「結婚」というひとつのハッピーエンドを迎えると、幸せな気持ちでいっぱいになるもの。しかし、そのハッピーエンドの先には予想外の結末が待ち受けていることもあります。

※画像はイメージです(以下、同じ)
そう打ち明ける山田裕子さん(仮名・32歳)は、憧れていたものとはまったく違う結婚生活に絶望しています。
結婚への焦りから彼への違和感を無視してしまった
裕子さんと夫が出会ったのは、とある結婚相談所。
「年齢的に結婚を焦っていたので、あまり恋愛感情は持てなかったけれど、付き合うことにしました。お互いに、この人で妥協しておこうかなという感覚だったのだと思います」
交際中、裕子さんは夫の発言に不快感を覚えることがありました。例えば、お店を選ぶときに気まずい空気が流れたことも。「私はなんでもいいから、今日はあなたが好きなものを食べよう」と裕子さんが提案すると、夫は「なんでもいいっていう言葉が一番困るんだよね」とため息。
「だったら、和食が食べたい」と伝えると、さらに深いため息。「和食の店って探すのが難しいから、いきなり言われても無理なんだよ」と言われました。
そういうことがあるたびに、裕子さんは「この人と付き合っていて、本当にいいのだろうか」と葛藤しました。
「でも、やっぱり早く結婚して親を安心させたかったし、子どもも欲しかった。彼を逃したら、一生結婚できないかもしれないと不安だったんです」
友人の出産報告を聞くたび、心がザワつく日々から解放されたい……。そう思い、裕子さんは彼に気に入られる女性になろうと努力し続けました。
憧れとはほど遠い結婚生活

やがて、2人は結婚。長年、憧れていた「結婚」という幸せを掴めたことに、裕子さんは大きな喜びを感じました。
「結婚しなきゃっていう焦りを感じなくて良くなったことが一番嬉しかった。近い将来、母親になって、幸せな家庭を築いていけたらいいなって思っていました」
ところが、新婚生活は憧れていたものとはほど遠いものでした。裕子さんはこれまでに何度も、夫の言葉に傷ついてきました。暴言を吐かれるのは日常茶飯事。
「料理を作っても、おいしいと言ってくれたことは一度もありません。自分は動かないくせに文句ばかり」
以前、一度、水の分量を間違えてお米を炊いてしまったときには「本当にお前って役立たずだよな」「こんな簡単なこともできないなんて馬鹿だ」と罵られたことも……。そして、一番辛かったのは流産したときです。裕子さんは毎日お見舞いに来てくれる夫に努めて明るく振舞っていました。
「でも、迷惑をかけて申し訳ないっていう気持ちがあったので“ごめんね”と謝ったんです。そしたら、彼は『俺は仕事を休めるから嬉しい』と。なんかそれって違うよねと思い、悲しくなりました」
退院後、体力が戻らず、思うように身体が動かないと訴えても、「俺は仕事で忙しい。お前は家にいるだけだろ」と言われ、その冷酷さに心が痛くなりました。
「なんでこの人と結婚しちゃったんだろうって……。過去の自分を責めました」
モラハラ発言でうつ病を発症

「それでもまだ、離婚する勇気は出ません」
そう思うのは、ひとりで生きていける自信がないから。
「実は半年ほど前、うつ病と診断され、働くことが難しい状態です」
パートなら自分にもできるかもしれないと考え、一度、働いてみたものの、誰かから注意をされたり叱られたりすると夫に怒られているような気持ちになり、泣きそうになってしまいました。
「養ってもらっている身なので夫はより高圧的になりましたが、自立できる自信がないので離れられません。結婚ってたしかに人生の墓場です」
女性は子どものことを考えると、結婚を焦ってしまうこともあるでしょう。けれど、その決断は人生を左右するものであるからこそ、些細な違和感を無視せず、本当に自分を大事にしてくれる人を探すことが大切です。
心に深い傷を負ってしまった裕子さんが自信を取り戻すにはまだまだ時間がかかるかもしれませんが、専門家の力などを借りながら再スタートを切り、今度こそ本当の幸せを掴んでほしいものです。
<取材・文/古川諭香>
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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