ドラマや漫画にも登場し、著名人の利用も話題となるなど、ここ数年で急速に注目度が高まっている「女風」こと女性用風俗。
コロナ禍で客足が遠のくかと思いきや「むしろ増えた」という現状について、「人間、暇があってお金があると性欲に走るのかもしれませんよね」と語るのは、女風の裏方として働く吉岡そのさん。内勤スタッフから見た“驚きの日々”を元に漫画化した『女性に風俗って必要ですか?』(原案:吉岡その、漫画:ヤチナツ/新潮社刊)が、2月9日に発売され話題となっています。

本記事では、漫画の2話を紹介。男女関係について長年取材を続けるライターの亀山早苗さんが、原案者の吉岡そのさんにお話を聞きました。
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「おばあちゃんを喜ばせてあげたい」孫からの依頼も
「女風」には、さまざまな男性たちがいる。お客さんである女性の好みはさまざまだ。「若い男の子がいい」「落ち着いた男性がいい」など、その好みは男性用風俗より細部にわたる。
いったい、どういうお客さんが多いのだろうか。

「女風に興味はあるけど、どの男性に頼もうかというだけで何ヶ月も吟味(ぎんみ)されるお客さんもいますね。メイン世代は20代後半から30代の一般の人。自身も風俗の仕事をしているというわけではなく、既婚でもセックスレスだったり、未婚でセックス経験が少なかったりという女性も多い。中には50代のお金を持っている女性もいます。
そういえば『おばあちゃんを喜ばせてあげたい』とお孫さんから依頼があったこともありました」(吉岡そのさん。以下カギカッコ同じ)
女性用風俗で人気がある男性の傾向は
キラキラしたホスト系の男性より、きれいだけどキラキラしすぎていない男性のほうが受けがいい。一歩引く感じ、穏やかな男性がいいという意見も多いという。
「電話でけっこう細かく好みややりたいことを聞くんですが、最初はお客さんも緊張するので『お任せで』と言う人が多いですね。女性は安心しないと心を開けないので、セラピストたちもそこは真剣に考えています」
たとえば待ち合わせの場面で「初めまして」とは言わない。周囲の人に女風だと気づかれないためだ。あたかも知り合いのように「○○さん」と軽く明るく声をかける。髪型や持ち物をさりげなく褒めたり、手をつないでもいいという人には手をつないだり。
疑似恋愛の気分を盛り上げるのは、男女問わず風俗の鉄則だろうが、女風の場合、女性の好みに個人差が大きいので男性セラピストたちは相手の心理を読まなければならない。
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セラピストとは、ときに「寮母さんみたい」な関係
「甘い言葉をささやいてほしい女性もいれば、もっとさらっと対応してほしい女性もいるわけです。そういう女性心理をどこまで見抜けるかがセラピストにとっては重要なんですよね。彼らがプライベートでもそこまで女性の気持ちに添うことができるなら、恋人にするにはとてもいいんじゃないかと思っています。まあ、私は彼らのプライベートなところまでは知りませんが」

セラピストに恋心を抱くのは、裏方としては御法度だし、そもそも「彼らに恋心なんて抱きませんよ。ある意味で、彼らは大事な商品ですし、私は商品をきちんと管理するトレーナーですから」と吉岡さんは笑った。仕事仲間ではあるが、ときには「寮母さんみたい」な関係なのだという。
欲求を抱いたとき、さらりと女風を使える人が増えたら
電話で女性客から、さまざまな要求を聞いたり、ときには「私、処女なんで」と個人の悩みを耳にしたりしながら、初めてで誰を指名したらいいかわからないという場合は、吉岡さんが一生懸命、マッチングを考える。その後、そのセラピストがセラピー後に事務所に戻ってきて、「内勤さんに渡してって言われた」とお菓子などをもらうことがある。吉岡さんが和む瞬間だ。
「年齢を気にする人もいるし、経験がないと悩んでいる人もいる。電話をかけてくるお客さんもさまざまですが、一般的にはおしゃべりして癒やされたいというよりは、マッサージで癒やされたい、なおかつちょっとエッチなこともしたい。そういう女性が多いです。欲求を抱いたときに、さらりと女風を使える人、うまく性欲を解消できる人が増えたらいいなと思いますね」
女風は生活をより豊かにするものなのではないか
吉岡さんには忘れられないできごとがある。
「障害をもっている女性のお父さんから電話がかかってきたんです。娘にしてあげてほしい、と。お父さんが泣きながら電話されていて、娘に性欲があるのはわかっているからお願いしたいと。何度も打ち合わせをして、準備万端整えて、セラピストを派遣しました。
あとからご家族が菓子折を送ってくださった。細かくは聞いていませんが、うまくいったんでしょうね。そういうのを聞くと、女風は生活をより豊かにするものなのではないかとも思うんです」
年齢問わず、女性が性欲をもっているのが当たり前だと、誰もが認識する世の中になってほしいものだ。そして人肌が恋しいときに、パッとアクセスしてさらっと性欲を解消し、明日もがんばるぞと思える女性が増えたら、世の中は変わるのではないだろうか。
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【吉岡その】
関東近郊の女性向け風俗店で裏方として働くアラサー独女。コロナ禍で勤めていた飲食店をクビになり、友人の紹介した求人に飛びつく。働き始めてから女性向け風俗店であることを知り、性経験が乏しいこともあって四苦八苦している。Twitter:@yoshiokasono
<取材・文/亀山早苗 漫画/ヤチナツ>
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
(エディタ(Editor):dutyadmin)











