コロナ禍がようやく落ち着きを見せ始め、徐々に復興の兆しが見えてきた国内旅行。なかでも首都圏から行きやすい箱根は、いち早く活気を取り戻し、宿泊施設のニューオープン&リニューアルオープン情報も多く耳にします。コロナ禍を境に、箱根はラグジュアリーな宿の台頭が目覚ましく、プライベート性が一段と強まる傾向が見られます。
2022年にニューオープン、リニューアルオープンした箱根の宿から、筆者が今注目している宿をご紹介します。
2022年9月11日リニューアルオープン「はつはな」(奥湯本温泉)

奥湯本のホテル「はつはな」が約8カ月の改装休業を経て、大型リニューアルを遂げたと聞き、早速内覧してきました。まず6階に当たるエントランスからのアプローチが進化。チェックイン&アウトのためのフロント・ロビーに、暖炉の火が灯り、宿泊客がリラックスして寛げるラウンジが加わりました。

19~22時には癒し・美肌効果を意識したオーガニック・デトックスのお茶のほか、ビール、ワインなども用意。桜の塩漬けチョコ、柚子とフランホワースのマカロンなど、芦ノ湖畔の系列カフェ「サロン・ド・テ ロザージュ」のパティシエによる小菓子なども用意され、セルフサービスで自由に楽しめるようになりました。


フロントを通り過ぎると、ホテルのイメージスポットである「展望テラス」がお目見え。湯坂山の風景がワイドに切り取られたテラスに立てば、緑の風が心地よく、天気が良ければ右手には相模湾も望めるので、ホテル滞在の記念撮影スポットにもおすすめです。

今回のリニューアルの大きな柱が、全室に露天風呂が完備され、4つの貸切風呂が新設されたこと。大浴場も含めた多彩なお風呂を湯めぐりでき、自家源泉を思う存分楽しめるのです。泉質はアルカリ性単純温泉。滑らかな肌あたりで美肌の湯と名高い、女性にうれしい温泉です。
客室は従来の47室から35室に縮小され、80平米台を中心にしたゆとりある広さに。広さごとに5カテゴリー、自然をイメージした3つのカラー(宙=ピンクゴールド、白=アイボリー、地=アースカラー)コンセプトに分かれています。
3タイプを内覧しましたが、いずれも印象的だったのは、客室の広さとワイドな窓一面に映える湯坂山の自然、テラスに設けられた露天風呂のゆとりでした。
露天風呂はひとりではもったいないほどのワイドサイズで、川のせせらぎや鳥のさえずりを耳に、24時間好きな時に好きなだけ浸かれるのは贅沢の一言に尽きます。湯上りには傍らのデイベッドに身を預けてクールダウン!

特に6階のラグジュアリータイプ5室は、天井高4mと開放感があり、室内の床が足裏に心地いいなぐり仕上げのフローリングになっていたりと、上質な造りに。ReFa(リファ)のヘアケアアメニティ、豆を挽くことから楽しめるハルミューダのコーヒーマシン、シャンパン(ハーフボトル)も用意され、他の客室とは一線を画しています。


なお、全ての客室のミニバーは、はつはなオリジナルビール2種類を含めてフリードリンク制(追加は有料)。湯上りの1杯も楽しみですね!
新設された4つの貸切風呂はどれも斬新な造り。
須雲川のせせらぎと風を感じる「川音(かわと)の湯」は寝湯と深湯からなるインフィニティ露天。

浴槽の先に水盤が伸びる「水面(みなも)の湯」、吹き抜けの天井に格子状の梁が組まれ八角形の浴槽が備わる「静寂(しじま)の湯」、光の演出が幻想的な石盤の庭が連なる「明灯(あかり)の湯」とそれぞれに趣が異なり、1回45分、無料で利用できます(要予約)。

くつろぎスペースには冷えた足柄の水も用意。このほかに男女入替制の大浴場も。客室露天、貸切風呂が充実しているので、大浴場が混み合うこともなさそうですね。
さらに、ダイニングもプライベート性を重視してリニューアル。全31卓が個室仕様となりました。料理は懐石料理をベースに、メイン料理に南足柄で放牧飼育された相州牛の肉料理を組み込むなど、洋のエッセンスを取り入れたモダン懐石に。




朝食は和・洋が選べるようになり、神奈川県清川村の特産「清川恵水(めぐみ)ポーク」のソーセージやベーコンも提供されます。朝食の器はオリジナル製作の箱根寄木細工。お持ち帰りしたくなるほどの可愛さでした。
売店もギャラリーショップとして生まれ変わりました。

箱根をはじめとした全国の厳選された手仕事の逸品が販売され、客室で提供されるお茶や、ホテルオリジナルの桜風味のクラフトエールやクラフトリキュール、南部鉄器や寄木細工などが並び、ホテル滞在の良き思い出として購入したいもの。クラフトリキュールの桜酒は、食前酒として提供されています。


