メイクをした人全員が魔法にかかったように美しくなる、メイクアップアーティスト・飯田恭子さんの若返りメイク。今回は、チークの塗り方を中心にNGメイクについて聞いてみました。
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ツヤ感を出すチークの入れ方
――飯田さんのメイクは、チークもツヤツヤですがあのツヤはどう作られているのですか?
飯田恭子さん(以下、飯田)「チークは塗り方にコツがあります。最近のチークはどれもツヤが出やすいので、塗り方さえ気をつければすぐにツヤが出ます。チークはブラシにとってそのまま頬にポンポンとのせて終わる方が多いのですが、これだと色のついた粉を頬の上においただけになります。そうではなくて、チークを少量ブラシにとったらば、頬に触れるか触れないかくらいの優しいタッチで左右に何回も動かしてみてください。
これを『タッピング』と言うのですが、肌の上で何回も優しくチークの粉をこすることで、チークの中にあるパールの粒子が表面に出てきて一気にツヤがでます。ハイライトも同様で、一回ブラシでつけておわりではなくて、そのまま肌の上でブラシをいったりきたりさせると断然ツヤがでます。ハイライトは20回くらいやってあげると光が出てきます」
――20回もタッピングするんですね!
飯田「うすーくブラシにとって、ブラシが頬に触れるか触れないかくらいの力加減で20回こする。これをくり返すことが大事です。扇形のハイライトブラシの先を顔に垂直に立てて斜めにタッピング。頬の高い位置に入れると顔がグッと持ち上がってリフトアップします」
チークを斜めに入れるのは古い
――チークはどこに入れるのがよいでしょうか。
飯田「40代以上のレディは頬の中央からこめかみに向かって斜めにチークを入れる方が多いのですが、それだと頬の位置が外側に見えてしまい顔が横に大きく見えます。メイクを見ればその人の年齢がわかるように、若い時に流行ったメイク方法のままだとオシャレな顔になりません。
チークは小鼻の横から斜め上に卵形にふんわり入れることで、顔がポッと上気したような血色のよい肌になります。小顔効果も出るのでおすすめです。ただし、小鼻より下にチークを入れると顔が下がって見えるので、気をつけてくださいね」
メイク道具が汚れてるレディが多い
――飯田さんから見て、メイクがうまくいかない40代以上の方がしがちな間違いを教えてください。
飯田「これは本当にたくさん見かけますが、まずメイク道具が汚れてるレディが多いです。汚れたままのスポンジや、毛先が汚れたままのブラシ、ファンデーションブラシも洗ってなくて思わず生まれたてのひなどりのようにペタッとしてたりね(笑) 同時にブラシの軸も拭きましょう。メイクが上手い人はメイク道具もキレイです」
――メイク道具はどんなものを選べばいいですか?
飯田「使っていて肌が『気持ちいい』と感じるものを使ってください。唇など皮膚の柔らかい部分にブラシを当ててみて『痛い』と感じるものは、肌にあっていないと思います。白鳳堂のブラシなど、こしがあって肌が気持ち良いと感じるブラシはやはりそこそこのお値段がしますが、いいアイテムさえ使えばすぐにメイクのコツをつかめるようになります」
蛍光灯より自然光でメイクしてほしい
――大人こそちゃんとしたメイク道具を使う必要があるということですね。
飯田「はい。あとは暗い部屋でメイクをしている方も多いです。蛍光灯の光ではなくて、窓があって自然光が入る明るい部屋でメイクをしてください。洗面所などの薄暗い場所ではきれいにメイクができません。鏡を顔の真下に置いて下を見てメイクしたり、うつむき加減でメイクをする方も多いのですがこれもNGです。
お手持ちの箱や缶などを鏡の下に置くなどして、真っ直ぐ前をむいた姿勢でメイクができるようにしてください。顔を下げた状態でメイクをすると顔に影ができるので適切な位置にハイライトや影をつけることができません。しわのみぞも深くなるのでアイラインやアイシャドウもうまく描けないですよ。まっすぐ前を向いた状態でメイクができるように鏡の高さ・位置を調整してください」
個性を活かしたメイクこそ美しい
――40代・50代・60代の大人女性のメイクをして、飯田さんが思うことはありますか?
