以前、『フランス人は10着しか服を持たない』(2014年)という本がベストセラーになりましたよね。その真偽はともかく、欧米人は日本人ほどたくさんの服を買わないと、よく聞きます。
今回は、パリ在住のフリーアナウンサー・中村江里子さんに、ファッションの考え方を聞きました。
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パリで3人の子育てをしながら、仕事をしている中村さんの毎日。お洋服もそれに合わせて、いろいろ必要になってくることが推察されます。
そこで、中村さんのパーソナル・ライフスタイルマガジン『セゾン・ド・エリコ』VOL.14で披露している自身の私服をもとに、着こなしのコツを聞いてみました。
毎シーズン洋服を新調しなくてもOK
「じつは前号で、私服のスタイリングをご紹介したところ、ありがたいことに大きな反響をいただいて(自分で言っちゃいました! 笑)。まだまだ見たい~というご要望をいただいたんです。でも、デザイナーやスタイリストというファッションのプロの方と違って、おしゃれが好きとはいえ、本当に素人の私ですし、流行に敏感なほうでもないし、毎シーズン洋服を新調しているわけでもありませんし……」と中村さん。

好きなものを長く大切に使う
――毎年新調しないとはいえ、お洋服も小物もすごい数ですね。
「一つには好きなものを10年、20年、それ以上と長く大切に使っていることもあるかと思います。社会人になってからの年数が長くなると、自然と持ち数も増えるんですよ(笑)。もちろん、必要に応じて新調しているものもありますが。
でも、よく見ると、前号の特集と同じ靴を履いていたり、読者の方が以前の本やテレビ、ブログで見覚えがあると感じる洋服や小物もたくさん出ていると思います。なるべく新しいものでコーディネートをと思う半面、本当に自分の私服、私物でいつも自分がしているスタイリングなのでそれでいいか、当たり前かな、って」
20年以上愛用しているエルメスのニット
――20年以上愛用という「エルメス」の赤いニットも素敵ですね。
「そうですか。ありがとうございます! 暖かいし、袖もネックの部分もたっぷりしているので、袖口も首元もクシュクシュと無造作にまとめてもいいし、二つ折り、三つ折と表情が変えることもできて、楽しいですよ。
エルメスらしい美しい色出しとカシミヤの上質な風合いは、きれいな色のパンツと合わせれば、それだけでラグジュアリーなレストランでのランチでも十分通用すると思います。かしこまりすぎず、肩の力を抜いた大人の上質カジュアルになるかな、と。
一方で私がこの秋冬挑戦したい、思い切りのよいショートパンツ(笑)に合わせると、若い人が着たときのはじけるような元気さはありませんが、品のあるハツラツさが出る気がします」
流行でもブランドでもなく、大切なのは“ときめき”
――メゾン・ブランドも20年以上愛用すると、十分元がとれそうですね。
「そうですね(笑)。でもブランドのものだからもったいなくて処分できない……というのではなく、好きで選んだ上質のものって、本当に長くずっと使える気がします。
ブランドにも流行があると聞くので、もしかすると、詳しい方がご覧になると、ラインや全体の作りが、いまのものとは微妙に違うのかもしれません。でも、私自身が何年着てもやっぱりこれ好き!と思えるし、これと新しく買ったあれを合わせてみよう、などと考えるとうきうきしてきます。
さらに、そんな気持ちで10年、20年着ているものを誰かに褒めていただいたりすると、とてもうれしくて暖かい気持ちになるんです」
――エルメスほど長持ちしなくても、ユニクロなどで似た感じのセーターを探してマネしてもよさそうです(笑)。
着こなしの強い味方、ユニクロのハイネックセーター
――ブランドのネームに惹かれて買いがちな私たちですが、中村さんのお買い物のキーワードは「それが好き!」ということのようですね。
「ええ。もちろん、それぞれのブランドが持つ魅力はありますが、私の場合、ブランドネームよりも、それが好き、見るとときめく、自分が着たいと思う気持ちが大切で、それが購入の一番のポイントでしょうか……」
――そういえば、「ユニクロ」のセーターも愛用しているそうですね。
「黒いハイネックのセーターですね。愛用していますよ! 暖かくて合わせやすくて!ニットも薄手のものは重ね着にも最適なので大活躍しています。夫や子どもたちも『ユニクロ』のセーター、好きです。そしてもちろん、『ユニクロ』のセーターも、ほかのセーター類同様、家でていねいに洗って長く着ています」
いろいろなスタイルが楽しめる、白の台形スカート
――クローゼットのなかで、おすすめの秋冬アイテムを一つあげるとしたら……。
「う……ん。そうですね。一つとなるとむずかしいのですが、大人の女性が持っていると便利かなと思うのは、白い台形のスカートです。
白いスカートってありそうでなかなかないですよね? でも持っていると、たとえば鮮やかな柄物のニットに合わせれば、白で締まって全体が軽やかになりますし、ドレッシーなニットをスカートにインして着ると、ワンピース風でフェミニンな装いとなります。いろいろなスタイルが楽しめますよ。実際、白い台形スカートは私のクローゼットの超売れっ子なんです(笑)。おすすめですよ」
あなたは、あなた自身のスタイリスト!
――自分のクローゼットの中から、スタイリングをするのは、なかなか大変ですよね。

セゾン・ド・エリコ Vol.14
合間に子どもたちの用事をこなして、そこに電話がなったり、玄関のベルがなったり……(笑)。和気あいあいなんですが、モデル兼スタイリスト兼ママ兼著者という、なんともフル稼働の撮影で。家の中をバタバタ走り回っている感じでした(笑)」
自分のためにおしゃれをしよう
近年では、自らの名前を冠した洋服のデザインを手がけたり、スカーフやストールのメーカーのアンバサダーを務めたりしている中村さん。
その根底には、とらわれがなく、好きなもの、自分の心を揺り動かしてくれるものに素直でありたいというマインドがあるように感じました。
誰かに見せるためではなく、私は私のために、おしゃれでありたい。かわいくありたい。素敵でありたい。いや、そんな大人になりたい! そして最後に、中村さんからのメッセージ。
「今回、パリの新名所でも何点かファッション撮影をしています。どこもとても素敵でしたので、こちらも合わせて、ぜひ、お楽しみくださいね!」
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<文/中村江里子>
中村江里子
本名:エリコ・バルト/1969年東京生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にバルト氏(化粧品会社経営)と結婚、パリに暮らす。現在は3児の母で、パリと東京を往復しながら各メディアで活躍中。ライフスタイルブック「セゾン・ド・エリコ」シリーズ、近著『パリのおうち時間』 Instagram:eriko.nakamuraofficial
(エディタ(Editor):dutyadmin)





