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鬼滅の刃ごっこで、園児が首を斬るマネ…残酷シーンを子供に観せる時の注意点 | ビューテ

時刻(time):2020-11-28 07:59源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
映画の公開から1ヶ月をすぎても依然とまらない鬼滅フィーバー。子どもから大人まで幅広い世代をとりこにしていますが、その人気は幼稚園にまで広がり、「鬼滅ごっこ」と称した戦いごっこがはやっているそうです。 (画像:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公式サイトより) ただ、気がかりなのは、映倫の年齢制限によってPG12に指定されている『劇場版「鬼滅の刃

 映画の公開から1ヶ月をすぎても依然とまらない鬼滅フィーバー。子どもから大人まで幅広い世代をとりこにしていますが、その人気は幼稚園にまで広がり、「鬼滅ごっこ」と称した戦いごっこがはやっているそうです。

映画「鬼滅の刃」を観て、子どもがショックを受けてしまったら

(画像:『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公式サイトより)

 ただ、気がかりなのは、映倫の年齢制限によってPG12に指定されている『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』を幼い子どもが観ても問題ないのかです。実際、映画館で泣いてしまう子どもや、おもちゃの包丁で友達の首を斬るマネが増え「鬼滅ごっこ」が禁止になった幼稚園もあると耳に挟みました。

 そこで、PG12に指定されている映画を幼い子どもに観せる場合、保護者はどのようなことに気をつければよいのか。また、残酷なシーンを観て子どもがショックを受けてしまった時のケア方法などについて、「こころと眠りのクリニック成増」院長の澤田法英先生に話を聞きました。

映画を観る前に、子どもに確認する


 PG12の「12歳未満の観覧は保護者の助言・指導が必要」とは、具体的にどのような助言や指導を行えばよいのでしょうか。

映画を観る前に、子どもに確認する

「こころと眠りのクリニック成増」院長 澤田法英先生

「PG12といっても程度の差はあるかと思いますが、映画を観る前にどのくらいの残虐性なのか調べて、『こういう怖いシーンがあるけど大丈夫?』と子どもに聞いてあげてください。また、怖いシーンを友達や兄弟で真似しないよう、事前に約束するようにしましょう。

 情緒が不安定な子どもや、喧嘩を繰り返すなど攻撃的な傾向がある子どもに対しては、PG12の映画はまだ早いと考えられます。『もう少し大きくなってから見に行こう』とか、『こっちの映画も面白いらしいよ』など代案を提示しながら伝えてください。ただ通常であれば、あまり問題になることはないのではないかと思います」(コメントは澤田法英先生、以下同)




ショックを受けた子どものケア方法


 鬼滅にかぎらず、PG12の映画で残酷なシーンを観てショックを受けてしまった子どもへのケア方法を教えてください。

ショックを受けた子どものケア方法

写真はイメージです(以下同)

「怯えていたり、顔色が青ざめていたりするような場合には、具体的にどのシーンが怖かったのか聞いて、まず本人の気持ちを丁寧に確認します。『何があったの? 大丈夫だった?』『お母さんはこのシーンが怖かったから、A君も怖かったんじゃないかなと思う』と聞いてあげてください。

 続いて、子どもの気持ちを受け止めて、不安解消につながる言葉がけを行います。『映画の世界の話だから、現実の世界じゃないから大丈夫だよ』『もしそういう怖い体験をすることがあったら、いつでもお父さんお母さんに話してほしい』『できるだけA君の味方だから』と伝えてあげましょう。

 そして少し気持ちが落ち着いたら、雰囲気を変えるために『公園にでも行こうか』『美味しいものでも食べに行こうか』と楽しい話題に切り替えて、気分を変えていけるように援助していきます。

 親に丁寧に話を聞いてもらって、辛いことがあっても乗り越えていけたという体験を積み重ねていくことは、その子の将来の情動の安定化やメンタルタフネスにつながります。子育てのなかで繰り返しやっていくとよいかなと思います」








悪影響を受けやすい家庭環境の特徴


 映画で残酷なシーンを観たからといって、すべての子どもに悪影響を及ぼすわけではありません。ですが、悪影響を受けてしまう子と、受けない子では、「家庭環境に違いがある」と澤田先生は言います。