飯田「40代以上の方にメイクをさせていただいてお話を聞くと、自分のメイクや顔に自信がない方が思った以上に多いことに驚きます。誰かと比較しなくていいんです。その方の個性を活かしたメイクこそが美しい顔だと私は考えています。メイク教室にきてくれた方は、メイク前とメイク後で顔が変わるのはもちろんですが、まず表情がガラリとかわります。メイクで美しくなった自分の顔に満足してずっとニコニコしているんです」
――たしかに飯田さんのメイクをした女性は、みなさんとてもいい表情をされています。
飯田「一度プロがちゃんとメイクをすることで『これが私の綺麗な顔なんだ』とみなさんに自信をもってもらいたいです。『自分の顔に自信がなかったけど、私かわいいやん!』って思ってもらいたい。その顔を覚えてもらって、楽しんでメイクをしていく中で自分のメイクをどんどん着こなしていってほしいと思います。私がするメイクがその第一歩になればと思います」
何から始めればいいか分からない大人女性へ
――とはいえ、年齢を重ねるにつれてどんなメイクをすればいいのか迷う方も多いと思います。
飯田「芸能人でもなんでもいいので、なりたい顔のお手本を作っていろんなメイクに挑戦してみてください。眉毛だけ真似してみよう!でも全然OKです。失敗することもあると思いますが、メイクなんて失敗したら落とせばいいだけなので、気にせずどんどん挑戦することが大事です。年齢とともに好きなものの趣味って変わりますよね? それって自分が歳を重ねて内面や趣味、感覚が成長しているからなんです。ですからメイクも年齢とともにどんどん成長させていってあげてください」
メイクは人生を楽しむ最高の武器
――なるほど。
飯田「よく『女性は歳をとると内面の美しさが顔に滲み出る』と言われますが、私はどんなに内面がきれいでも意識して外も綺麗にしないと、顔には滲み出てこないと思っています。大勢の中ですっぴんは地味です。外見を磨くと周りはその人に興味を持ち、深く知りたいと思います。そこで初めて内面の素晴らしさが出せるのだと思います。いくつになってもメイクは心がけてほしいですし、おしゃれを楽しんでほしい。
私の座右の銘は『メイクは人生を楽しむ最高の武器』です。メイクは内面も変えてしまうほどの力も持っていますし、メイク一つで人生が変わることもあります。自分の仕事をとおして、一人でも多くの女性にメイクの楽しさをお伝えして、女性としての人生を思いきり楽しんでほしいと思います」
今がんばらないと将来はない!
――最後に、大人の肌に必要なことがあれば教えてください。
飯田「やはりスキンケアですね。先日90歳の方にメイクをさせていただいたのですが。お肌がものすごく綺麗だったんです。お話を聞いたところ、美容師をされていた方で若い頃からスキンケアをかなりしっかりやれていらっしゃいました。ですので、40代以上のみなさんは今スキンケアをがんばったら10年後20年後もきれいにいられると思っていただいて、逆に『今がんばらないと将来はない』と思うくらいの気持ちで挑んでもらいたいと思います」
――将来はない!(笑)
飯田「夏に向かって日焼けにも注意です。スキンケアは美白効果のあるものを一年中通して使いましょう。レーザーなど医療に頼ってもいいと思いますが、その前にまずは保湿美白ケアです! そしていくつになってもおしゃれをして、ドキドキする気持ちを大事にしてください。ドキドキワクワクする気持ちがないと人はあっというまに老けてしまいます。
月に1度でもメイクや服をビシッときめてお友達と出かける日をつくったり、『ヒールを履く日』や『着物を着る日』など、オンとオフを作り自分の背筋が伸びる日を決めてみてください! もっともっとメイクもオシャレも楽しくなりますよ。いっしょにがんばっていきましょう!」
飯田さんの「メイクは人生を楽しむ最高の武器」という言葉がとても印象的でした。ポジティブオーラ全開の飯田さんを見て、メイクの素晴らしさと楽しさ、そしてメイクの力をあらためて感じました。
【前編インタビュー】⇒別人級!「若返りメイク」がスゴすぎ、秘密は“化粧前のひと手間”にあり
<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。Twitter:@YlujuzJvzsLUwkB
(エディタ(Editor):dutyadmin)








