今の位置(Current Position): ホームページ(HomePage) > ライフスタイル >

横浜流星の魅力は“繊細さ“にある!映画『嘘喰い』『新聞記者』etcから読み解く | ビュー

時刻(time):2022-02-12 15:04源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
2022年2月11日より映画『 嘘喰い 』が全国公開されている。結論から言えば、本作は「横浜流星のためにスクリーンで見届ける」価値が間違いなくある。 ©迫稔雄/集英社 ©2022 映画「嘘喰い」製作委員会(以下、同じ) 原作コミックとは微妙に異なる存在感でありながらも、“だからこそ”、「横浜流星が演じてこその魅力を持つ主人公」になっていたことに感動したからだ

 2022年2月11日より映画『嘘喰い』が全国公開されている。結論から言えば、本作は「横浜流星のためにスクリーンで見届ける」価値が間違いなくある。

©迫稔雄/集英社 ©2022 映画「嘘喰い」製作委員会

©迫稔雄/集英社 ©2022 映画「嘘喰い」製作委員会(以下、同じ)

 原作コミックとは微妙に異なる存在感でありながらも、“だからこそ”、「横浜流星が演じてこその魅力を持つ主人公」になっていたことに感動したからだ。その理由を解説していこう。

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

原作の主人公の特異性とは


 迫稔雄によるコミック『嘘喰い』は2006年から2018年まで約12年に渡って連載され、シリーズ累計発行部数が880万部を超えるヒット作。ジャンルは『カイジ』や『賭ケグルイ』シリーズなどに通ずるギャンブルものだ。

 その魅力は一触即発のギャンブルの緊張感、相手の嘘を見抜き智略によって打ち勝つカタルシス、ケレン味たっぷりな演出など枚挙にいとまがなく、主人公の斑目貘(まだらめばく)の特異性も重要となっている。

 その人間離れした観察眼や頭脳、不敵な笑みから印象付けられる悪どさがありながら、一方で「決して悪人ではない」からこその親しみやすさもある、極めて「ダークヒーロー」的な立ち位置および魅力を持っているのだ。

 マンガ的かつ人間離れしているとも言えるキャラクターを、どのように横浜流星が表現するのか? というところが本作の最大の見所であり、それは同時に『嘘喰い』の実写映画化という企画において「十分にできていなければ失敗作になる」ほどの要素だろう。




横浜流星の「ギャップ」があってこその魅力



sub1
 横浜流星は、良い意味で「若々しさのあるキャラに寄せる」ことで、実写映画化史上においても最大級に難しいであろう『嘘喰い』の主人公の斑目貘を、自分らしく表現することに成功していた。それは、これまで演じてきた役でもみられた、彼の俳優としての特性を活かした結果だと思うのだ。

 横浜流星は言うまでもなくとんでもない美形であり、目を細めたときの優しさを滲ませる表情も印象的だ。例えば『青の帰り道』(2018)、『きみの瞳が問いかけている 』(2020)などで不良に近い役を演じたときは、その眼差しとの「ギャップ」にやられる。

『いなくなれ、群青』(2019)やオムニバス映画『DIVOC-12』(2021)の「名もなき一篇・アンナ」のような、どちらかと言えば穏やかな役でも、その表情による「儚さ」が際立つようになっていた。

 さらに、Netflixで配信中のドラマ版『新聞記者』では、横浜流星は初めは政治に無関心だった普通の大学生に扮している。だが、大きなショックを受け、複雑な感情を抑えに抑え、そして「爆発」してしまうまでの表現が素晴らしかった。普段の振る舞いとの違いを、微妙な表情の変化で伝えるという演技力の高さも思い知らされたのだ。










「繊細さ」が主人公の「親しみやすさ」に活かされた


 それらの役にあった横浜流星の魅力は「繊細さ」とも言い換えられる。それは、破天荒で男臭さもあった原作の『嘘喰い』の主人公の斑目貘とは、はっきり言って正反対の印象でもある。実際にその要素はやや後退しているので、原作ファンからの賛否はあるかもしれない。

 だが、原作の斑目貘の「親しみやすさ」が、横浜流星というその人が演じてこそ、濃いめに抽出されたような魅力は見逃すことはできない。気兼ねなく話しているときも、命懸けのギャンブルに挑むときでさえも、彼のことを「気が置けない親友」としてみられるような魅力が、今回の横浜流星にはあったのだ。

 それは、今回の映画で再構築された物語にも大きく絡んでいる。何しろ、今回の斑目貘は冒頭で大きな「負け」を経験することになる。このエピソードは原作では少し話が進んでから提示されていたものだが、映画では初めにこの事実を提示しておくことで、良い意味での主人公の「どん底から這い上がっていく」物語の強みを増している。若々しい印象も、その苦境を跳ね返すための良い意味での「虚勢」につながっているようにも思えるため、さらに母性本能がくすぐられるのだ。




自身のパーソナリティーの認識



sub2
 どん底から這い上がる物語の印象と、横浜流星ならではの「繊細さ」が組み合わさることで、掛け値なしに主人公を「がんばれ!」と応援したくなる。その「健気さ」とも言い換えられる魅力を新たに備えた、実写映画ならではの斑目貘のキャラクター造形を、心から賞賛したいのだ。

 なお、横浜流星は公式サイトのコメントにおいて「(絶対的な自信がある斑目貘という男は)華があり周りを巻き込み引き込む力があるとても魅力的な人間。何もかも僕とかけ離れていますが、まずは自信を持って、そこに隠れる狂気や野心をバランスよく、でもエモーショナルに出来たらと思い、貘として嘘喰いの世界を生きました」と語っている。

