身近な人が亡くなるのは、とても辛いものです。しかし遺族の方々は悲しんでばかりもいられず、お葬式や遺品整理など、やらなきゃならないこともたくさん…。
今回ご紹介するのは、父親代わりとも言える存在であった、祖父を亡くした女性の体験談です。彼女が悲しみにくれながら行っていた遺品整理中に、大爆笑をもたらしたという、故人の残した意外な物とは…?
幼少から面倒を見てくれていた
「とても元気だったので、亡くなった時は信じられない気持ちで…ひたすら悲しかったです」
そう話してくれたのは、1年ほど前に90歳だった祖父を亡くした中野みどりさん(37歳・仮名)。みどりさんはシングルマザー家庭だったので、幼少期はよく祖父母に世話をしてもらったと言います。
「母が仕事で遅い日とかは、隣の家に住む祖父母の家でご飯を食べたり、寝泊まりしたりしていました。幼ない頃は、母親よりも祖父母によく懐いている子だったと聞いています」
みどりさんが小学生になる頃には祖母が他界、それ以降は祖父が面倒を見てくれたのだそう。
「高校生くらいまで、時々祖父が夕食を作ってくれたり、学校に送り迎えしてくれたりしました。父親のいない家庭ですが、それで寂しいと思ったことはなかったです」
祖父の急逝
大学生になって実家を離れた後も、帰省する時は、もちろん祖父にも会っていたみどりさん。そんな祖父は、ずっと大きな病気もなく健康だったため、亡くなった時は本当に信じられなかったのだそう。
「いつもピンピンしてて、まわりからも『いつまでもお若いですね』なんて言われていました。でも、ちょっと病気で入院したかと思ったら、見る見るうちにに弱って、亡くなってしまいました…」
90歳という年齢を考えたら、いつ体調を崩してもそこまで不思議ではありません。しかし、みどりさんは「うちの祖父に限って…」と、亡くなるのはまだまだ先のことだと思っていたのだそう。

悲しみの遺品整理
みどりさんは、初めて肉親を亡くした悲しみに打ちひしがれました。お葬式などがひと通り終わり四十九日も過ぎた頃、みどりさんは会社から少しお休みをもらい、祖父の遺品整理をすることにしました。
「まだ悲しい気持ちでしたが、時間がある時に少しずつ祖父の家はキレイにしないといけないので…。捨てられる物は捨てたり、掃除したりしようと思いました」
祖父の部屋を片付けていると、家族の思い出の写真や懐かしい物など、色々と出てきてウルっとしながら整理をしていたみどりさん。
「悲しかったけど、色々と懐かしい物も出てきて、母と思い出話に花を咲かせながら片付けていました」
しんみりした遺品整理が一転した物とは?
みどりさんとお母さんが片付けたり掃除をしたりしていると、大きな古いタイプのアルバムを見つけます。
「昔よくあった、現像した写真を貼っていくタイプの大きなアルバムです。釣り仲間と撮った写真のアルバムや、旅行のアルバムなど何冊かありました」

そんな中、ひとつのアルバムに手を伸ばしたみどりさん。中を開けると、驚きの内容になっていたのだそう。
「他のアルバムと同様に、何気なく開いてみたら、びっくりです…!それは祖父のセルフィーの写真集でした…!」
アルバムの中は、若い頃の写真(白黒)からつい最近のものまで、祖父だけが映った写真のオンパレード。旅先で撮ってもらったであろうソロの写真から証明写真タイプのものまで、大きなアルバムの数ページに渡って、若い頃から数年前までの祖父のセルフィーが、集まっていたのだそう。
「ちょっとあっけに取られた後、『なんで自分の写真だけ集めてるの?』って母と大爆笑しました」
モテ男だったお祖父様
実は、若い頃は近所でも有名なハンサムだったことが自慢のみどりさんのお祖父様は、年を取ってからも、バレンタインにはどこからかチョコレートをたくさんもらってくるようなモテ男だったのです。

「祖父は、病床でぐったりしてるのにも関わらず、散髪したいとリクエストしたり、かなり容姿を気にするナルシストではありました。でもセルフィーの写真集まであったなんて…!(笑)」
みどりさんの悲しい気持ちが、笑いで吹き飛ばされた遺品整理だったとのこと。ユーモアあふれる物を残してくれて、ステキなお祖父様ですね! でも、セルフィーを見られ、天国で少し照れているかも知れませんね。
―冠婚葬祭のトホホ―
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<取材・文/まなたろう イラスト/やましたともこ>
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
