2023年3月に相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線&東急新横浜線)が開業することが正式発表された。これにより相鉄や東急沿線から新横浜駅へのアクセスが便利になるほか、地下鉄など7社局14路線がつながり、首都圏の広大な鉄道ネットワークが新たに形成される。
どのような経路で、乗り入れが可能になるのか。期待される波及効果や、利用者側のメリットを確認してみよう。
相鉄・東急直通線とは?

2023年3月の開業が決まった相鉄・東急直通線(相鉄新横浜線&東急新横浜線)とは、相鉄本線の西谷と東急東横線の日吉を結ぶ約12.1kmの路線だ。西谷~新横浜(約6.3km)が相鉄新横浜線、新横浜~日吉(約5.8km)が東急新横浜線となる。
このうち、西谷~羽沢横浜国大(約2.1km)は、すでに2019年11月30日に開業し、JR東日本と直通運転を行っている。今回開業するのは、残りの羽沢横浜国大~日吉間(約10.0km)である。途中には、新横浜、新綱島の2駅が新設され、いずれも地下駅だ。
相鉄・東急直通線の乗り入れ先は?

開業後、ほとんどの電車は他線へ直通運転される。相鉄側は、本線の二俣川、海老名方面までだが、一方、日吉から都心方面への乗り入れは多岐にわたる。
まずは、日吉から東急目黒線に直通する電車だ。これは、目黒から東京メトロ南北線に乗り入れ、終点の赤羽岩淵からは埼玉高速鉄道に直通して浦和美園まで行く。もう1つのルートは、都営三田線に直通して西高島平まで乗り入れる。
日吉から東急東横線に直通する電車は、渋谷から東京メトロ副都心線に乗り入れ、その先は一番遠くて東武東上線の小川町まで行く予定だ。副都心線の小竹向原からは西武有楽町線に接続しているが、西武鉄道と相鉄&東急新横浜線を直通する電車は設定されない。
列車本数は、どの程度増えるのか?

列車本数に関しては、羽沢横浜国大~新横浜で朝のラッシュ時に1時間当たり10本、その他の時間帯は4本の予定だ。新横浜~日吉に関しては、朝のラッシュ時に1時間当たり14本、その他の時間帯は6本が予定されている。
新横浜駅はホーム2本で3線の構造となっていて、折り返しが可能なので、運転本数の調整ができる。ただし、列車ダイヤの具体的なことはこれから詰めるようだ。
西谷~羽沢横浜国大は、JR側の走行区間の列車密度がネックとなっていて、ラッシュ時以外は1時間当たり2本の電車しか走っていない。首都圏にしては閑散とした状態で、羽沢横浜国大駅の発着本数が少なく、ちょっと不便だった。
新横浜線の開業で、新たに1時間あたり4本が追加されるので、この区間の本数は1時間当たり6本となり、ようやく妥当な本数となる。

ところで、JR直通線を利用すると羽沢横浜国大の次の停車駅は武蔵小杉だった。1時間に2本なので不便だったが、新横浜線経由でも武蔵小杉に行けることとなり、利便性は向上する。ただし、経由路線により運賃や所用時間が異なるであろうから、定期券を持つとどちらを選ぶか悩ましい問題となろう。
東海道新幹線・新横浜駅へのアクセス、劇的に向上

今回の開業で1番のポイントは、東海道新幹線の停車駅である新横浜駅へのアクセスが良くなることだ。
相鉄沿線に住んでいる人にとっては、現状は、横浜へ出て、JR京浜東北線&横浜線に乗り継ぐか、横浜駅から地下鉄ブルーラインに乗り換える迂回ルートの2択だった。
例えば、大和から新横浜まで上記の経路をたどれば、どちらの経路をたどっても乗り換え時間を含めて40分弱かかった。これが乗り換えなしにアクセスできるようになり、19分で行けるようになる。
所要時間は半減し、利便性は画期的によくなるだろう。名古屋や関西以西へ出かける人にとっては朗報だ。
東急東横線や目黒線沿線の人にとっても、新横浜へのアクセスがダイレクトになり利便性が高まる。これまで品川から東海道新幹線に乗っていた人も、乗り換えや混雑状況などを勘案し、どちらがより便利か見極めることになろう。その上で、新横浜利用に変わる人が出てくると思われる。
ヨコハマネイビーブルーが首都圏を席捲!?

今度の直通運転で、相鉄のヨコハマネイビーブルーの電車が本格的に埼玉県に進出することになり、これも興味深いことだ。
神奈川県内、それも相鉄沿線に留まっていた車両が、JR直通により、渋谷や新宿まで顔を見せるようになったのは周知のことである。これが埼玉高速鉄道や東武東上線にも進出するようになると、知名度はさらにアップする。

直通開始をアピールするため、相鉄は広告などを利用して大々的にプロモーションを展開していくという。どのような波及効果があるか、興味は尽きない。
資料提供=相模鉄道
画像提供=相模鉄道、鉄道・運輸機構
執筆者:野田 隆(鉄道ガイド)