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二拠点生活で農家をはじめて良かったこと「完璧じゃなくても良いと思えるようになった」

時刻(time):2023-01-16 15:06源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
作家、詩人、作詞家として数多くの作品を手掛けている高橋久美子さん。精力的に創作活動をするなか、1か月おきに故郷の愛媛と東京を行き来する二拠点生活を送り、作家と農家との二足の草鞋も履いています。 そんな高橋さんの軸は「生活」にあり、暮らしを中心につづった『 暮らしっく 』を上梓しました。誰にでもある暮らしという時間を、誰よりも大切にしてきた

作家、詩人、作詞家として数多くの作品を手掛けている高橋久美子さん。精力的に創作活動をするなか、1か月おきに故郷の愛媛と東京を行き来する二拠点生活を送り、作家と農家との二足の草鞋も履いています。

そんな高橋さんの軸は「生活」にあり、暮らしを中心につづった『暮らしっく』を上梓しました。誰にでもある暮らしという時間を、誰よりも大切にしてきた高橋さん。二拠点生活のことから、暮らしのちょっとした楽しみ方について教えてもらいました。

高橋久美子さん

高橋久美子さん

【前回の記事】⇒自分をすり減らす働き方は手放してみる。暮らしと仕事への向き合い方






地元・愛媛の農家を本業に。二拠点生活を始めた理由


――昨年から、高橋さんは地元・愛媛と東京での二拠点生活を送るようになったそうで、どのようなことがきっかけで、その生活を決断したのでしょうか?

高橋さん(以下:高橋):もともと愛媛にはよく帰っていて、農業の手伝いをしていたんですが、帰るたびにどんどん耕作放棄地が増えていくのが気になっていました。どこの地方も抱く悩みだと思うのですが、畑もどんどん荒れていって、自分が見てきた景色と変わっていってしまって。

でも、そこでできた作物がすごくおいしいっていうのを知っていましたし、コロナの間に土いじりを東京の家の庭でやってみて、自分にはこういう時間が必要だっていうのがわかってきて、それなら思いきって愛媛で農業をしようと思ったんです。

私のような創作活動をしている人は農作業が向いているとも思います。自分の手で作物を作ることは、まさに作品作りですし、クリエイティブの根源のような気もします。

――二拠点生活の前後で、考え方や価値観が変わったのではないでしょうか。

高橋:今はスマホで調べたら大体答えが出てしまう世の中ですが、相手が自然だとそれが通用しません。収穫間際で天候によってダメになることもけっこうあって、こんなに頑張ったのに報われないんだと思うこともあります。でも、だからこそ収穫できたときの喜びはすごく大きいですね。自然に振り回されることで頭だけでなく実感として分かることが沢山あります。これは東京にいたらわからないことでした。






農業をはじめて良かったこと


――本格的に農業を始めて良かったと感じる瞬間はどのようなときでしょう。

高橋:自分自身が自然の中の一部なんだと思えたことですね。今日一日を元気に過ごせたら、それで十分だなぁって。野菜やお米を作るのってけっこう大変なんですよ。田畑を耕して種まきをして、草刈りをして、虫や猿や猪と戦って。

ここまで一生懸命手をかけても、台風や災害には勝てないこともあります。でも、自然が相手だからこれも仕方のないこと。できないことやあきらめないといけないこと、そういうことも受け入れられるようになったと思います。

――自分も自然の中の一部なんだから、完璧にできなくて当たり前ということですね。

高橋:昔はもっと完璧主義なところがあったんですが、農業を始めてから「無理矢理にでも歌詞を明日までに仕上げなきゃ」などと、必要以上に自分を追い詰めることがなくなりました。

農業を通じて時間の流れを大きな括りで考えられるようになり、それも気持ちの余裕につながっています。農業までいかなくても、植物を育てるだけでも、見えてくるものが変わってくると思います。













家は自分が主人公になれるステージ


高橋久美子さん
――おうちにいることも大好きだという高橋さんは、コロナ禍でも、食事やご近所づきあい、好きなものに囲まれた暮らしなど、生活を楽しんできたと著書『暮らしっく』に書かれています。同じように、忙しくて自分の暮らしに目を向けられなかった人もようやく暮らしに目をかけられるようになったのでは、と思います。

高橋:そうですね。コロナ禍は、思うようにライブや舞台に行けなくなった時期もありましたよね。そうなってはじめて、エンターテイメントや芸術に支えられていたんだなと気づきました。だから、その代わりとして、生活や家の中で楽しさや喜びを見出すことが増えたんじゃないかなぁと思います。

――普段の生活の中でエンターテイメントに近いことを見出している、逆境に負けないモチベーションが伝わってきます。

高橋:この長いコロナ禍で皆さん疲れたと思います。私もいろんなことに疲弊しましたが、それだけで時間ってどんどん過ぎていってしまうから、そのときにできる範囲で、自分を楽しませる方法を見出せると良いですよね。

苦しい状態でも少し視点を変えて、時間はたっぷりあるのだから、ニュースは消して料理をゆっくり味わって食べたり、野菜を育てたり、足湯をしたり、昔好きだった本をパラパラめくってみたり、レコードをかけてみたり。こういう細やかな時間の重なりが生活だと思うんです。

日常の中で自分にスポットライトが当たることってなかなかないですよね。でも、家では自分が主人公でいいと思うんです。「自分ってなにが好きだっけ?」「どんなことに興味があったっけ」と考えたり、工夫次第でステージはいくらでも輝きます。

『暮らしっく』を読んでくれた方が、「家の中も楽しいぞ!」と思ってもらえたら、そして、派手じゃないけど、こういう暮らしもなかなか良いものだよということを伝えられたら良いなと思います。

暮らしっく
<取材・文/小林ユリ 撮影/石川高央>

【高橋久美子さん】
作家・詩人・作詞家。1982年、愛媛県生まれ。音楽活動を経て2012年より文筆家として活動。主な著書に、小説集『ぐるり』(筑摩書房)、エッセー集『旅を栖(すみか)とす』 (KADOKAWA)、『一生のお願い』『いっぴき』(共に筑摩書房)、『その農地、私が買い ます』(ミシマ社)、詩画集『今夜 凶暴だから わたし』(絵・濱愛子、ミシマ社)、絵本『あしたが きらいな うさぎ』(絵・高山裕子、マイクロマガジン社)がある。翻訳絵本『おかあさんはね』(マイクロマガジン社)では、第9回ようちえん絵本大賞を受賞。執筆活動のほか、原田知世、大原櫻子、ももいろクローバーZなど、アーティストへの歌詞提供も多数。公式HP:「んふふのふ




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