 自身のパーソナリティーとの違いを(客観的には謙遜しすぎでは?と思うほどに)認識しながらも、自信を持とうとした俳優としての姿勢。それが苦境に陥るも、やがて自信に満ちたギャンブラーとして成長していく劇中の役とシンクロしているようにも思えることも、とても嬉しい。










佐野勇斗との「バディ感」も見所


 今回の映画版でもうひとつ重要な要素として打ち出されているのは、佐野勇斗演じる青年・梶との「バディ感」だろう。彼は原作でももう1人の主人公と言える存在で、初めこそ借金まみれでダメダメ、優しすぎて勝負事にも向かない存在として描かれるのだが、次第に斑目貘にとっての頼れる相棒へとなっていく。

 さらに、横浜流星が親しみやすさだけでなく「カリスマ性」をも持ち合わせていることも重要だ。観客は佐野勇斗に自信を重ね合わせることで、その相棒になっていく嬉しさと、「彼についていきたい」という切実な想いもシンクロするようになっている。もちろん、それは佐野勇斗が「(ちょっとダメだけど)どこにでもいる普通の青年」を好演しているおかげでもある。

 前述したような、どん底を経験した主人公でありながらも、「この人について行けば新たな世界が見られる」という、青年・梶に芽生えていく「ワクワク感」もまた、横浜流星という俳優の魅力があってこその説得力を持たせていたと思うのだ。

 その他にも豪華キャストが揃っており、特に本郷奏多が仕事を遂行しアクションもこなす若い立会人になっていたり、鶴見辰吾が戦闘力の高い「イケおじ」に扮しているのもたまらない。白石麻衣、森崎ウィン、櫻井海音、木村了、村上弘明、三浦翔平などにも、横浜流星や他キャストとの掛け合いでどのような化学反応を起こすのか、注目してほしい。




頑なに譲らなかった原作へのリスペクト



sub3
 ジャパンプレミアでの舞台挨拶で、横浜流星が「頑なに譲らなかった」と告白したことがある。それは、「ハーモニカを吹くシーン」が当初の撮影の予定にあったのだが、「斑目貘の持ち物は『カリカリ梅』だけ」「絶対吹きません」と、横浜流星は断固として反対したのだという。それは「カリカリ梅は原作をリスペクトするうえでいちばん大事。ここにハーモニカが入ってくるとカリカリ梅の強さがなくなってしまう」ことが理由だったそうだ。

「カリカリ梅」は主人公の好物というだけでなく、劇中でもとある重要なシーンで登場する、「親しみやすさの裏に隠された智略」を示す重要なアイテムだ。原作でも印象的だったそのカリカリ梅のシーンのために、余計とも言えるオリジナル要素を、断固として反対した横浜流星の判断も賞賛に値する。

 製作者の意向に反対するということは、現場で「面倒な俳優」として敬遠される理由にもなりかねないが、横浜流星はそのリスクを顧みずに、原作の要素を大切にしたのだから。また、彼はウィッグを使わず、実際に髪を銀髪に染めたという。そのような「本気」が役に挑む姿勢から伝わることも、また嬉しいのだ。







万人向けの『嘘喰い』に


 ここまで横浜流星の魅力を中心に賞賛したが、肝心の映画としての出来はどうか? と問われれば、「万人受けの『嘘喰い』として十分にアリ!」と間違いなく及第点以上はある内容だった。

 原作は命懸けのギャンブルにまつわる暴力性も見所になっていたが、今回の映画ではルールのエグさはそのままでも画としての表現はマイルドになっており、お子さんや女性でも不快感なく観られるようになっていると思う。これは幅広い層に届けるためのアプローチとして、個人的には肯定したい。

 ギャンブルは原作から特にシンプルなものが選ばれている印象で、画的にも良い意味でわかりやすく、あまり頭を使わずに観られる。原作ではビル内で行われていた戦いが、森の中へと舞台が変更されルールもより厳しいものへと変わっているのも、アレンジとして面白い。原作を未読の方には、想像もし得ない勝ち方をするカタルシスも十分にある。

 苦境に陥ってしまう心理はとても丁寧に描かれているし、その印象を覆して「相手の嘘を喰ってしまう」までの最低限のロジックもあった。






原作者も「面白かった」と感想を監督に伝えた



sub4
 中田秀夫監督作は、近年の『スマホを落としただけなのに』(2018)や『事故物件 恐い間取り』(2020)もあまり評判は芳しくなかったが、それでもエンタメに合う堅実な演出があり、今回も豪華キャストを最大限に活かす力が存分に発揮されていた。それらにある「ちょっとだけ隙のあるキュートな印象」も、個人的には好きだ。

 ちなみに、原作者の迫稔雄も、完成披露試写の後に「面白かったです!」と中田監督に直接感想を告げていたそう。さらに、迫稔雄は「横浜流星は次回作にて『エアポーカー』をご所望」「次回作やるなら僕が脚本やりますよ」ともツイートしている。

 その「エアポーカー」とは、『嘘喰い』ファンの間でも屈指の傑作ギャンブルと呼ばれているエピソード。もちろん続編が本当に作られるかどうかはわからないが、原作者自身が脚本製作にも意欲的ということであれば、その再現度や完成度にも期待が高まる。筆者も本作がヒットして、続編が作られることを心から期待している。

【画像をすべて見る】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

<文/ヒナタカ>



(エディタ(Editor):dutyadmin)
    顶一下
    (0)
    0%
    踩一下
    (0)
    0%
    ------分隔线----------------------------
    コメント(comments)
    Please observe the policies and regulations of the Internet.

    コメント(comment):
    気持(Expression):
    ユーザ:パスワード:
    認証コード:点击我更换图片

    最新コメント コメント詳細画面へ>>
    ランキング(Ranking)