日々暮らしていると、たまに、どうにも説明のつかない不思議な出来事が起こったりしますよね。
今回はそんな経験をした女性のエピソードをご紹介しましょう。

写真はイメージです(以下同じ)
可愛がってくれた祖母が急に他界
牧野由里子さん(仮名・31歳・会社員)は、子供の頃からおばあちゃん子でした。
「両親が共働きだったので、よくおばあちゃんがうちに来てくれてめんどうを見てくれました。私のことをすごく可愛がってくれたんですよね」
2人で一緒にテレビを観ている時に由里子さんが「あ、アレ食べてみたい」と言うと、いつもお祖母さんが見よう見まねで作ってくれました。
「特に天むすが最高で、大人になってからお店で本物を食べた時に『おばあちゃんの作ったやつの方が美味しいな』って思いました。
あとガパオライスの時は、ひき肉とピーマンの味噌炒めに目玉焼きが乗ったのがでてきて、味つけが和風だぞと思いましたが、またそれはそれで美味しくて(笑)」
そんな大好きだったお祖母さんでしたが…。
「昨年の夏に亡くなってしまってしまいました。肺炎で入院したと思ったら急変してあっという間でしたね」
最後のお別れができなかったことがとても心残りだった由里子さんは、お葬式の時にお祖母さんの遺影を見ながら、あるお願いごとをしたそう。
祖母の名前にちなんだ愛猫“タマちゃん”
「実は私、2年前に保護施設から9歳ほどの白茶色の猫を一人暮らしの我が家に迎え入れて一緒に住んでいるんですよ」
その時も由里子さんのお母さんは「何でどうせなら可愛い子猫にしなかったの?」と言ってきましたが、お祖母さんは「由里ちゃんは年寄りに優しい良い子だね。この猫ちゃんは幸せものだよ」と褒めてくれました。
「なので、おばあちゃんの名前の“玉恵”にちなんで猫の名前は“タマちゃん”にしたんです」

そんなこんなで由里子さんは、お祖母さんに「タマちゃんの最後の時は、絶対に私がそばに居てあげられますように。天から私とタマちゃんを見守っていてください」と強く願ったそう。
「そしてつい先日、私はいつも通りクーラーをつけっぱなしにして会社に行ったんですよ。うちのタマちゃんは暑さに弱いので」
つつがなく仕事を終えた由里子さんが帰宅し、玄関を開けた途端ハッとしました。
停電でクーラーが止まってしまったけれど
「いつもと違ってムワッと生暖かい空気が流れてきて『え、そんなバカな!』とあわてて、タマちゃんを探したんです」
リビングにつながる半分まで閉まってていた引き戸を全開にすると、やっぱりクーラーは消えていました。
「ですが、タマちゃんはいつも通り元気でニャーニャー言いながら足にまとわりついてきたので心底ホッとしました。まさかと思って調べてみると、その日の午後に私の住んでいる地域が少しの間停電になったみたいで、そのせいでクーラーが止まったしまったようです」
タマちゃんをなでながら、由里子さんは「あれ、なんで玄関や廊下はあんなに暑かったのにリビングは割と涼しいままなんだろう?」と不思議に思いました。
「それもなんかクーラーの冷気とは違う、子供の頃に田舎の軒先で昼寝している時みたいな清々(すがすが)しい空気を感じたんです」
なくしたと思っていた祖母からの絵葉書が
そして、なぜか戸棚にしまっておいたはずのクリアファイルが床に落ちていたそう。
「それを見てパッと頭の中に、子供の頃、私が昼寝しているといつの間にかおばあちゃんが横に座っていて、出前のメニューとかその辺にあるものでよくあおいでくれていたなと、忘れていた思い出がよみがえってきたんですよ」

そのクリアファイルを拾いあげて中身を見てみると、生前にお祖母さんにもらった絵葉書がはさまっていました。
「なくしてしまったと思い込んでいたので、こんなところあったんだと驚くと同時に、きっとおばあちゃんがこの部屋に来てくれたんだと直感しました」
きっとお祖母さんが、昔みたいにあおいでくれてタマちゃんに田舎の涼やかな風を送ってくれたに違いないと思い、由里子さんは涙がでたそう。
「きっと私達を見守り続けてくれていたおばあちゃんが、タマちゃんの危機を救ってくれたんでしょうね」
その翌日、由里子さんは部屋にその絵葉書を飾ると、お祖母さんの好きだったひまわりを買ってきてお供えしました。
「おばあちゃん家の庭に毎年咲いていた思い出の花なんです。『これからも私とタマちゃんを見守って下さい』と手を合わせました」
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<文・イラスト/鈴木詩子>
(エディタ(Editor):dutyadmin)