今年も4月に新小学1年生を迎えたお子さんを持つ親も多いと思います。しかし、せっかくの新生活を迎え、落ち着いてきたと思っていたら「小学校へ行きたくない…」、「学校をお休みしたい」と話す子どもがいるのもまた事実。
今年4月に、公立小学校の新1年生となったお子さんを持つ首都圏在住の佐藤絵理さん(仮名・36歳・パート販売員)。
お子さんが「学校へ行きたくない」と不登校気味になった生活から一変、この夏には積極的に学校へ通うようになった劇的な変化について、お母さんのとった対策と日常の取り組みを聞いてみました。
小学1年生の口から「学校は疲れるところ」
佐藤さんの娘さん、レイちゃん。幼稚園時代は明朗活発でお友達も多くいたそうです。異変が現れたのは、小学校に入学してから1か月後のことでした。

佐藤さんが「今日は学校どうだった?楽しかった?」とレイちゃんに聞くと、レイちゃんは「もう学校行きたくないよ!学校なんて疲れる…!」と泣きわめき出したのです。
よく話を聞いてみると、「気の合うお友達ができない、先生の指導がいやだ、通学が疲れる」などの、まるで会社員が答えるような回答が返ってきました。特定の誰かにいじめられているわけでもない様子でした。
佐藤さんは頭をかかえました。ただ行きたくない、それだけの理由…。家族との対話を何よりも大切にする佐藤さんは、レイちゃんの話をよく聴いてみることに。すると…。
子どもの言葉をひも解くとでてくる、本当の気持ち
まず、レイちゃんの問題の一つ目。「気の合うお友達ができない」。この原因をさぐるべく、佐藤さんはレイちゃんに話を聴いてみました。
レイちゃんの小学校のクラスの半数以上が、小学校から近い場所から通ってくる子どもが多いことがわかりました。レイちゃんは学区内ギリギリのラインから通っているため、幼稚園からのお友達がクラスにほとんど居なかったのです。これが一つの原因のようでした。

また、「先生の指導が嫌だ」ということに関して。これについては入学式の時、佐藤さんも違和感を感じていたそうです。ベテランの50代女性が担任。
先生の口調が「何でこんなこともわからないの?」「もっと頑張りなさい!」など、ベテランならではなのか、何かとおっとりタイプのレイちゃんには先生の言葉がキツかったということでした。
そして、「通学が面倒くさい」これはレイちゃんの通学路が徒歩で25分もかかること、初めての集団登校に集団下校に、上級生が時には怖く感じたりする、ということがレイちゃんの回答でした。
「もう学校へ行くのが限界…!」泣きわめいたわが子
レイちゃんは一部始終を佐藤さんへ話し終えた後、「もう限界!」と泣きわめいて抱き、長らく号泣したそうです。

佐藤さんは、先に挙げたレイちゃんの悩みを取り除くべく、行動にでました。
「気の合う友達ができない」に関して。これはとても難しい問題ですが、佐藤さんはあえて「友達」を作らないことをレイちゃんに薦めたそうです。また、高学年のお子さんを持つママに相談したところ、学童に入れてみると子どもが学校へ行くのが楽しみになるという情報を得て、早速実行しました。
レイちゃんは友達を無理やり作らないといけないプレッシャーから解放され、学童で同じクラスの『学童というコミュニティ』に参加する友達を作ることができ、この悩みからは解放されました。
先生にも指導を求める
また、先生に関しては学校へ話合いにいきました。まずは学校の教頭先生にコンタクトを取り、上の職位の先生から指導をしてもらうという作戦を取ったのです。
教頭先生から担任の先生へ「センシティブな子なので褒めてのばして教育してほしい。言葉づかいにもベテランだからといって強い口調で指導しないようにしてほしい。」と伝えてもらいました。結果的に担任の先生とも面談でき、レイちゃんへの対応も変わったそうです。
レイちゃんは「前と先生の様子が変わった、先生が優しくなった!」と大喜び。学校生活にもハリが出たようでした。
「通学が面倒くさい」集団登校へのプレッシャー問題
そして現代の子どもにありがちな「通学が面倒くさい」問題。集団登校や下校の際の『集団でいること』のプレッシャー。
こちらはあえて、一番後でよいから“ついて歩いていけばいい”と教えたそうです。そして、学校に歩いて行っていること、自宅に帰ってくること、それだけで素晴らしいということを抱きしめて教えました。
2か月過ぎたレイちゃんに訪れた変化は、結局通学には慣れ、通学路経由のお友達もできたということです。
「今日学校どうだった?」はプレッシャーになることも
今回の体験談から、やはり子どもとの対話は何よりも大切なのだということを感じます。
佐藤さんがレイちゃんから受け取った最も勉強になった言葉は「『今日学校どうだった?』ってきかれるの、すごく嫌だったの。お友達は作らなきゃいけないし、勉強もしないといけないし、学校は疲れるところなんだなって思ってたよ」とのこと。

今回の佐藤さんとレイちゃん一家の件は、あくまで一例に過ぎません。子どもの性格も千差万別。不登校のケースも子どもによって違います。
わが子が親が思う人生のレールを歩いて行く時代はもう終わりかもしれません。親だからこそ子の話を聴き、子を守るために、そして社会で生き抜いていくために…行動に出る事の大切さを学んだ例でした。
文部省によると、小学校・中学校の不登校の人数は2021年10月時点で、19万人以上も存在するそうです(「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」による)。
生きにくい現代。子どもが子どもらしく生きていける、そんな社会が実現するには、何より『寄り添うこと、親も行動を起こすこと』が大切になってくるのかもしれません。
<文/根本一凛>
根本一凛
元ファッションプレス。化粧品開発経験者。ファッション・美容・ライフスタイルを得意とする女子力アップを応援するライター。
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