安倍元首相の後継者、94歳ゴッドマザーは甥を指名か。世襲批判に反論も | ビューティーガー

時刻(time):2022-08-26 08:06源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
安倍晋三元総理が亡くなって1ヶ月あまりが過ぎました。 しかし政治の世界は恐ろしいもの。弔いモードはすぐに消え去り、自民党内は早くもポスト安倍を見据えた権力闘争へと突入しているようです。 そんな中、驚くべき発言がありました。発言の主は安倍氏の母で岸信介元総理の娘、安倍洋子氏(94)。 『NEWSポストセブン』の記事が岸信夫前防衛大臣の後援会関係者に

 安倍晋三元総理が亡くなって1ヶ月あまりが過ぎました。

 しかし政治の世界は恐ろしいもの。弔いモードはすぐに消え去り、自民党内は早くもポスト安倍を見据えた権力闘争へと突入しているようです。


 そんな中、驚くべき発言がありました。発言の主は安倍氏の母で岸信介元総理の娘、安倍洋子氏(94)。

『NEWSポストセブン』の記事が岸信夫前防衛大臣の後援会関係者による証言を掲載していました。

<「安倍さんが亡くなったとの一報が流れた後、後援会幹部の一人に洋子さんから電話があったそうです。『もう晋三はいないんですよ。明日から信千代の選挙戦が始まると思ってやりなさい』と声をしぼりだし、『もう晋三は……』と、最後は涙声で聞き取れなかったそうです」>(『NEWSポストセブン』2022年7月9日掲載『【安倍元首相銃撃】母・洋子さん、悲嘆の肉声「もう晋三はいないんですよ」』より)


 死後わずか1日でこのような報道がなされたことに加え、岸信千代(のぶちよ)氏という具体的な名前が挙がったことに明確なメッセージがうかがえます。そこで少し事情を整理しておきましょう。





「けしからん」晋三氏は甥の政治家転身を強烈に反対


 岸信千代氏(31)は岸信夫前防衛大臣(63)の長男で、安倍晋三氏の甥にあたり、2020年10月にフジテレビを退社し現在は父の岸信夫氏の秘書官を務めています。

 しかし事は複雑で、もともと岸信夫氏は晋三氏の父・安倍晋太郎、洋子夫妻の三男として生をうけました。つまり“安倍信夫”だったわけですね。

 ところが、岸信介の長男・信和氏と仲子氏夫妻が子宝に恵まれなかったため、信夫氏が岸家の養子に出されることになったのです。


 なぜこんなまわりくどいことをしたかというと、岸の名を保持するためにほかなりません。約束通りの養子縁組でしたが、後年洋子氏はこの決断を悔いていたといいます。

 そして信夫氏が政治家への転身を決意したとき、強烈に反対したのが晋三氏でした。

<「会社を辞めるなんて、けしからん。元に戻してやる」>(『絶頂の一族 プリンス・安倍晋三と六人の「ファミリー」著・松田賢弥 講談社 p.219より)と気色ばんだのだそう。

 そこには“岸信介の後継者”をめぐるファミリー内での熾烈(しれつ)な争いがあったのではないか? そんなストーリーを経たうえでの信千代氏の登場は憶測を呼ぶのかもしれません。






ゴッドマザー洋子氏94歳の影響力の大きさ


 ともあれ、すでに次なる戦いに向け周囲を鼓舞する“ゴッドマザー”の姿が浮かび上がります。悲しみに暮れている暇などない。岸一族の命脈を途絶えさせてはならないという並々ならぬ覚悟がうかがえます。


 洋子氏の言葉を裏付けるように、月刊『文藝春秋』2022年9月号に信千代氏のインタビューが掲載されました。

 岸・安倍両家の血を継ぐ者としての自身の考えを明らかにしています。政界進出について晋三氏に相談したこともあるそう。事実上の“後継者宣言”なのでしょうか? 今後の動向が注目されます。

 こうした一連の動きからうかがえるのは安倍洋子氏の影響力の大きさです。御年94歳ながら、華麗なる一族の意思決定をくだす。

 日本の戦後政治の中心であり続けた洋子氏の言葉から、怪物的な存在感について考えてみたいと思います。












父・岸元総理が洋子氏へ与えた影響


 洋子氏にとって父である岸信介の影響は絶大なものでした。戦犯として刑務所行きを命じられるも、後に公職に復帰し総理大臣にまで上り詰めた父の言葉、立ち居振る舞い、姿こそが、政治家の全てだったのです。

安倍晋三氏の祖父、洋子氏の父である岸 信介 元内閣総理大臣(画像:首相官邸ホームページより)

安倍晋三氏の祖父、洋子氏の父である岸 信介 元内閣総理大臣(画像:首相官邸ホームページより)

