出てくるかもしれません。
<文・撮影/食文化研究家 スギアカツキ>
スギアカツキ
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。ビューティーガール連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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