年末年始は帰省してゆっくり過ごす予定の人も多いのではないでしょうか。しかし、その帰省先が「自分の実家」なのか「義実家」なのかで、精神的にも肉体的にも負担が大きく変わりますよね。

写真はイメージです(以下、同じ)
往復30万超!2歳の息子を連れ、福岡へ
北海道出身のアイさんは福岡県出身の夫と結婚し、現在6歳になる男の子を育てているワーキングママ。夫は数年単位で転勤になる仕事のため、アイさんの地元である北海道にマンションを購入して、夫は単身赴任をしています。
「北海道と福岡なので、義実家とはどうしても疎遠になりがちです。だから『年末年始くらいは…』と思い、3人で往復30万円以上かかる飛行機代を奮発して、12月30日から4泊5日で義実家に帰ることに決めました」
飛行機の中では当時2歳の息子がグズったり、大きな荷物をもって地下鉄で移動したり、大変な思いをしてやっと義実家に到着したアイさんご家族。息子が生まれたとき以来の対面に、にこやかに再会のあいさつを交わしたそうです。
到着直後、義母が放った一言にモヤッ

「寝室に案内されたので荷物をおろし、長旅の疲れと無事に到着した安心感で、息子と二人で少し横になっていました。そうしたら、急にふすまが開いて義母が立っていたんです」
目を丸くするアイさんに義母が放った一言は「○○くん、ばぁばと一緒に遊びたいよね~。アイさん、私、○○くんの面倒見ないといけないから、ちょっと洗濯物取り込んでくれる?」
言い方には引っ掛かったものの「洗濯物を取り込むくらいなら…」と承諾したアイさん。これが悲劇の4泊5日の始まりでした。
気づけば義実家の家政婦に…
洗濯物を取り込むだけではシワがついてしまうと思い丁寧に畳んだアイさんは、息子と遊ぶ義母に報告したそうです。すると義母は「あ! お風呂掃除もまだだったわ」。アイさんは「やっておきますよ」とお風呂掃除も引き受けました。
「お風呂掃除のあとも皿洗いやトイレ掃除などをお願いされて、結局義実家の家事全般を片付けていました。料理の腕には自信がある義母なので、料理を任されなかったのが唯一の救いでしたが(苦笑)」
その後、気を遣いすぎてしまうアイさんは義母にお願いされる前に家事を片付けていくようになり、気づけば義実家の家事担当に。帰省翌日には、義母は料理以外の家事は放置し、アイさんがほぼすべての家事をする状態になったそうです。
皿洗いをしながら除夜の鐘を聞き涙

座る暇もないくらいバタバタと家事をこなすアイさんを知ってか知らずか、のんびりと大得意な料理に腕をふるう義母。帰省翌日の大みそかは、義母は年越しそばやおせちなどたくさんの料理を作ったため、台所はカオス状態。
「『アイさーん、ちょっときて』と言われて台所に行くと、調理器具と生ゴミのミルフィーユでびっくりしました。『そばのお出汁、この味でいいかしら?』と味見を促されても、これから私が片付けることになるであろう台所の状態を目の当たりにして、半分意識が飛んでいましたよ」
夜も更けていき、息子が寝たあと、年越しそばに舌鼓を打つ義両親と夫。その会話を聞きながら皿洗いをするアイさん。その状態で、とうとう年越しのカウントダウンとなり除夜の鐘が響きました。
「せっかくの年末年始の休みなのに、仕事よりも気を遣うし、家事はやらされるし。除夜の鐘を聞いたとたんに、スイッチがプチッと切れて涙が出てきちゃいました。息を殺して泣いていましたよ」
夫はどっちの味方!?
「泣いていたことは気づかれていないようでした。でもこのまま一人で抱え込むのは無理だと思い、夫と寝室に戻ったときに思い切って『こっちに来てからずっと家事をしていてツラい』と伝えたんです。
すると夫は『こういうときくらい、母ちゃんのこと休ませてあげて』って……。義母は義父と二人暮らしで、趣味のフラダンスと琴を楽しむ60代。私はフルタイム正社員で働いているうえに、夫が単身赴任中だからワンオペ育児。私は休めないの? という感じでした」
夫のこの発言ですべてを割り切ろうと決めたアイさん。その後も家事担当として淡々と働き、義実家を後にする際に「お義母さん、ゆっくりできました?」とチクリと嫌味を言う余裕まで生まれたそう。
翌年以降の年末年始はというと……。
「あれから、もう義実家には帰省していません!年末年始は夫と子供だけ福岡に行き、私は自分の実家で両親と過ごしていますよ」
とのこと。その後の年末年始は心身ともに休めているというアイさんのお話を聞き、ほっとしました。
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<取材・文/西島なみこ イラスト/朝倉千夏>
西島なみこ
本業は3児の母ちゃん。営業職・WEBマーケティング職の経験を活かしビジネス執筆がメインですが、好きなテーマであればなんでも書いちゃう雑食ライター
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