何かがあったときに頼りになるのが親戚ですが、トラブルの元になってしまうのもまた親戚だったりします。とくにお金のことが絡んだときは時に収拾のつかない醜い事態になってしまうことも。
今回はデリカシーに欠ける義兄に困り果ててしまった女性のエピソードをご紹介します。
息子のために年末年始は義実家へ帰省
今回お話を聞いたのはK子さん(39歳・仮名)。K子さんは、早くにご主人を病気で亡くしてしまったシングルマザーです。K子さんのご主人には歳の離れた兄と姉がいました。彼らがK子さんを悩ませる元凶となるのです。
ご主人が亡くなったことで、義実家に出向くこともめっきり少なくなり、顔を出すのはせいぜい正月の帰省だけです。K子さんとしては、それすらも避けたいところですが、祖父母に会えるのを楽しみにしている息子のことを考えて年末年始にだけ顔を出すようにしていました。
義兄に話があると言われ
義実家の義父と義母は今も健在です。近隣のマンションには義兄が住んでおり、さらに4歳歳上の義姉は近隣の県に住んでいます。その年も例年のように集まってきた親戚たち。
「新年の挨拶が済んで、宴会が一段落したときに、義兄に、これからのことで話があるって声を掛けられたんです」
なんとなく嫌な雰囲気を感じ取ったとK子さんは言います。
息子の相続放棄を要求される
「呼び止められたのが、ちょうど義父母が孫たちを連れて近所の神社へ初詣に出かけた時だったんです」
なにやら書類を出してきてK子さんの前に広げました。K子さんの目に飛び込んできた文字は“相続放棄”。義両親が亡くなった場合に相続の権利があるのは義兄、義姉、そして代襲相続によりK子さんの息子です。
「実家は畑を含めるとかなりの広さの土地を保有しており、株も多少持っている、と主人が言っていたのを思い出しました」
そして書類にサインをするように義兄はK子さんに迫りました。正月の宴会の席で突然このような話を持ち出されてもすぐには押印することはできないとK子さんは義兄に伝えます。
サインを迫る義兄と、無関心を装う義姉

「そうすると義兄は、親の面倒をずっと見てきたとか、これまでこんなことをしてきた、って色々と理由をつけてきて、いますぐにここでサインをするように迫られたんです」
義姉夫婦は、まるで他人事のようにみかんを食べながらテレビを見て無関心を装っています。K子さんはまさしく孤立無援の状態に立たされました。
「正直夫の実家とはこれ以上関わりを持ちたくなっかたのですが、息子の将来のことを考えて必死に食い下がりました」
しかし、義兄も一度話を出した手前、引くに引けず、口調が荒々しくなってきました。
絶望的な気分になっていたら義父母が帰宅
「掴みかかってくるくらいの勢いでまくし立てられましたし、相変わらず義姉夫婦は一切関わろうとしてくれませんでした。もうほんとにどうしようもなくて、絶望的な気分になっていました」

お互い一歩も引かない押し問答をしていると、孫を引き連れて帰宅した義父母が現れました。そこで、K子さんの前に広げられた書類を見て、自分の息子の行動に気が付き、すぐに仲裁に入ってくれて事なきを得ました。
「義兄は両親には頭が上がらないらしく、義父の一喝で意気消沈していました」
平等に分配することになって一安心
結局、その場で義父母を交えて話し合いが持たれました。財産に関しては、両親が遺言として平等に分配することを公正証書にするということになり、一件落着しました。
「義父母に助けられました。あともう少し遅かったらきっとサインをしてしまったかもしれません」
義兄が大病を患い余命宣告を受ける
「その晩の遅くに帰ってきて、子どもを寝かしつけてから、夫の仏壇の前で、泣き崩れたのをよく覚えています。こんなに後味の悪い正月は初めてでした。それから半年が経った梅雨の時期に、義実家から電話が掛かってきたんです」

憂鬱な気持ちになりながらも、K子さんが電話に出てみると「義兄が大病をした」との義父からの連絡でした。しかも、余命宣告も受けていてもう長くはないから、万が一のことがある前に一度見舞いに来てほしいとのこと。
「もうびっくりしちゃって……」
K子さんは複雑な気持ちだったそうです。
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<文/浅川玲奈>
(エディタ(Editor):dutyadmin)


