【私の国際離婚日記 vol.7】
単身渡米し、アメリカ人の夫と約10年の結婚生活ののち、昨年離婚した左近サクラさんの体験談です。(以下、左近さんの寄稿)

画像はイメージです(以下同)
残念ながら元夫の両親は私が彼と出会った時点で既に他界していましたが、小姑なら3人、義理の姉が二人と妹が一人いました。今日は、アメリカでの義実家との関係性についてお話してみたいと思います。
パーティーはホストが客をもてなすもの。手伝いは強要されない
「アメリカは日本と違って義実家とのゴタゴタなんてないんでしょ?」。国際結婚の経験があるという話をすると、こんな質問を受けることがあります。
確かに、アメリカの妻たちは義実家参りの際、家事を手伝うよう強要されることがほとんどの場合ない、というのが利点に挙げられると思います。
日本人がお正月やお盆に一族で集まるように、アメリカ人もクリスマスや感謝祭のディナー、大晦日の年越しパーティーなど、ホリデーは家族で集まるのが習慣です。
ただし、アメリカは招いた側(ホスト)が客をもてなすのが当たり前。クリスマスに義実家に招かれても妻たちは座ったままでOK。義母に目くじらを立てられるようなことはありませんし、女が台所に立って男衆をもてなすことを求められるような、前時代的なこともないわけです。
当然、自分の家でパーティーを開けば自らがもてなす側に回らなければなりませんが、ほとんどの場合は年長者がホストをやりたがるため、義実家に任せておけばいいのです。

日本人妻の中には、やはり気を使ってしまう人も
のはずですが、同じようにアメリカ人と結婚した日本人に聞いてみると、「仲は良くても義実家には気を使う」と返答する人もいました。
「義実家に行くといつもソファーでダラダラしている」と言う人もいれば、中には、「子供たちと遊んでいるだけだけど、あれってもしかしたら子供の世話を押し付けられているだけかも」と不満をこぼす人も。
どこで、どんなシチュエーションで、気を使うか、不満を持つかは、個人の性格に左右されるもの。特に、今まで日本の風習の中で生きてきた海外在住の日本人妻ならなおさら。強要されなくたって「やらないといけないのかな?」と不安になってしまうのが性(さが)というものでしょう。
かく言う私も、友人たちの「日本に比べてアメリカでの義実家参りは楽でいい」という話を聞いていて、「あれ?そうだったっけ?」と思ってしまいました。
というのも、私と二人の義姉たちとは15歳以上の年齢差があり、「日本にチーズなんてないでしょ?」「お寿司は好きよ、お魚食べられないけど」「日本ではまだみんな和服着て生活しているの?(映画『ラストサムライ』を観ながら)」と質問してくるような、他文化慣れしていない人たちだったため、会うたびに、あちらの戸惑いがこちらに伝わってくるようで……。
私は私で強要されてもいないのに勝手に一人で空回り。野菜を切るのを手伝ってみたり、後片付けを率先してやってみたりして、「義実家参りは疲れる」という結論に達していました。
義母からの干渉に悩む妻もいる
広大なアメリカでは、義理の家族が東西南北の離れた場所に住んでいるケースも珍しくなく、最近ではZoomなどを使ったリモート義実家参りしかしたことがないという人もいるそうです。
距離の遠い義実家とは深い付き合いがなく、だからこそ良い関係を続けられると感じている友人も多かったのですが、逆に、義実家の近所に住んでいる人たちの中には、ひんぱんにアポ無し訪問され、イライラをつのらせている人もいました。
総じて上手くやっている友人が多い中、少数派ではありますが、「早く子供を作れ」「子供の学校はここにしろ」にはじまり、歯医者や車の車種まで指定してくる過干渉の義母に悩まされている人も見受けられました。
思ったことをそのまま言ってくるタイプの義母を持つ友人は、コロナ禍で子供が学校に行けず家にいるため、仕事を辞めなければならなかったそうですが、事情をまったく無視して再就職の話を持ち出す義母にイライラしているといいます。
以前も書きましたが、アメリカでは働かざるもの食うべからずという精神が年々強くなってきており、ダブルインカムが当たり前になりつつあるため、夫だけでなく義実家からの執拗な「なぜ働かないのか圧力」に悩まされている妻たちは多そうです。
隣の芝生はなんとやら、義実家と付き合いがないのも考えもの

私の場合、義姉の一人(次女)と妹(三女)は遠くに住んでいましたが、唯一子供を持つもう一人の姉(長女)だけは車で1時間程度の距離に住んでいました。
ちなみに、アメリカではニューヨーク市など車文化でない地域にいる人達を除き、3~4時間くらいのドライブは近距離に入ります。
しかしながら、何ごとに対しても不精な元夫は1時間の運転もしぶりがち。さらに「姉妹たちは俺を嫌っている」という極度の被害妄想を持っていたため、約10年間の結婚生活中、私が最短距離に住んでいた長女に会ったのは両手で数えられる程度。他の二人には2~3回しか会っていません。
それなのに元夫は私が離婚を切り出すと、秒で大きなワゴン車を持っている長女と連絡を取り、自分がキープしておきたい家具や骨董品などの一切を盗むように持ち出していきました。
よく友人たちからは「アメリカって家族行事が多いから疲れる」「義理の母や姉に夫への不満を相談したら、味方してくれて嬉しかった」という話を聞いていましたが、私にはまったくそんな経験はなく、それはそれで煩わしさがなくていいのですが、何もないというのも寂しいものでした。
もう少し義姉妹たちと交流があれば、もしかしたら私も、夫との関係を相談することができたのかもしれませんが、今さら考えても後の祭り。結局、私の性格上、相手がどう反応するのか怖くて夫のゲス不倫のことを彼女たちに暴露することもできなかったでしょうし。
ある所にはあるし、ない所にはない。離婚原因や夫婦間のあれこれ、そして義理の家族との関係性は、突き詰めていけば夫婦それぞれ。
これから国際結婚する方々は、海外にも義実家とのゴタゴタは「あり得る」と覚悟しておいた方がいいかもしれませんね。
―私の国際離婚日記―
<文/左近サクラ>
(エディタ(Editor):dutyadmin)