家族とは、笑いながら食卓を囲みたいもの。しかし、パートナーが食に関する独特なこだわりを持っていると、食事の時間は一気に憂鬱になってしまいます。
青井千恵さん(仮名・32歳)は、夫・直哉さん(仮名・35歳)が希望する食卓ルールにうんざり。夫婦関係もギクシャクしてしまいました。
好き嫌いがない夫に好印象を抱いた
バツイチの千恵さんは、かつて好き嫌いが激しい元夫との生活に嫌気が差し、離婚。そのため、「次は食の好みがうるさくない人と出会いたい……」と考え、マッチングアプリを利用していました。
そこで出会ったのが、現在の夫である直哉さんです。直哉さんは食べることが大好き。多少の好き嫌いはあるものの、一緒に食事をすると、いつも豪快な食べっぷりを披露してくれます。千恵さんが手料理を振舞った際には「ありがとう」と言い、多めに作った料理をすべてペロッと平らげてくれました。
「元夫は野菜嫌いで、こまかく切っても野菜が本当に入っていないか箸で確認し、慎重に食べる人でした。だから、夫のようにガツガツと食べてくれる人が新鮮で。いいな、こういう人と食事を囲みたいなと思いました」
交際開始から1年半後、ふたりは結婚。しかし、この結婚を機に、千恵さんは再び「夫婦の食卓」に関する悩みを抱えることになってしまいます。
「ぶどうの皮は剥け」「とうもろこしは丸かじりさせるな」と言われた

結婚して1ヶ月ほど経ったある日。千恵さんは「果物が食べたい」と口にしていた直哉さんを喜ばせるため、スーパーでぶどうを購入。さっそく、その日の夕食に並べました。
しかし、食卓に並んだぶどうを見た途端、直哉さんは不機嫌にな様子を見せます。「なんで、皮を剥いてないの? 手が汚れちゃうじゃん」と言ってきたのです。
「手が汚れるのが嫌だったら、口に入れて皮だけ出せばいいじゃんって言ったら、そんな下品なことはしたくないと言われました」
さらに、「うちの母親は、ぶどうの皮を剥いてから食卓に出してくれていた。千恵も今度から、そうしてほしい」と言ってきたそう。千恵さんはモヤモヤした気持ちを抱えたものの、育ってきた環境が違うから仕方ないと思い、直哉さんの要求を受け入れました。
しかし、それから3週間ほど経った日。またしても、食卓で口論に。原因は、とうもろこしを1本丸ごと出したことでした。
「丸かじりすると、とうもろこしを持たないといけないから手が汚れる。歯に粒が挟まるのも嫌だ。今度から粒を全部取った状態で食卓に出して」直哉さんにそう言われ、千恵さんはげんなり。
なぜ、自分の価値観を押し殺して、「夫が希望する食卓」を叶えなければならないのかと疑問を抱くようになりました。
夫が「我が家では手羽先は禁止」宣言

そんな気持ちを押し殺しつつ、食事を作り続けていたある日。帰宅した直哉さんは食卓に並んでいる手羽先を見るなり、「なんで、こんなもの出したの? 食べにくいじゃん」と不満顔に。
すかさず千恵さんが「でも、頑張って手作りしたから食べてほしい」と伝えても、「手が汚れるから食べたくない。ひとりで食べなよ」と冷たくあしらわれてしまいました。
さらに、直哉さんは「今後、我が家では骨がついている鶏肉は禁止ね。一旦、箸をおいて食べないといけないのは、面倒だから」と身勝手なルールを押しつけてきたのです。
さすがに苛立った千恵さんは「なんで、私ばかりがあなたのルールに合わせないといけないの? 手が汚れるとか、めんどくさいとか言う前に、作り側の気持ちを考えたら?」と反論。すると、直哉さんは「だったら、これからご飯は別だな」と言い、千恵さんたちはその日から別々に食事をするようになってしまいました。
「夢見ていた結婚生活と違う。結局、私は元夫とも今の夫とも、仲良く食事を囲むことができないんだなと寂しい気持ちです」
そう語る千恵さんは今日もスーパーの総菜を購入し、ひとり静かな夕食を済ませるそう。その虚しさに、直哉さんが気づく日は来るのでしょうか。
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<取材・文/古川諭香>
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
(エディタ(Editor):dutyadmin)
