
『わたし史上最高のおしゃれになる!』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
ボーイフレンドスタイルが復活
ビッグシルエットが流行すると、またぞろボーイフレンドスタイルが復活します。
ボーイフレンドスタイルとは、「あたかもボーイフレンドから借りたような」大き目のシャツ、ジャケット、パンツを着用するスタイルのことです。
わかりやすい例で言うと、映画やドラマで、彼女が彼の家に遊びに行き、雨に濡れたとかで自分が着ていたものが着続けられないとき、彼から「これでも着ておいて」とか言われて着る、あのメンズのTシャツやワイシャツを着る感じのスタイルです。テレビや映画でよく見るこのシーンは、女性がメンズのアイテムを着ると、独特の魅力が生まれることを証明しています。
メンズアイテムを買って着る女性が増えている
しかし私の周囲をリサーチしても、彼あるいは夫から服を借りるという人は稀(まれ)です。例えば女同士だったら、母娘、姉妹で服を貸し借りすることはよくあります。
私の場合は、この前までシェアハウスをしていた20代女子としょっちゅうシャツやパンツを貸し借りしていました。けれども男性から借りたことは、これまで一度もありません(借りる相手がいない? うん、確かに!)。
それなのに、ここ2、3年でしょうか。私の周囲でメンズのアイテムを着る人たちがふえてきました。多くの場合、着ているのはアウトドアウエアやスポーツウエアですけれども、最近はそれにとどまらず、ごく普通のメンズのアイテムを買って、着る女性たちが増殖中。
どこの服か質問すると、「〇〇のメンズなの!」と答えが返ってくることもしばしば。メンズのアイテムを着ると、一体何が起こるのでしょうか。
メンズブランドのパンツを買う機会がやってきた
確かにメンズのアイテムを女性が着ると、その意外性によってコケティッシュな魅力が生まれます。しかし私の周囲の女性たちはどうやらそれを狙ってはいない様子。ではなぜ着るのだろうか、とつらつら考えていたとき、私にもメンズブランドのパンツを買う機会がやってきました。
最近、私は冬に白いものを着るのがお気に入り。理由は明るい色を着たほうが気分も明るくいられるから。
特にエクリュと呼ばれる生成りの白を着るのが気に入っていて、生成り色のセーターやシャツ、スカートまで集まりました。次は、フロントはタックで、インナーにタイツやレギンスをはいても大丈夫な、裾幅のゆったりしたワイドパンツが欲しいなと思って探していて、これはいいかもと思ったのがメンズのパンツでした。

このコットンギャバのバギーパンツはALTIMAというブランドのもの。HPを見ると、「MADE IN JAPANのサスティナブルブランド。クリーンでクリアな真の意味での日本製」とあります。
メンズのパンツをはいた瞬間の解放感
股上、裾幅やわたりの寸法を今自分が持っているものと比較して大丈夫と判断し、ネット通販で購入。到着して、あわせようと思っていた生成りのセーターを着て、おそるおそる脚を入れてみたとき、これまで感じたことのない感覚がすっと身体じゅうを駆け巡りました。
それを言葉で表現してみるならば、自由に解き放たれて、軽やかに行動できそうな感覚。手を出すのにはほんのちょっとの勇気が必要だったけれども、それを乗り越えてみずから男物を選び、手に入れてみれば、これならばなんとかいけそうだと思える感情がわいてきます。
この感情はきっと、メンズのアイテムが着る人の行動力を促すことを意識せずとも意図していること、そしてそのために厳選された生地、仕様、その他すべてで作られていることから生まれるのでしょう。
メンズの服が持っている力
もちろんすべてのメンズのパンツをはいてこの感覚が味わえるわけではないでしょう。
モノづくりに対する真摯な姿勢、素材の選択とそのデザインの相性のよさ、丁寧な縫製と仕立て、そしてこれを今回紹介するALTIMAのように「皆が幸せになれる洋服づくり」をしているブランドから手に入れたことで、この感覚が呼び覚まされたのでしょう。

これはたぶんメンズの服が持っている力。それは着る人のジェンダーに関係なく、発揮されるものなのだと思います。
勇気を出して行動しなければならないときに
そういえば、物語の世界では、サファイアもオスカルもポーシャも何かと戦うとき、何かを達成したいとき、メンズの衣服を着て挑んでいましたっけ。

手塚治虫の漫画『リボンの騎士』に登場する少女サファイア
(※画像:Amazonより)
選択肢は広がりました。借りる相手がいなくても問題なし。着たいと思ったら、自分の意思で買えばいいだけ。それを見て魅力を感じるかどうかは相手の問題で、私たちがコントロールできるものではありません。だからそんなことは気にしないで大丈夫。

思えば私も今年の夏は、長年の因縁の対決が再び勃発。どうりでメンズのオーダーシャツばかり着ていたわけです。戦いは最終章へ。引き続き、メンズのアイテムを着用予定です!
ALTIMA HI-COUNT GABA BAGGY PANTS 9900円
(在庫の有無はメーカーへ確認してください)
<文/小林直子>
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小林直子
ファッション・ブロガー。大手ブランドのパターンナー、大手アパレルの企画室を経て独立。現在、ファッション・レッスンなどの開催や、ブログ『誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』などで活躍中。新刊『わたし史上最高のおしゃれになる!』は発売即重版に
(エディタ(Editor):dutyadmin)