「はつはな」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き1名4万3000円~(税サ込、入湯税別)
2022年1月26日ニューオープン「ふふ 箱根」(強羅温泉)
各地でラグジュアリーな宿を展開する「ふふ」ブランドが2022年1月、とうとう箱根にも登場しました。場所は箱根連山を見晴らす温泉別荘地・強羅の高台。こちらは、“山のリゾート”をコンセプトに、館内のどこにいても箱根の自然に身を置いているような、開放的な心地になれる演出が随所に施されています。

エントランスには大涌谷を思わせる小松石のオブジェが配され、岩肌をイメージしたアートピースが出迎えてくれます。ロビーラウンジからは箱根連山のパノラマが広がり、四季で移ろう山の表情に見飽きることがありません。

客室は、8タイプ・全39室が全てスイートルーム仕様。いずれもワイドスパンの窓越しに箱根連山を見晴らすことができ、デイベッドやソファに座ってゆったりと眺めることも。

各々の客室には窓が開放できるお風呂が付き、強羅温泉が注がれます。山からの風を受けつつ無色透明の塩化物泉に浸かれば、体の芯までポカポカに。

一方、大浴場の泉質は大涌谷から引いた乳白色の硫酸塩温泉。2種類の泉質を交互に体にまとえば、相乗効果が期待できそう!

夕食はプリフィックススタイルの日本料理、または鉄板焼きをチョイス。
日本料理「山の笑(やまのえ)」では、前菜、お椀、お造りの次に、メイン料理を15品前後から3品、食事と水菓子は3品から1品好みのメニューをチョイス。握り寿司、季節の天婦羅、黒毛和牛のすき煮のほか、鉄板焼きコーナー「石ずえ」で仕上げた黒毛和牛のステーキやスペアリブ香薫焼なども選べます。

自分流のコースに仕立てることができるなんて、粋な計らい! アルコールもプリフィックスのペアリングコースが用意され、料理に合わせて好きな組み合わせが楽しめます。お仕着せのコースでなく、自分の好みが反映できる日本料理の夕食は、他にない魅力といえるでしょう。

「ふふ 箱根」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町強羅1320-807
宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き1名4万1250円~(税サ込、入湯税別)
2022年2月17日グランドオープン「ホテル四季の館 箱根芦ノ湖」(元箱根温泉)
芦ノ湖を見下ろす箱根駒ヶ岳の裾野に位置し、天候次第で雲海を望む日も。蔵造り風の「なごみ棟」と「みやび棟」からなる木造3階建てで、30室すべてに露天風呂が付き、かけ流し(加水)の源泉が好きなだけ楽しめます。大人の隠れ家といった風情のおこもり宿です。

客室は畳敷きの和室ツイン、ひのきフローリングの洋室ツイン、畳敷き和室+和室ツイン、洋室+洋室ツインの4タイプのツインルームのほか、スイートルーム3室を用意。
客室ごとに内装や家具、絵画などの展示品が異なるので、泊り比べてみるのも楽しそう。標準客室にはペット同伴専用ルームも用意。また、全ての客室には露天風呂が付き、かけ流し(加水)の源泉が好きなだけ楽しめます。


客室露天風呂に加えて、男女別の天空温泉が備わり、空の上から遮るもののない芦ノ湖のパノラマを眼下に、ゆったりと湯浴みが楽しめます。泉質は単純硫黄温泉。ほんのりと硫黄が香り、肌ざわりが滑らかで、浴後は肌がすべすべに。

こちらの夕食はフレンチのコース料理。相模湾や小田原港で水揚げされた海の幸に、かながわブランド牛など、県産の旬の食材をふんだんに用いた「創作フレンチ」。春は真鯛、夏に伊勢海老、秋にアワビ、冬はヒラメにアンコウと、より豪華な食材を使用した「会席フレンチ」にアップグレードすることもできます。

「ホテル四季の館 箱根芦ノ湖」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町元箱根103-241
宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き1名4万3000円~(税サ込、入湯税別)
2022年12月12日オープン予定「ホテル森の風 箱根仙石原」(仙石原温泉)
毎年秋に黄金色に染まる仙石原すすき草原の近くには、2022年12月、新たな宿が誕生します。こちらは檜造りの建物で、「森の館」「四季彩」の2つの宿泊棟に6タイプ・44室が備わり、そのうち四季彩の3タイプ14室には専用の露天風呂が設けられています。


もちろん、男女別の大浴場も完備。一方は、四季の花木を愛でる庭園が望める檜風呂、もう一方は岩風呂と趣が異なり、男女入れ替え制で楽しむことができます。泉質はカルシウムー硫酸塩泉。肌がしっとりと潤い、ハリが蘇る美肌効果も期待できそう。


こちらの夕食は、箱根の旬の食材を用いた和食のコース料理。美しい盛り付けの御膳料理で提供される「創作和食」と、グレードアップした食材で4種の御膳に仕立てた「創作会席」の2種類のコースから選ぶことができます。今から楽しみですね。

「ホテル森の風 箱根仙石原」
住所:神奈川県足柄下郡箱根町仙石原817-444
宿泊料金:1室2名利用で1泊2食付き1名2万7500円~(税サ込、入湯税別)
執筆者:塩田 典子(一人旅ガイド)