すっかり暖かくなり行楽日和になりましたね。週末は家族や友人とバーベキューを楽しむ人もいるかもしれません。
ですが、諸田咲さん(仮名・40歳)は、トラウマレベルのバーベキューを経験してしまった1人。
ママ友からバーベキューに誘われワクワク
「幼稚園のママ友にお花見バーベキューをするから来ない?と誘われました。親子でイベントに参加するのは初めてだったので、ワクワクして参加することにしました」
材料は、バーベキューの勝手知ったる手慣れたママが調達してくれるそうで、手ぶら参加でOKとのことでした。ただ、当日は焼く係を手伝ってほしいとお願いされました。子どもたちもいるし、せっかく誘ってもらったので自分にできることはやろうと快諾した諸田さん。
花を見る暇もなく、肉を焼き続ける
当日はお花見日和の快晴。ウキウキしながら子どもと集合場所に行きました。集まったのは15組ほど。到着すると、さっそく炭を起こして焼きはじめます。まずは子どもを食べさせてからと、肉を焼いては紙皿に乗せて、を繰り返していました。
最初は楽しくバザーのボランティア気分でやっていましたが、炭火で焼くので時間がかかり、1度に焼ける枚数も限られているので、焼いても焼いてもすぐにペロリ。食べ盛りの子どもたちが「おかわり!」とひっきりなしに来て諸田さんは一口も食べられないまま時は経ちました。
「肉焼き要員」だったと気づきショック
「気づけば周りのママは談笑していて、焼く係がわたしだけになっていたんです。ほかのママは子どもがもらったお肉をつまみながらビールを飲んだりして。そして必死の形相で肉を焼くわたしと、誰も交代してくれないんです」

なんとなく周りのママの雰囲気から「肉焼き要員」として呼ばれたと勘づいてしまった諸田さん。うまく使われてしまったと気づいたときにはもう遅かったようです。
「わたしも子どもたちの分を焼き終わったら思い切り食べるぞ!と思って頑張って焼いたのですが、そのうち食材が底をついて…最後の締めに焼きそばを焼いて、それを自分用にとっておき、ビール1缶と一緒にかきこみました。子どもはお友達と一緒にお肉を食べられたようでよかったですが…」
そのうえ、自分はほとんど食べていないにもかかわらず、きっちりワリカンは人数分。お肉食べていないとも言いにくくてそのまま払いましたが、モヤモヤがMAX。子どもたちが集まっているし、その場はなんとか笑顔で過ごした諸田さんですが、帰り道に怒りがこみあげてきたそうです。
まるで奴隷扱い

「あまり関わりがないのに急に誘われたので、変だと思いつつ、やっぱり嬉しかったので参加しましたが、最初からわたしは“焼く係”として招集されたのだと思うと、扱いのひどさに怒り心頭です。地獄の労働で、まるで奴隷扱い。ひどいと思いました」
そのママたちとあまり交流がなかったのですが、どうやらそのグループの中心にはボスママがいる模様。そのママは上に2人子どもがいて、幼稚園に通い続けて9年目だそう。すでに「主」扱いとなっていて、誰も逆らえないのだそう。
「おそらくみんな、小間使いにされるのが嫌で、何も知らないわたしに声をかけてきたのだと思いますが、それにしてもひどい話ですよね。みんなボスママのご機嫌取りに終始して、大変なわたしには知らん顔。このママたちとは二度と関わりたくないと思いました」
その後、バーベキューと聞くと当時のトラウマがよみがえって拒否反応が出てしまうそうです。
「子どもとふたりや、家族で楽しくなごやかに行くのが一番楽しいと気づきました。わたしが特別ひどいもう大勢のバーベキューはこりごりです」
大勢でワイワイも楽しいけれど、一緒にいて心地よい人と過ごす休日がいちばん平和かもしれませんね。
―シリーズ「春のトホホ」―
【他のエピソードを読む】⇒「実録!私の人生、泣き笑い」の一覧へ
【あなたの体験談を募集しています!】⇒心がほっこりした「ちょっといい話」、ありえない!「びっくりした話」「ムカついた話」、人生最悪の恋愛を募集中!(採用時に謝礼あり)ご応募はここをクリック
<文/塩辛いか乃>
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
(エディタ(Editor):dutyadmin)
