夫の実家へ帰省すると、普段は見ることのない一面や、義両親から聞く幼少期のエピソードなどに接することがあります。どれも興味深く、頼もしいものです。しかし、時には不必要な情報も耳に入ることがあります。今回は、帰省した夫の実家でまさかのハプニングが起きてしまったエピソードをお聞きしました。
初孫を見せに義実家へ
エピソードを語ってくれたのは、亜紀さん(仮名・27歳)。亜紀さんの夫の実家は、豪雪地帯で有名な山形県米沢市。一方亜紀さんの実家は横浜で、亜紀さん夫婦は東京に住んでいます。今回初孫が産まれたタイミングで、久しぶりに帰省することになりました。
「とはいっても、義実家へまともに行くのは今回が初めてでした。結納のときに両親と日帰りで訪れたくらいで…田舎の大きな家というくらいしか、記憶に残っていませんでしたね」
義両親は孫の顔を見られるとあって、大歓迎で迎え入れてくれました。
団らんの中、義母から気になる一言が…
久々の帰省とあって、その日の昼食はまるで京懐石のような仕出弁当が用意されていました。豪華な弁当を囲み団らんしていると、いつしか夫の昔話に話題が向きました。

幼稚園の運動会のかけっこで一位になれなくて大泣きした話や、小学校2年生の時に真剣な口調で幼馴染の女の子と結婚したいと言い出したことなど、亜紀さんには初耳なことが飛び交いました。そんな中、義母が突然「あの小包、おめの部屋さ置いでおいだがらね」と思い出したように夫に言いました。
どうやら夫が最近、自分宛の小包を実家に送ったようでした。
「わざわざ実家に何を送ったのか気になって、夫に聞いてみました。でも『いらなくなった本』の一点張りで、どうも怪しいなと…。」
夫が寝ているすきに小包を探す
小包の話が出たあたりから、なんとなく夫の様子が変であることに不審感を抱いた亜紀さん。そうこうしているうちに、夫は久々の実家でお酒が進み、こたつでうたた寝を始めました。どうしても夫が送った小包の存在が気になり、亜紀さんはトイレに行くふりをして、夫の部屋がある2階へ上がったそうです。

上がってすぐは義両親の寝室で、その隣は物置部屋でした。一か八か一番奥の扉が閉まった部屋に当たりをつけて、亜紀さんはドアノブをゆっくり回しました。
薄暗いながらも、奥の本棚には少年漫画雑誌、壁にはアイドルのポスター。夫は一つ上の姉がいるだけなので、夫の部屋にちがいないと確信した亜紀さん。
電気をつけてみると、ご丁寧に部屋のど真ん中に例の段ボール箱が。しかもご丁寧に、開封済みで置いてありました。
なにこれ…段ボール箱を開けて絶句
おそるおそる箱の中を見ると、夫宛の封筒や頂き物らしきネクタイなどの品々が。良心の呵責はあったのものの、一番目立つ青い封筒の中の便箋を取り出した亜紀さん、
「このネクタイは一緒に行った〇〇でこっそり買いました。絶対似合うと思って! ヒデ君(夫の名前)のことずっと待ってます」
ボールペンで書かれた丸文字が目に飛び込んできました。他にも、絵葉書や夫が見知らぬ女性とポーズをとって写っているスナップ写真などがあったそう。
「血の気が引くって、初めて経験しました。なんか、一瞬フラフラして倒れそうになったんです。でも、すぐに正気に戻って、なんかとてつもなく腹が立ってきたんです」
興奮気味の亜紀さんはそう語りました。
子どもを抱きかかえて実家を出る
足早にリビングへ戻り、義母の横で眠る我が子を抱きかかえた亜紀さん。スマホと財布だけ持って家を出ようとしたところ、亜紀さんのあまりの形相に、義両親は目が点になっていたそう。

「今日はもう帰りますね。お世話になりました」とだけ伝え、亜紀さんは義実家を後にしました。
何も知らない夫は起きる気配もなく、義両親もあっけに取られたまま声も出ない様子でした。
「とりあえず米沢駅前のホテルで一泊して、落ち着こうとしたんです。でも時間を追うごとに許せない気持ちが募ってきて…。翌朝のつばさ252号で東京に戻りました」
土下座されても許す気になれず
その後、夫は気まずそうな顔で東京の自宅に帰ってきたそう。義両親と話して、ようやく事の重大さに気がついたようでした。亜紀さんの夫は土下座して謝ったそうですが、裏切られた気持ちでいっぱいの亜紀さんはどうしても許すことができなく、実家へ身を寄せて別居しているとのこと。
「子どものことを考えるとなかなか離婚に踏み切れないのですが、この先夫のことを再び信じることができるかと自問自答したとき、やっぱり自信がなかったんです」
「離婚」という二文字と葛藤しながら、現在も別居生活を続けている亜紀さん。時間が解決してくれるとよいのですが。
―シリーズ「義実家エピソード」―
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<文/北見ちひろ>
(エディタ(Editor):dutyadmin)

