![]()
コンテンツ提供:日本化粧品検定協会
概要
| 成分名 | 感光素201号 |
|---|---|
| 成分の働き | 殺菌、抗菌、抗酸化、メラニン生成抑制、防腐 |
| 医薬部外品としての効能効果 | ニキビ予防 |
| 表示名称 | 【化粧品】クオタニウム-73【医薬部外品】感光素201号 |
| 主な配合アイテム | 【化粧品】【医薬部外品】洗顔料・スキンケア・ヘアケア |
効能効果・はたらき


「化粧品」に配合したときの働き
Check- ニキビ予防(殺菌・抗菌)
- 抗酸化
- メラニン生成抑制
- 防腐
ニキビ予防(殺菌・抗菌)
ニキビは皮脂や余分な角質が毛穴に詰まり、アクネ菌が増殖することによって炎症が起きて悪化します。感光素201号には殺菌・抗菌作用があるため、アクネ菌の増殖を抑えてニキビの悪化を防いだり、微生物による炎症や肌荒れを予防する効果が期待できます。また、背中ニキビと呼ばれる毛包炎などアクネ菌以外が原因となる皮膚トラブルへの効果も期待できます。真菌(カビ)や幅広い細菌に抗菌作用があり、フケ予防の効果も期待できます。
抗酸化
肌表面の皮脂が酸化により過酸化脂質に変わると、皮膚内に炎症が生じ、バリア機能の低下がおこり、肌荒れや乾燥の原因になります。感光素201号は、脂質の酸化を防ぐ効果が確認されており、皮脂の酸化を抑えることで、肌荒れや乾燥を防ぐ効果が期待できます。
メラニン生成抑制
感光素201号によるメラニン生成抑制作用も確認されています。
防腐
幅広い菌やカビに対して抗菌作用があるため、化粧品の防腐効果を目的として感光素201号を併用し、防腐剤の使用量を減らす検討も行われています。
「医薬品」としての効能効果
外用剤などに対して、防腐剤として使用されます。
「食品、サプリメント」に配合したときの働き
食品・サプリメントとしては利用されていません。
注意点
特にありません。
由来・歴史
主な原料の由来
合成
歴史
ピリドキシンは、水溶性のビタミンB6の化学名です。1934年にイギリス人科学者によって、ネズミのペラグラ様皮膚炎の予防因子としてビタミンB2複合体中に存在が発見されました。
その後、酵母や米ヌカなどから抽出され、1938年には、日本の理化学研究所を含む世界の5カ所の研究者が、ほとんど同時にビタミンB6の結晶化に成功しました。翌1939年にはKuhnらによって化学構造が決定され、ピリドキシンと名付けることを提唱されました。
さらに、アメリカのSnellらにより、ビタミンB6の活性を有する化合物が他にもあることが発見され、現在ビタミンB6とされている化合物は、ピリドキシンを含め、ピリドキサール、ピリドキサミンなど6種類があります。
その他成分情報
ビタミンB6(ピリドキシン)の一種であるピリドキシンの塩酸塩です。ビタミンB6は細胞の中でピリドキサールリン酸やピリドキサミン5′-リン酸と形を変えて、体内で100種類以上の酵素の働きを助ける補酵素としての役割も担っています。
中でも、炭水化物などのエネルギー源が不足した際にアミノ酸からエネルギーをつくりだすときには、補酵素として一部のアミノ酸をエネルギー産生に活用できる物質に変える反応をサポートします。これ以外にビタミンB6は、炭水化物や脂質などの代謝にも関係しており、皮膚や粘膜の健康維持を含め、細胞の活動に欠かせない栄養素です。
豆知識


日本化粧品検定協会代表理事:小西 さやか
「感光素という名前の通り、光に反応するため、感光素が配合されている製品は遮光容器が使われています。長い年月に渡って使われてきた成分なので、信頼性も高く、敏感肌用のニキビケアの有効成分としても使われていますが、近年はより殺菌効果のある成分が使われることが増えたため、使用されることが少なくなっているようです」
小西さやかさんの記事一覧
<引用元>
Journal of J.C.C.A spacial issue, 54-58, 1968
J. Soc. Cosmet. Chem. Japan., 報文 37(2), 92-99 (2003)
日本化粧品技術者会, 化粧品事典, 丸善出版株式会社, p.398-399
株式会社感光社 Webサイト (取扱原料・感光素)
株式会社常盤薬品工業 NOV Webサイト (ノブACシリーズ)
日本医薬品添加剤協会 Webサイト (感光素201号)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
(エディタ(Editor):dutyadmin)