悪影響を受けやすい家庭環境の特徴
「悪影響という点でいえば、子どもが反社会的な行動をとるようになる家庭の特徴がいくつかあります。

 1つ目は、家庭内でのルールの欠如です。食事や他の活動において一定の決まりごとがなく、子どもがしてもいいこと・してはならないことが明確ではない。家庭内のルールがない家庭では反社会的な行動が多くなると言われています。

 2つ目は、両親が子どもの行動を把握していない場合です。子どもが今まで何をしてきて、何を感じているか知らない。子どものことに関心がない状態です。

 3つ目は、一貫性の欠如です。望ましくない行動をとった場合に、それに対して首尾一貫しない対応をとる。ある時は叱って、ある時は褒めてみたいな。いけないことは常にいけないと一貫して伝えていかないと、子どもが混乱してしまいます。

 4つ目は、家庭内の問題解決の能力です。問題が起きた時に円満に解決することができない状況が慢性的にみられる環境があると、反社会的な行動が多くなります。

 もしこういった望ましくない家庭環境であっても、一方の親との関係が良好であれば、子どもの情緒は安定すると言われています。例えばお父さんに叱られた後に、お母さんがフォローしてあげるような役割分担があれば、少し安定していきます。

 それから、多少家庭環境が悪い場合でも、学校でうまく適応できていたり、スポーツや習いごとで得意なことがあると影響が軽減されます。子どもの得意なことをつくっていくことが大事ですね」








死について理解できるのは5~6歳以降


 幼稚園でも鬼滅ごっこがはやっていますが、人を殺したり殺されたりといった行動の意味や、死の概念まで理解できている子どもはどれくらい居るのか気になりました。

死について理解できるのは5~6歳以降
「現実と物語の世界を区別できるかが一番大事かと思いますが、死について理解できるようになるのは5~6歳以降と言われています。そのため、現実と物語は違うということを伝えていく必要があります。

 アニメ作品では死んで蘇る描写も多いですが、現実には死んでしまったらもう戻ってこない、壊れてしまったら直らないものもあるんだよと。

 例えば、身近な人が亡くなった時に、『おじいちゃんは死んでしまって、もう帰ってこないから寂しいね』とか、“もう帰ってこない”ということをメッセージで伝えていくことも一つではないでしょうか」




真似する子どもを、怒鳴りつけてはダメ


 園児がアニメ『鬼滅の刃』のワンシーンを真似して、兄弟喧嘩の最中に弟の腕を掴んで「折るぞ」と言ったという話も聞きました。

 このシーンは主人公が、子どもの髪を掴んで怒鳴っているキャラクターの腕を掴み、「この子から手を放せ! 放さないなら折る!」と本当に腕を折って助けるシーンです。

 なんでも真似したがる年頃の子どもが、観たことをそのまま、それがひどいことだと理解せずに真似していたら、どのように注意すればいいですか。

真似する子どもを、怒鳴りつけるのはダメ
「子どもを叱るよりも、好ましくない“こと”を修正することが大事です。なので、人格否定みたいに怒鳴るのではなく、その行動は好ましくないと思うということを伝えてほしいです。

『何をやってるの!」と叱るよりは、『お母さんは、折るぞなんて言葉は怖くなるからやめてほしい』『弟君も怖いと感じるからやめてあげて』など少し言い方を変えるとよいかと思います。他の人の気持ちに配慮できるような言葉をかけていくことが望ましいですね」

 たしかに、単純に真似を禁止にしただけでは、別の作品を観て同じようなシーンがあった時に、同じことを繰り返してしまうかもしれません。








子どもに観せるか迷っている親へ


 最後に、鬼滅ブームの一方で、観たがっている子どもに、観せるか迷っている親もいるかと思います。澤田先生の意見を聞かせてください。

「周りの友達が観ているなかで自分だけ観ていないと、遅れをとってしまったり、話題についていけなくなったりしてしまいますもんね。観せる場合は親がフォローしながら、何かあれば家族で対処していくことを続けていくようにしてください」

【澤田 法英(さわだ・のりひで)】
こころと眠りのクリニック増成 院長/医学博士/精神保健指定医/日本精神神経学会認定 精神科専門医・指導医
慶應義塾大学医学部卒業。2006年より現在まで、複数の企業で産業医・精神科嘱託医として勤務。2019年、こころと眠りのクリニック成増を開設。

<取材・文/ビューティーガール編集部>




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