 純粋な尊敬が岸信介の描く日米安保条約や憲法改正の政治思想と結びつき、息子の晋三へと受け継がれていく。ここに単なる親と子の愛を超えた強固な継承が生まれるのですね。

<父は、後になって、国民の皆さんの同意を得て進めるのは理想的な形ではあるが「お国のために、これこそ」というときには、どのように誹謗(ひぼう)されようとも、やる。いずれ分かってもらえる、というようなことを申しておりました。

 政治家は、国家のため、信念を持って、命がけで行動するのだということを強く感じました。>(毎日新聞1994年5月1日掲載『[新編戦後政治]/155 女性たちが語る 安倍洋子さん/1』より)

 実際、当時は国民からの激しい反対が巻き起こり、安保闘争と呼ばれる学生運動では一人の女子大学生が命を落とす事態にまで発展しました。岸信介総理はもとより、家族にまで危険が及びかねないほどの混乱が生じたのです。

 死が差し迫った状況から発せられた発言だと思うと、世襲という言葉にも別の重みを感じないでしょうか。

 華麗なる一族の外面を保ちたいがために権力を必要としているのではない。まさに生き死にに関わる問題なのだという業の深さを感じてしまいます。






世襲批判に対し「親を見て育っているのですから、ふさわしい」


 同じ毎日新聞のインタビューで世襲批判について反論した言葉にも、青白い炎のような凄みがあります。

<よく、政治家の世襲について批判的におっしゃる方もありますが、子供が本当に国政の場で働くつもりでいますのなら、全く関係のない方よりも、親を見て育っているのですから、ふさわしいと私は思います。「後継者」というのではなく、国会議員としてふさわしいかどうかは、有権者の方に決めていただくのですから、世襲というだけで単純に批判はできないのではないかと思います。>
(毎日新聞 1994年8月7日掲載『[新編戦後政治]/172 女性たちが語る 安倍洋子さん/18』より)


 慎重で冷静な言葉遣いながら、決然と突き放すような強さをも感じる発言です。“政治を家業にして何が悪い”どころか、むしろ家業でなければ務まらない職業なのだと考えているようですらあるようです。

 もちろんこの発言に反感を覚える人も多いでしょう。是非はさておき、“軽々しく素人が入り込んでくる世界ではない”との断りだと思えば、一応うなずける意見ではあります。












晋三氏は、成人後も母と2人で映画鑑賞


 こうした政治一族の強固な結束の他に、洋子氏と晋三氏の間には一般的な母親と息子の絆を超えた結びつきがあったといいます。ジャーナリストの青木理氏による『安倍三代』(朝日文庫)では、2003年に洋子氏が『文藝春秋』に寄せた手記を引用してこんなエピソードを紹介しています。

<晋三はよく「政治家にならなかったら、映画監督になりたかった」と言っていますが、小さいころから映画が好きでした。

(略)今でもちょっと暇があると近所のビデオ屋さんに足を運び、時には「一緒に観よう」と言って、私のところにやってくることもあります。多いのはアクション映画やサスペンス物。「いまのシーン、僕ならこう撮るな」なんて言いながら、一緒に観ているのですが、時々、私と趣味が違うことも……(笑)。>(『安倍三代』著・青木理 朝日新聞出版 p.224より)

青木理『安倍三代』朝日新聞出版

青木理『安倍三代』朝日新聞出版

 青木氏も<成人してからも母親と2人でアクション物やサスペンス物の映画を観るというのは、かなり風変わりな家庭>と書いているように、ふつうの感性だったら他人には隠しておきたいような話もサラッと語ってしまう異質さ。

 権力闘争が命がけだからこそ、愛情の注ぎ方も濃密になってしまうということなのでしょうか。






「おじいちゃんを褒めれば、お母さんが喜ぶ」記憶を持ち続けた晋三氏


 この母の愛を得るため、晋三氏は少年時代にひとつのことを学んだといいます。

<晋三は洋子の愛情、なかでも男の子ならこの時期、誰しもそうだが、母親の温もりを人一倍求めていた。母・洋子への愛情は祖父・岸信介への思いに繋がっていく。「おじいちゃんを褒めれば、お母さんが喜ぶ」という幼少の記憶が、晋三にはずっと残っていたという。>
(『絶頂の一族 プリンス、安倍晋三と六人の「ファミリー」』著・松田賢弥 講談社 p.14より)

松田賢弥『絶頂の一族 プリンス、安倍晋三と六人の「ファミリー」』 講談社

松田賢弥『絶頂の一族 プリンス、安倍晋三と六人の「ファミリー」』 講談社

 とことん人間臭い感情のやり取りを介して、代々に渡って権力が受け継がれていく。こうした構図において、岸信介の娘であり、安倍晋三の母であった安倍洋子氏。

 いずれも“愛の起点”は洋子氏です。その発言が生々しく影響力を及ぼす理由を垣間(かいま)見た気がするのです。

<文/石黒隆之>
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。
『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。   
『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。
いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。
Twitter: @TakayukiIshigu4




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