すっかり暖かくなって桜が咲いてお花見の季節ですね。

写真はイメージです(以下同じ)
花見しに公園に行ったら、前の職場の男性がいた
神谷菜奈さん(仮名・30歳・派遣社員)は、昨年の4月の頭に友達のJ子さん(32歳・派遣社員)に誘われてお花見に行きました。
「お花見と言っても、J子と2人でお弁当を買って公園で食べるだけの気楽なものなんですけどね。その頃J子が彼氏と別れたばっかりだったり、私もろくなことがなかったので桜でも見て元気を出そうということになったんです」
桜の木の下のちょうど良いベンチを確保し、J子さんに新しい派遣先になかなか慣れない愚痴を聞いてもらいながら、菜奈さんがお弁当を広げると…。
「けっこうその日は風があって、割り箸の入っていたビニールの包みが飛んでいってしまい、追いかけながらふと目線の先を見たら、偶然以前の仕事先で私に仕事を教えてくれたNさん(37歳・会社員)が奥さんと思われる女性とレジャーシートを敷いてお花見をしていたんですよ」
実は、以前飲み会の後に菜奈さんはNさんに一度だけキスされたことがあったそう。
キス以後、態度を変えられて気まずいまま疎遠に
「私はNさんが既婚者なのを知っていたし、酔った勢いでキスしてきただけだろうから、私と付き合えとかは全く思っていなかったのに、翌日から急に仕事以外の話はしてもらえなくなって、ほとんど目も合わなくなりムカつきましたね」
そして気まずい雰囲気のまま菜奈さんはその職場を離れ、新しい職場に移りました。

「N夫妻がほのぼのとキレイに並べられた手作り弁当を食べているのを見ていたら、だんだん当時の感情がぶり返してきてしまい、J子に『ほら、あそこにいるのが前に話したNさんだよ』と教えて、またグチグチ言っていたんですよ」
Nさんがよく「菜奈さんてロングヘアがよく似合っていてタイプなんだよね」と何度も言っていたことを思い出し「奥さんも、ちゃんとロングでなんか気持ち悪いね」などと悪口を言っていると、次の瞬間Nさんが血相を変えてこちらに向かって歩いてきたそう。
「小さな声で話していたので絶対に聞こえている訳ないし、それよりいつ私の存在に気づいたの?とあわてましたね」
ストーカー扱いしてキレる男性に反論
Nさんは菜奈さんの前までくると「なんだお前はストーカーか?俺のことずっとつけ回しているのか?最近何度もある非通知での着信もお前の仕業か」といきなりブチ切れ始めました。
「え?と思いNさんのレジャーシートを見てみたら誰もいなかったので、きっと奥さんが席を外したすきにこっちに威嚇(いかく)しにきたのかなと思いました」
確かに菜奈さんは偶然見かけたNさんの悪口は言いましたが、つけ回したりしつこく電話をしたことは全くなかったので「言いがかりはやめてください」と返事をしました。
「そしたら『ストーキングなんかしてもムダだから、あきらめて俺の目の前から消えろよ』と偉そうに言ってきたので頭にきて『勝手に被害者づらしないでよ。偶然居合わせただけで、何でそんなこと言われなくちゃいけないの?そっちが消えろよ』とキレ返してやったんです」
ですがその時、菜奈さんはムカつきながらも、思ったままの不満をはっきりと口に出してNさんにぶつけることができて、とても気持ち良かったんだとか。
「ずっと無視されていたので。そしてキスぐらいどうってことないと思い込むようにしてきたけど、やっぱり内心傷ついていたんだなとその時に初めて気がつきました」
心に刺さったトゲが抜けてスッキリ
そんな菜奈さんの心中を察したのか、J子さんも「そうだ、そっちが消えろよ!気持ちよく花見しているのに邪魔するな!奥さん戻ってきたらお前のやったことバラしにいってやろうか」と言い放ったそう。
「するとNさんは小声で『ざけんなよっ』と噛み殺すように言うと、レジャーシートやお弁当を片付け始めて、戻ってきた奥さんの手を引き私達の目の前から本当に消えていったんです(笑)」
理不尽な言いがかりをつけられたことは不運でしたが、菜奈さんは今回のことで心に刺さっていたトゲが抜けたような清々(すがすが)しい気持ちになれました。
「J子と笑い合いながら、Nさんの悪口をたくさん言ったらスッキリして以前より前向きになれました。でもやっぱりお花見は穏やかにやりたいですけどね」
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<文・イラスト/鈴木詩子>
(エディタ(Editor):dutyadmin)