年末の社内行事といえば、忘年会。今年は新型コロナウイルスの流行で見合わせる企業も多いと思われますが、取りやめが決まって喜んでいる人も少なくないのではないでしょうか。
とくに、ブラック企業だった場合は、忘年会まで真っ黒だったりするようで…。

写真はイメージです(以下同じ)
ブラック企業の忘年会は毎年苦痛
芳子さん(仮名・38歳)は、現在は比較的ホワイトな会社で働いているそうですが、3年前まで勤めていたところはまさにブラック企業だったそうです。
「社長が好みの女性だけ選んで出世させたり、そのためには休日の飲み会なんかに突然呼び出されても必ず行かなきゃいけなかったり。断ったら何の仕事もさせてもらえなくなった人もいましたね」
被害は女性だけにとどまらず、男性社員たちも社長の思いつきでゴルフや野球、キャンプに駆り出されていたとか。平日に突発的に行われることも多く、お遊びが終わった後で会社に戻って朝まで仕事をする、そのせいで休日返上になり1ヶ月休みがないなどもザラだったそうです。
そんな中、最も芳子さんが苦痛に感じていたのが毎年盛大に行われる忘年会だったとか。
最悪な忘年会。社内M-1グランプリも
「200人くらいは収容できる、カラオケの大きなパーティールームを借り切って行われていました。社員はグループ会社も合わせて80人くらいだったかな。
何がヤバいって、この忘年会は5時間くらいやるんですよ。ものすごく飲まされて、社員たちが酔っぱらう姿を見て上層部の人たちが楽しそうに笑ってるっていう何の得もない時間でしたね。それに必ずといっていいほど、幹部の役員がテキーラをあおって暴れるんですよ。幹部同士が暴力沙汰になって警察が呼ばれたこともありました……」
平社員からすれば地獄のような忘年会です。さらに、メインの催し物として男性社員はほぼ強制参加という社内M-1グランプリ的な大会が開催されていました。
「これがまた曲者(くせもの)で、参加費が5000円くらいとられるんですよ。ただ、優勝したチームは全額を懐に入れられるシステムでした。優勝さえすればオイシイんですけど、すべった時のダメージは計り知れません」
体を張っても万年2位のポジション
女性社員は強制参加ではなかったのですが、芳子さんはなぜか出ることを強要されていたとか。芸能人でいうとガンバレルーヤのよしこにそっくりといわれる芳子さん。毎年体を張って、がむしゃらに笑いをとりにいったそうです。
「肌襦袢(はだじゅばん)を着て男性社員と相撲をとったり、レスリング着を着て後輩の女の子と戦ったり……。今どき、本業の女性お笑い芸人でもやらないようなネタで挑んでました(笑)完全に女を捨ててましたね」
真剣さが功を奏してか、毎年大すべりするようなことはなく、かなりウケていたとか。しかし、なぜか1位を取ることはできず、万年2位のポジションに甘んじていたそうです。
「2位ってほんと、何もないんですよ。社長が気に入ったネタには特別賞が与えられるのですが、それはだいたいグループ会社の美容部門の女の子たちが受賞していました。5人くらいでAKBを踊るだけなんですけどね。それを『よく出場したね。偉いね』みたいなムードで高く評価されてるのを見た時、レスリング着で満身創痍になってた私は死にたくなりましたよ(笑)」
そして大会が終了し、トイレで着替えていた芳子さんにさらなる刃が降り注ぎます。
特別賞の女子グループにあざ笑われた
特別賞を受賞した女の子たちがぞろぞろとトイレに現れました。メイクを直しつつ着替え中の芳子さんを鏡越しに見ながら「毎年何ももらえないのに、よくそんなことできますね~。お疲れ様で~す(プゲラ)」と嘲笑されてしまったとか。
「マジであの時は憤怒しました。会社を辞めてやろうかとも思ったくらいです。ちなみに、二次会も強制参加で6000円撤収される形式だったので、あの頃はほんとに何ひとつ良いことのない仕事納めでしたね」
この会社は芳子さんが退職してから急激に業績が悪化し、先日ついに倒産したとのこと。
「もしまだあの忘年会があったら、今年はどうなってたかな~と考えてしまいました。社員80名で5時間のリモート飲み会、あったかもしれないですね。リモートでのネタ大会もきっと開催されたと思います」
今年のM-1を超える大会が有り得たかもしれない……?!
―年末年始のトホホエピソード―
<文/もちづき千代子>
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もちづき千代子
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。
(エディタ(Editor):dutyadmin)