職場の人事異動では、同じオフィス内でも部署が変わったり、転勤や子会社への出向・転籍などさまざまなケースがあります。
マーケティング会社で働く江連千絵さん(仮名・30歳)の前職は、全国展開する上場企業の某メーカー。25歳のとき、自身が勤務する支社に俳優の生田斗真さん似のイケメンエリート社員が本社から赴任し、女子社員たちは大騒ぎ。でも、彼とは初対面ではなく子供のころからよく知る人物でした。

写真はイメージです(以下同じ)
従兄と同じ職場になるも周囲には隠していた
「従兄なんです。実家が同じ市内にあり、それこそ昔は週に何度も家を行き来していました。おたがい一人っ子なこともあり、実の兄妹のような存在でした」
成長するにつれて会う機会は減ったものの良好な関係は成人してからも続き、身内の集まり以外でも年に何度かは一緒に食事やカラオケなどを楽しんでいたとか。そのため、盛り上がる同僚の女性社員たちをよそに少し冷めた態度を取っていたそうです。
「場の空気を読んで周りに合わせてもよかったですけど、さすがに私がやると白々しいじゃないですか。ウチの支社に来ることは事前に本人からのLINEで知っていたし、ほかの方からあれこれ聞かれるのが嫌だったから従兄であることは伏せようと話していたんです。それもあって職場では興味のないフリを装い、意図的に距離を置くようにしていました」
仕事中はあいさつと必要最小限の言葉だけを交わす程度とはいえ、それでもよく知った者同士。一言二言のやりとりでも笑みが一瞬こぼれてしまうことも多かったようです。

しかし、そんな二人の様子に疑念を持つ者が現れます。Sさんという千絵さんの2歳年上の女性社員で、彼女は自分からアプローチを行う肉食系。歓迎会では従兄の隣の席を確保し、その後も積極的に話しかけて赴任の翌月には告白するも見事に玉砕してしまいます。
「Sさんとのことは従兄から聞いていました。ただ、彼女はフラれた後も彼のことを観察していたようで、仕事の後もストーカーのようにこっそり尾行していたんです。かなりに後になって知りましたがある日の会社帰り、私が従兄と職場の最寄り駅近くの居酒屋に入るところを見ていたそうなんです」
恋人と誤解した同僚から嫌がらせが…
好きな男性を奪われた嫉妬で彼女は千絵さんにキツく当たるようになり、自分の仕事も強引に押し付けてくるなど露骨な嫌がらせが始まります。
また、Sさんの取り巻きの数人の女性社員も同じことをしてきたため、さすがにこれは精神的にもこたえたようです。
「直接付き合っているのか聞いてくるなら否定しましたが、彼女たちはただ嫌がらせをしていただけ。まさか飲みに行くところを見られていたとは思っていなかったため、なぜ急にいじめのターゲットになったのか理解できませんでした」
そこで千絵さんが理由を尋ねると、「こっそり彼と付き合って、陰で私たちのことをバカにしてたんでしょ!」とSさん。当然、誤解だと言いましたが信じてもらえませんでした。
従兄だと明かすことも考えましたが、それ以上に彼に迷惑をかけたくない気持ちが大きく、このことは一切言いいませんでした。そのため、交際が誤解であることを証明できず、嫌がらせはその後も続いていたそうです。
「実は、このころ今の夫からプロポーズを受けており、結婚を機に辞めようと考えるようになりました。やりたい仕事は別にあったし、嫌がらせを受けながらこれ以上働きたくないって思いもあったからです。けど、いざ寿退社を発表すると、Sさんたちが『二股交際だ! 浮気してる!』って噂を社内に流したんです」
イトコだと知るとてのひらを返して…
これは従兄の耳に入ることになり、これまでの一部始終を説明することに。その翌日、昼休みに絡んできたSさんたちに従兄だと打ち明けるも「もっとマシなウソをつきなさいよ!」と信じてもらえません。
すると、そこに彼が割って入り、改めて本人の口から説明。証拠としてあらかじめスマホに保存してきた子供のころや高校時代の彼女とのツーショット、法事などで撮った2人が写っている集合写真の画像などを見せ、ようやく本当の従兄だと信じてもらえたそうです。
「全員謝ってくれましたがSさんは掌(てのひら)を返したように今度は『(従兄との)キューピットになって』って頼んできたんです。どのツラ下げてこんなことを言うのかとあきれましたが、従兄にはずっと付き合っていた恋人がいました。だから、そのことを告げて『無理です』と突っぱねましたけどね(笑)」
2人は恋人関係ではなく従兄妹同士でしたが、実際に恋愛関係であっても社内で秘密にしている方は多いはず。あらぬ噂を立てられては仕事に支障も出ますし、職場によっては人間関係がこじれる可能性もあるでしょう。そのため、隠すのであればプライベートでも会社近くで2人きりで会うのを避けるなど配慮したほうがよさそうですね。
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<文・写真/トシタカマサ イラスト/ZZZ>
トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
(エディタ(Editor):dutyadmin)