昆虫や小動物が苦手な女性は多いと思いますが、その子供も同じように嫌いだとは限りません。もちろん、東京などの都会に住んでいると触れ合う機会がないので怖がる子もいますが、未知ゆえに逆に抵抗感がなく「カッコイイ!」ととらえるお子さんもいるようです。
小学校の夏休みに息子と長期の里帰り
都内在住の鈴江佐奈さん(仮名・36歳)は、小学6年生の男の子を持つ1児の母親。今から4年前の夏休み、当時2年生だった息子を連れて、九州の実家に半月ほど里帰りしたそうです。
「いつもは3~4日の滞在ですが、ちょうど主人が長期の海外出張中だったこともあり、故郷でのんびり過ごそうと思ったんです。息子もおじいちゃん、おばあちゃん大好きっ子で、出発の何日も前から行くのを楽しみにしていました」
実家は山に囲まれた内陸部の田舎町ですが自然だけは豊富。東京の自宅は見渡す限り建物ばかりたったこともあり、好奇心旺盛な息子は毎日のように出かけていたといいます
「今も実家近くに住んでる小中学校時代の友達に会いに行ったら子供同士が仲良くなり、近所の川や森とかに遊びに行ってました。
以前は家の中でゲームばかりするような子でしたが、日焼けするほど外で遊び回る姿にちょっと安心したし、母親として嬉しく思っていました。遊ぶことに夢中になり、宿題に全然手を付けなかったのには参りましたけど(苦笑)」
そんな帰省中のある日、とんでもない“事件”が起きます。その日は朝から生憎の雨模様で大人しく実家で過ごしていた息子は、「おかあさん、クワガタ捕まえた~」と居間でくつろいでいる佐奈さんに駆け寄ってきます。
ちなみにその手には黒光りするモノをつかんでいたそうですが、そのとき彼女はコンタクトを付けていなかったため、それが何なのかはわかりませんでした。
そこで顔を近づけて見てみると、それはクワガタではなくまさかのゴキブリ。驚きと恐怖で思わず「キャーッ!!」と叫び声を上げてしまいます。
素手でゴキブリをつかむ息子を見てパニックに
「10センチくらいの至近距離か思いっきり見ちゃいました。あんな悲鳴を出したのは結婚してからは初めてのことでしたよ…。
遊園地の絶叫マシンやお化け屋敷も全然平気なんですけど、ゴキブリだけは本当にダメなんです。独身時代、一人暮らししていたマンションの部屋に出たことがあったんですが、当時交際中だった主人のアパートに避難したくらいですから」

佐奈さんの悲鳴で別の部屋にいた両親があわてて居間に来ましたが、すっかり動揺していた彼女は「それはクワガタじゃないからお外にポイしなさい!」と連呼。
息子は「え~、カッコイイのに……」と不満げでしたが、母親が何度もしつこく言うのでガラス戸を開けて渋々ゴキブリを庭に放り投げます。
雨の中、羽根を広げて飛んで行きましたがこれで終わりではありません。
両親も少し引くほどの手洗い
三奈さんは息子さんの腕をつかむと、半ば強引に洗面所に連れて行き、ハンドソープで何度も念入りに手を洗わせます。
「ゴキブリっていろんなウイルスや病原菌を持っているじゃないですか。私も冷静さを欠いていたのは否定しませんが、大げさな言い方をすれば我が子の命にかかわる一大事くらいに思っていました。
しっかり手を洗った後も除菌用のウェットティッシュで手を拭きましたが息子は明らかに嫌そうな顔をしていたし、両親も私の態度が過剰に見えたのかちょっと引いているように見えました。それでも後で何かの病気になってからじゃ遅いですし、やりすぎる分には問題なかったはずです」

今も実家に帰省する際は警戒している
その後、息子さんにはあれはゴキブリでクワガタとは違うこと、病気の原因となるいろんな菌を持っているから絶対に触ってはいけないとお説教。
ただし、実家はその5年ほど前に外観・内装ともにフルリフォームを行っており、ゴキブリが出るような家ではなかったとか。両親も「リフォーム後は一度も見たことがなかった」と話しており、なぜ息子さんの前に現れたのは今も謎です。
「あれ以来、実家には一度もゴキブリが出ていないようですが、駆除用の粘着シートと撃退用のスプレーは常備してもらっています。息子や後から話を聞いた主人には半分あきれられていますけどね(笑)」
機密性にも優れ、かつ衛生的な現在の住宅でゴキブリを見かけることは昔ほど多くありませんがそれでも出遭ってしまうことはあります。仕方ない部分はあるにせよ遭遇すれば憂鬱な気分になりますし、できることなら一生お目にかかりたくないものです。
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<文/トシタカマサ イラスト/zzz>
トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
