子どもにおこづかいはいくらあげればいいのか、また親はどこまでその管理に関与すればよいのか。2回に渡ってキッズ・マネー・ステーションの八木陽子さんに子どものおこづかいについてお話を伺いました。今回は、電子マネーなど最近のおこづかい事情についてさらにお話を伺います。
現金か電子マネーか、生活圏にあわせて選ぶ
――最近ではpaypayなど電子マネーも多くの種類がありますが、おこづかいは現金と電子マネーだとどちらが良いですか。
八木「生活圏によってどちらが適しているかは変わります。例えば、都内などほとんどのお店で電子マネーが使えるところに住んでいれば、電子マネーでおこづかいを渡した方が子どもも便利です。また学校や習いごとに電車やバスなどで通っている場合は、PASMOやSuicaなどの交通系ICカードでおこづかいを渡した方が子どもも使いやすいでしょう」
小学生には現金であげたほうがいい
――電子マネーだとかさばらないし小銭も出ないので便利ですね。
八木「ただ、小学生の場合は現金でおこづかいをあげるのが適していると思います。やはり電子マネーだとお金のやり取りが簡単な分、お金の重みを体感しにくいからです。ですので、子どもがまだ小さいうちは現金でおこづかいをあげることでお金の価値を体感させることが大事です。お釣りをやりとりすることで計算の勉強にもなりますよ」
高校生ならデビットカードもおすすめ
――高校生などある程度大きくなってから電子マネーを使う場合、おすすめのサービスはありますか。

八木「生活圏によって便利な電子マネーは異なるので、お子さんの生活の範囲でより使いやすく使うシーンが多い電子マネーを選ぶのが一番良いでしょう。ちなみに、デビットカードはとても使いやすく15歳からカードが作れます。銀行にある残高分しか使えないのですが、カードで支払うことができるのでおすすめしています」
家の物をフリマアプリで勝手に売る事例も
――お年玉を含め、おこづかいのやりとりから親子で学ぶことは多そうですね。

八木「そう思います。電子マネーもそうですが、特に最近はさまざまな金融サービスがたくさん出ています。私が最近よく聞くのはメルカリなどのフリマアプリを子どもが勝手に使っているという相談です。子どもが家の物を勝手にアプリで売ってしまいお金に変えるので困っているという保護者の声もありました。
そういう時こそ、『フリマアプリは禁止』と一方的にルールを決めるのではなく、なぜそれがダメなのかという話し合いをした上で家庭のルールを親子で話し合うことが大事です。
フリマアプリをダメとする場合は『顔が見えない人と物の売り買いをするのはもう少し大きくなってからにしようね』など、その家庭の価値観を教えることが大事だと思いますし、『売る場合は事前に親に確認する』『思い出のある物は売らない』などルールを決めて活用させるのも良いと思います」
トラブルを避けるためには親子で一緒に学ぶ
――保護者が知っておかないといけないことがたくさんあって大変です。

八木「フリマアプリや電子マネー以外でも、大人よりも子どもの方が詳しい金融サービスは山ほど出ています。今まではおこづかいも現金が主流だったので、保護者の目が届く範囲で子どもがお金を使っていたのですが、もはや親が先回りして子どものお金の使い方を管理するのは難しい時代になっています。
ですので、保護者としても管理するという意識よりも親子で一緒に学ぶ、それでうまくいかなかったらやり方を変えていくという気持ちでおこづかいやお金について学んでいくのが良いのではないでしょうか」
おこづかいをあげる、という何気ない習慣が子どもの行動をかえ、親子でお金について考える良い機会であることを知りました。年明けはお年玉のやりとりを通して、子どもとお金の話をしてみてはいかがでしょうか。
【八木陽子(やぎ・ようこ)】
キッズ・マネー・ステーション代表。2005年からお金教育・キャリア教育を普及する「キッズ・マネー・ステーション」を主宰し、2020年現在、約300名の講師たちが所属し、全国の小・中・高等学校にて授業や講演などの活動実績が多数。2017年度4月から使用される文部科学省検定の高等学校家庭科の教科書に日本のファイナンシャルプランナーとして掲載される。
<取材・文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。
(エディタ(Editor):dutyadmin)
