春は多くの人にとって、新たな人間関係がスタートする季節。新しいママ友とのつきあいに頭を悩ませている人もいるかもしれません。価値観や職業、年齢もバラバラなママ友との交流は簡単ではないようで……。
今回は、自慢話がエスカレートしていったママ友とのエピソードを紹介します。
コロナ禍でママ友の交流がなく孤独な日々
首都圏で小学校3年生になる男の子を育てる、加賀谷明菜さん(仮名・34歳)。子どもが小学校に入学した当初はコロナ禍だったため、入学式も校庭で行われ、PTAなどの委員会活動も縮小。体育祭も学年別で実施され、保護者は入れ替え制だったりと、なかなかママ友ができなかったと語ります。
「小学校入学のタイミングで戸建てを購入するため引っ越したので、幼稚園で一緒だったママ友とは学区が離れてしまったんです。家の周りはファミリー向けの大型マンションもあり、カフェや公園ではママさんのグループを見かけます。でもなかなかその輪の中には入って行きづらくて、寂しい思いをしていました」
地域委員に選ばれ、念願のママ友ができて…

そんなとき、明菜さんは登校班の中から順番に選ばれる地域委員になることに。地域委員(地域によっては校外委員など呼ばれる)とは、学区内の地域パトロールや旗振り、通学路の安全確認などを行う係です。
明菜さんは、ときを同じくして委員に選ばれた由香さん(仮名・35歳)と知り合いました。家の距離も近く、子どもの学年も同じでしたが、それまで交流はなかったといいます。
「夏祭りやラジオ体操などイベントがことごとく中止だったので、親同士もほとんど顔をあわす機会がなかったんですよね。由香さんは、息子が同じクラスだったのでなんとなく顔は知っていました。ある日、子どもが欠席した時に連絡帳を頼んだことで、LINEの連絡先を交換する仲になったんです」
「今からじゃ遅い」と教育マウントするママだった

しかし、そこからがマウンティングの始まりだったといいます。
「ある時、幼稚園のスクールバスが通ったんです。あまり見慣れないバスだったのですが、そこは由香さんの息子が通っていた幼稚園だったようで。驚いて私に『え、知らないの?」と聞いてきました。そこは、読み書きや計算をできるようにすることで有名な幼稚園でした。
さらには子どもが小学校に入学した頃、学級閉鎖に焦り、くもん(公文)の宿題の量もほかの子よりも倍にして熱心に取り組ませたと話していました」
一方で明菜さんの息子は、最近くもんに通い始めたばかり。教室の雰囲気を知るために由香さんに相談したところ、思いもよらぬことを言われたそうです。
「『うちはもう〇レベルまで行っているよ』と、今から始めたら遅いという感じで言われました。確かに息子は、実際の学年より1つ下のレベルからスタートしましたが……。由香さんの息子は小6の算数まで先取り学習をしていました」
自宅には知育グッズや参考書がずらり……
明菜さんは、由香さんの家に子連れで遊びに行った時に、子ども部屋を見て教育熱心だと実感したそうです。
「子ども部屋には、毎日の学習予定や日本地図が貼ってあり、歴史の漫画などが並んでいました。『赤ちゃんの頃からフラッシュカードと呼ばれる言葉を覚えるカードを使っていたから、言葉が早かった』と言っていました。フラッシュカードも『3歳からだと遅い』と力説していましたね」
由香さん自身は、マウンティングをしていることに気づいていないため、一緒にいると明菜さんは気分が悪くなるばかり……。
「ある子役タレントを見て、『親が優秀な遺伝子だから、賢い子が生まれる』って言っていたんです。聞いてみたら、由香さんの旦那さんも有名大学の出身でした。
さらに、息子からも由香さんの息子が『SAPIXという有名塾の試験を受けたんだ』と言っていたと聞きました。親子そろって学力が自慢なのだな~と……。由香さんとは距離を置きたいと思って、自分からはメッセしないようにして、学校行事で会っても挨拶だけで済ませるようにしています」
ママ友づきあいは、ある程度知り合ってからじゃないと性格がわからないので難しい……と肩を落としながら語った明菜さん。
もちろん、各家庭によって教育方針は多種多様であり、良いも悪いも他人が評価できるものではありません。しかし、それを相手に押し付けたり、自慢気に語るようなことは、今回のケースのようにママ友関係をギスギスさせるきっかけになってしまうのかもしれません。
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<取材・文/池守りぜね>
(エディタ(Editor):dutyadmin)
