大反響を呼んでいる川口春奈さん、目黒蓮さん(Snow Man)出演のドラマ『silent』(フジテレビ系/毎週木曜10時~)。ヒットの理由はどこにあるのでしょうか?
『みんなの朝ドラ』などの著者で演劇・ドラマなどエンタメに詳しいライター木俣冬さんによる村瀬健さんのインタビューをお届けします(以下、木俣さんの寄稿)。
【インタビュー前半】⇒ドラマ『silent』プロデューサーが語る「紬が“青い服”を着ているワケ」
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てんとう虫の伏線は予定外。奇跡のように繋がった結果だった
――『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(以下『いつ恋』フジテレビ系、2016年放送)のとき、ラブストーリーが減ってはいるが求められているとおっしゃっていましたよね。
「当時、ラブコメはそれなりにありましたが、いわゆる、しっとりした恋愛感情だけをじっくり描くようなドラマがすごく少なくなっていることを感じていました。情緒のある恋愛ドラマを目指した『いつ恋』は視聴率こそふるわなかったものの、多くのかたに愛された実感はありました。番組公式Twitterのフォロワーも10万人近くいて、いまも残ってくれています。だからこそラブストーリーは求められていると思ったんです。
あれから6年、もう一度、恋愛ものをやってみたら、思いの外、多くの皆さんに受け入れて頂いて、自分の考えていたことが間違っていなかったと感じています」(プロデューサー・村瀬健さん/以下同)
――ミステリーではないにもかかわらず視聴者の間で考察も盛んです。意識的に仕掛けていますか。
「こんなに考察してくださることに驚いているのですが、僕たちは最初から狙ってやっていることはあまり多くなくて。やっているうちに自然にリンクすることがよくあるのですが……。
例えば、明かしてしまうと面白くないかもしれないけれど、第3話と第7話に出てきたてんとう虫(※)は、てんとう虫が幸せの象徴ということが先にあったわけではなかったんです」
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「台本打ち合わせで湊斗がベランダに出るきっかけを考えていたときに、部屋に入ってきた虫を外に出すのはどうだろうとなって、セカンド演出の高野舞監督がてんとう虫のアイデアを出しました。てんとう虫が飛び立っていくと、そこに想が現れて……という流れです。そして第7話では図書館で想がてんとう虫の本を手にとります」
「あれも実は、子供が好きそうな本を探していたらその中にてんとう虫が表紙の図鑑があって、サード演出の品田俊介監督がそれを選んだんです。登場人物の行動に根拠を持たせようと丁寧に考えてつくっていくと、奇跡のように出来事が繋がっていくことってあるんですよね」
※てんとう虫には“幸せの象徴”という意味があると気づいた視聴者により、SNS上はでさまざまな考察がなされていた。
――高野さんは『いつ恋」にも参加されていました。
「『いつ恋』で人気のエピソードであるレシートの回(※第7話。遠く離れて暮らしていた祖父が亡くなり、残されたレシートを見て祖父の生活を想像する)の演出を担当しています。あの回は坂元裕二さんと僕と高野監督とで悩みながら作った回でした。
高野監督も風間監督に負けず劣らずハートがあって人の心を丁寧に描くうえ、西谷弘監督の下で『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、2014年)なども担当しているから、ケレン味のある演出もできるんです。風間監督が連ドラにおいては新人なので、連ドラに慣れていてかつセンスが良くてしかも丁寧に人の心を描く“ちょっと先輩”にいてほしくてお願いしました」
「このドラマが若いかたのみならず、大人の鑑賞に耐え得るものになっているわけは、昔のヒットドラマの方法論も生かしながら、若い世代の感性を取り入れることでアップデートしているからだと思います。
たぶん、上の世代が見るとなつかしいと思うところもあると思うんですよ。主題歌のかけ方も過去の名作を少し意識していて(笑)。ちょっと年齢の上の僕の感覚で作った仕掛けを、生方さんや風間監督が若い感性で紡いでくれる。この組み合わせは最強だと思います」
「あれも実は、子供が好きそうな本を探していたらその中にてんとう虫が表紙の図鑑があって、サード演出の品田俊介監督がそれを選んだんです。登場人物の行動に根拠を持たせようと丁寧に考えてつくっていくと、奇跡のように出来事が繋がっていくことってあるんですよね」
※てんとう虫には“幸せの象徴”という意味があると気づいた視聴者により、SNS上はでさまざまな考察がなされていた。
過去の名作を意識した演出も。大人世代が感じるなつかしさ
――高野さんは『いつ恋」にも参加されていました。
「『いつ恋』で人気のエピソードであるレシートの回(※第7話。遠く離れて暮らしていた祖父が亡くなり、残されたレシートを見て祖父の生活を想像する)の演出を担当しています。あの回は坂元裕二さんと僕と高野監督とで悩みながら作った回でした。
高野監督も風間監督に負けず劣らずハートがあって人の心を丁寧に描くうえ、西谷弘監督の下で『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、2014年)なども担当しているから、ケレン味のある演出もできるんです。風間監督が連ドラにおいては新人なので、連ドラに慣れていてかつセンスが良くてしかも丁寧に人の心を描く“ちょっと先輩”にいてほしくてお願いしました」
「このドラマが若いかたのみならず、大人の鑑賞に耐え得るものになっているわけは、昔のヒットドラマの方法論も生かしながら、若い世代の感性を取り入れることでアップデートしているからだと思います。
たぶん、上の世代が見るとなつかしいと思うところもあると思うんですよ。主題歌のかけ方も過去の名作を少し意識していて(笑)。ちょっと年齢の上の僕の感覚で作った仕掛けを、生方さんや風間監督が若い感性で紡いでくれる。この組み合わせは最強だと思います」
――省略しないで丁寧に作っている熱量が視聴者に伝わっているのでしょうね。
「ちゃんとつくればちゃんと届くことを実感して嬉しく思っています」
――さて、後半戦はどうなるのでしょうか。
「これまで、紬と想のラブストーリーを描きつつ、二人と絡む存在として、まず湊斗、そして次に奈々を描きました。第8話では春尾(風間俊介)の物語を描きます。彼らひとりひとりが折り重なって物語が紡がれていくなかで、もうひとり、重要な人物が想の母・律子(篠原涼子)です」
「当初から縦軸が紬と想、横軸が親子の物語と謳ってきましたので、その横軸も交えて、いよいよクライマックスへと向かっていきます。自分で言いますが盛り上がっていきます!
若いかたのみならず、大人の鑑賞にも耐え得るラブストーリーが、『silent』ならではのゴールに向かっていきますので、ぜひ最終回までお楽しみいただければと思います」
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●木曜劇場『silent』公式サイト、●木曜劇場『silent』公式Twitter :@silent_fujitv
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<文/木俣冬>
木俣 冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
(エディタ(Editor):dutyadmin)




