いまや体罰なんてナンセンスな世の中ですが、いまだに体育会系の「鉄拳制裁」が正義と考える人もいるようです。
元ラガーマンの夫と結婚した内藤ありささん(仮名・30歳)は、結婚して子どもが生まれてから、夫と育児方針がまったく合わないことに気づいたと言います。
子どもは叩いてしつける、にドン引き!
「生まれたのが男の子というのも理由のひとつかもしれませんが、『子どもは言っても分からないから叩いてしつけるんだ』と言い出してドン引きしました」
子どもは、叩かれたら怖いから言うことを聞くだけで、根本的には何も解決しないと思い、手をあげない子育てをしたかった内藤さんは、夫の発言に戸惑ったそうです。
「いまはそういう時代じゃないんだよ、とやんわり説明しても、体育会系で育ってきた彼にはピンとこないようでした」
ある日、外出先で事件が…
子どもが2歳半の頃、ある日家族で一緒に出掛けたとき、子どもが疲れてしまい、ぐずって泣き止まないときがありました。疲れて眠いから泣いているのはわたしには分かっていたので、どこかで休ませるか、抱っこして寝かせるかと考えていたそのとき、事件は起こりました。

「子どもが泣き止まずにイラついた旦那は、『こいつはぶん殴らないと分からないんだ!』と息子にいきなりゲンコツを食らわせました。疲れて眠い上にゲンコツされた息子は、さらに火が付いたように泣き叫びました」
驚いた内藤さんは、慌ててその場を離れ、夫から逃げました。これ以上泣いたら、また殴られてしまうと怖くなり、泣きじゃくる息子を抱っこして走って夫の目につかない場所まで行ったそうです。
あまりにショックで涙が出てきた
「夫が冷静になるまで別の場所にいようと決めて、夫にはLINEしました。不満げでしたが、わたしは子どもを守るのに必死でした。子どもをなだめて、揺らしてベビーカーに寝かせた後、あまりにショックで涙が出てきてしまいました」
疲れて泣いている子どもを叩いて泣き止ませる方法には納得がいかず、恐怖と怒りで震え一時は離婚まで考えた内藤さん。
話し合いの結果、夫は育児に関わらないことに
「冷静になってから、ああいうときの子どもは、叩いても無意味だから辞めてほしいとお願いしました。すると、『じゃあ俺は育児に関わらないから、お前ひとりでやれば』と言われ、家族でお出かけの機会は激減しました」
子どもが小さい頃は家族でのお出かけもたくさんしたいと思ってはいましたが、お出かけすれば当然疲れてぐずってしまうシーンも出てきます。悩んだ内藤さんは、どこか行くときも、できるだけふたりでお出かけするようにして、帰省などのときだけ家族で行くようにしたそうです。
夫の考えを変えるのは無理と悟る
「何度か話をしましたが、体育会系で来た彼にいまから考えを変えてというのは難しいと判断し、そこからはほぼワンオペ状態で子どもを育てました。子どもと二人でお出かけすると、トイレまで自由に行けず不便なこともたくさんありましたが、怖い思いをするよりはマシと、頑張りました」

いまは大きくなり、子どもも必要以上にぐずることもなく、夫も少し年を取って丸くなったようですが、当時のことを思い出すと、やはり許せない気持ちと、辛かった思い出がよみがえってしまうそうです。
「本来なら育児方針は夫婦でよく話し合って、折り合いがつけばベストだと思いますが、違う環境で育った人どうしの価値観のすり合わせは、なかなか難しいんだなと痛感しました。わたしのようにならないよう、結婚前の人は、軽い気持ちで少し話し合ってみたらどうかな、と思います」
―シリーズ「出産・子育てでの“許せない一言/行動”」―
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<文/塩辛いか乃>
世の中の当たり前を疑うアラフィフ主婦ライター。同志社大学文学部英文学科卒。中3繊細マイペース息子と20歳年上の旦那と3人暮らし。乳がんサバイバー(乳房全摘手術・抗がん剤)。趣味はフラメンコ。ラクするための情熱は誰にも負けない効率モンスター。晩酌のお供はイオンのバーリアル。不眠症。note/Twitter:@yukaikayukako
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