友達同士の会話やSNSなどで垣間見られる「マウンティング」。気にしていないつもりでもつい、気持ちがイライラしたり、自分の肯定感が下がったり……。マウンティングされた後に感じる嫌な気持ちを、上手に切りかえる方法はあるのでしょうか?
そこで、その対策法について、一般社団法人日本メンタルアップ支援機構代表理事であり、『1ステップで気分があがる↑気持ちのきりかえ事典』を上梓した大野萌子先生にお聞きしました。
マウンティングされたらすぐに吐き出そう
年収や仕事、既婚、モテ自慢、容姿、家柄……あらゆる会話にマウンティングは潜んでいます。
自分がマウンティングされたとき、「下に見られているのか」「バカにされているのか」と悔しさを感じるのは当然です。そんなときは素直に、関係のない人に「こんなことがあって悔しかったの!」と言葉に出してしまいましょう。
「誰かに愚痴るのは迷惑をかけているような気がして、気が引ける」という人は、SNSに書き込むなり、一人で壁に向かって叫んでみるのもいいでしょう。
自分の気持ちに正直になる時間を持つことは、人間にとってとても大切なこと。「あんなことでムカつくなんて、器が小さいのではないか」と自分の気持ちを押し込める必要はありません。
あの人は、なぜマウントを取るのか?
一度、「ムカつく!」という思いを口にして、少し気持ちがスッキリした後は、マウントを取らずにはいられない人の背景について考えてみましょう。
他人にマウントを取ってくる人は、自分の心が満たされていないケースが非常に多いです。
自分の心が満たされていて自己肯定感も高い人なら、他人と自分を比較する必要性を感じません。しかし、マウントを取る人は、「私のほうが上ですよ」と他人にアピールして、「自分はこの人よりも上だ」と思わないと、心が満たされません。

他人にマウントし続けて、自分は他人よりも上だと思えるところがないと、自分を肯定することができない。自分自身で自分の存在を肯定できないがゆえに、「他人から承認されたい」という欲求がとてつもなく強い、かわいそうな人なのです。ですので、マウンティングをされたときには、悔しさを感じる必要は全くありません。
また、あなたがその承認欲求に巻き込まれる必要もありません。なにを言われても、「この人は自分を認められないかわいそうな人なのだな」と考えて、「へぇー」と相槌を打ち、さらりとスルーしてしまいましょう。
いくら仲良くしようとしても、合わない人は合わないのです。あなたが犠牲になって傷つき続けることはありません。マウントを取ってくる相手とは、関わりを減らすなり、思いきって離れてみてもいいでしょう。
SNS上でのマウンティング対策
ただ、対面でのマウンティングは付き合いをやめれば解決しますが、一方で困るのがSNS上でのマウンティングです。SNSは便利で楽しいですが、その半面、「見なくてもいいものをわざわざ見てしまう」という事態も頻繁に起こります。
見なければいいのに、週末に他人のSNSをわざわざのぞいてみて、「どこに行った」「なにを食べた」「誰に会った」という他人の楽しそうな画像や動画をチェックしてしまう人も……。
知らなければよかったものが可視化されてしまった結果、SNSで心を病んでしまう人も少なくありません。

写真はイメージです(以下同)
SNSは「作られた世界」だと割り切る
では、SNS上にあふれる他人の羨ましい投稿を見て、思わず悔しい気持ちになったり、自信を失いそうになってしまったとき、どうすればいいのでしょうか。
まず、大前提として覚えておいてほしいのが、SNSは「作られた世界」だということです。SNSの発信は、画像1枚、動画数秒だけ、生活のほんの一部分を切り取って、発信者が「見せたい世界」を加工して見せているものです。
きれいに盛り付けられた料理だけれども、食べてみると味はあまりおいしくなかった。
美しく整えられた部屋の写真がアップされたとしても、実は写っていないところには子どものおもちゃが散乱していた。美しい写真の裏側には、往々にしてそんな事態が起こっています。
SNSが作られた世界だということを理解していれば、「羨ましくて、悔しくなる」という感情はそもそも生まれないように思います。
SNSがなくても人は生きていける!
ただし、あまりにも気持ちが高ぶって、日々の行動に支障をきたし、モヤモヤとした気持ちを抱えてしまうようならば、心にとって良いことではありません。思いきってSNSから離れてしまうことをおすすめします。
アカウント自体を消すのが難しいならば、SNSを見る時間と回数を決めて、SNSに触れる時間を制限しましょう。
四六時中SNSを見ていないと社会から取り残されるような気がして不安だと感じる人もいるかもしれませんが、SNSで扱われている情報を知らなかったからといって、生きていけないことはありません。むしろSNSと適度な距離感を取れる人こそが、社会生活においてはうまくいくのではないでしょうか。
SNSは確かに世界とつながっているものです。
しかし、世の中の一部の人しか見ていない、実は非常に狭い世界でもあることを認識してほしいのです。いま、あなたが握りしめているスマートフォンをそっと置いて、現実の素晴らしい世界に目を向けてほしいと思います。
【大野萌子】
公認心理師。産業カウンセラー。2級キャリアコンサルティング技能士。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事。法政大学卒。
企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。
テレビ、ラジオ、新聞などのメディア出演・監修多数。著書に累計50万部超の大ベストセラーシリーズ『言いかえ図鑑』(サンマーク出版)などがある。
<文/女子SPA編集部>
(エディタ(Editor):dutyadmin)
