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がんで余命3か月の彼から突然プロポーズ、私が出した答えは | ビューティーガール

時刻(time):2020-11-07 15:23源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
筆跡アナリストで心理カウンセラーの関由佳です。これまでシリーズを通して、夫婦としてのがんと脳梗塞の闘病生活について触れてきましたが、実は私たちが正式に夫婦となったのは、夫が亡くなる3か月前でした。 写真はイメージです(以下同) 【夫の死に備えてしたこと】⇒ もう夫のがんは治らない…絶望の底で知った、死に寄り添うということ それまでの約5年間は

 筆跡アナリストで心理カウンセラーの関由佳です。これまでシリーズを通して、夫婦としてのがんと脳梗塞の闘病生活について触れてきましたが、実は私たちが正式に夫婦となったのは、夫が亡くなる3か月前でした。

がんで余命3か月の彼が突然プロポーズ、私が出した答えは

写真はイメージです(以下同)

【夫の死に備えてしたこと】⇒もう夫のがんは治らない…絶望の底で知った、死に寄り添うということ

 それまでの約5年間は、事実婚の状態。住民票を「未届けの妻」とし、世帯をともにしていました。

家族の反対により事実婚を選択


 正式に籍を入れていなかった理由はいくつかありますが、最も大きかったのは私の家族に入籍を反対されていたからでした。

家族の反対により事実婚を選択
 夫と私は23歳の年の差があり、しかも夫には複数の婚姻歴と5人の子どもの存在が。ごくごく一般的に考えて、反対されても仕方ない状況だったのは夫も自覚しており、さらに私自身もバツイチで、結婚制度自体にもうこだわりがなかったため「とりあえず事実婚でいい」と思っていたのです。

 ただ、夫が病気になってから、病院や役所などで名字が違うことにより発生するいろいろな手続きを、面倒に思ったこともありました。でも家族を説得するパワーの方がはるかに厳しいように思え、結局入籍まで進める気になりませんでした。

 が、しかし。夫が最後に迎えた誕生日のちょうど1週間前、突然プロポーズを受けたのです……!




「婚姻届を出しに行かない?」


 夜、私はリビングで仕事をし、その後ろで夫はテレビを観ていました。その日は些細な言い合いをして、夫とはちょっぴり気まずい雰囲気。私はそのイライラを払拭するように、仕事に没頭していました。

「婚姻届を出しに行かない?」
 するとテレビを観ていた夫が突然「来週の誕生日さ、市役所に行かない?」と言ってきたのです。実際は失語症のため、少しおぼつかない言葉だったのと、そもそも何の脈絡もない発言だったので、私は仕事の手を止めて「え?」と聞き返しました。すると夫はもう一度「今度の、私の誕生日に、婚姻届を、出しに行かない?」と、ゆっくり、でもはっきりと言ったのです。

 突然のプロポーズに混乱した私は、「は!? なんで? 今さら!?」と思わず絶叫。しかし夫は大真面目に「書類、間に合う?」と聞いてきます。何度か問いかけ、本気だと理解して改めて驚愕。とはいえ、私の家族の問題もあるため、すぐに返答ができませんでした。








夫の死後を考えて入籍を決意


 しかし、その時の私は確かに喜びの感情を自覚していました。本当はずっと心のどこかで、夫がプロポーズしてくれることを望んでいたのかもしれません。

夫の死後を考えて入籍を決意
 どうするかかなり悩みましたが、正直その時すでに夫の体調はかなり悪化しており、数か月の命であろうことを夫婦ともに覚悟していました。さらに私たちには子どもがいないので、入籍せずに夫が亡くなった場合、私はただ1人になり、2人がともに暮らしていた証が何もなくなってしまう、と気づいたのです。

「入籍して夫の名字になって、夫の死後も夫の姓を名乗り続ければ、ずっと一緒にいるような気持ちになれるかもしれない」。

 そう考えた瞬間、私は即座に入籍を決意。善は急げと大急ぎで土砂降りの中、自転車でコンビニまで行き某結婚情報誌を購入し、ピンクの婚姻届をゲット。次の日にそれぞれの戸籍謄本を取り寄せ、さらに心から信頼する先輩であり友人の2名に声をかけて、証人欄へのサインをお願いしました。




夫を看取る覚悟が強くなった


 そして予定通り、夫の誕生日に無事入籍。結局、私の家族には事後報告となりましたが、夫の病状を知っていたこともあり、しぶしぶ納得してもらえました。

 不思議なことに、入籍するとより夫を看取る覚悟が強くなったよう。婚姻届なんてただの紙切れだと思っていたところもありましたが、やはり正式な妻になるとより精神的な絆が深まるのかもしれません。しかも入院時の病院でのやり取りがシンプルで、もはやもっと早く入籍していればよかった!と思うほどでした。








私の誕生日に指輪を買う約束をするも…


 そんなサプライズプロポーズをしたハチャメチャな夫でしたが、病状がかなり悪化し、婚姻届を出した自身の誕生日に入院をすることに。私が市役所から病院へと戻り、無事に婚姻届が受理されたことを伝えると、「指輪は由佳の誕生日に買おう」と言ってくれました。

私の誕生日に指輪を買う約束をするも…
 しかし、私の誕生日はその3か月半後。結局、指輪を買うことなく夫は旅立ってしまいました。

 ですが、夫が亡くなる少し前に、遺骨を入れるアクセサリーというものがあることを知った私。その頃の夫は毎日自分の死を覚悟していたので、夫婦で葬儀の話などもしていました。

 その流れで「もし私の誕生日まで間に合わなかったら、遺骨を入れる指輪を作ってそれを結婚指輪にしてもいい?」とパンフレットを見せて聞いてみると、夫は「いいよ」と即答。




ずっと2人で生きているよう……唯一無二の結婚指輪


 2人で買うことは叶いませんでしたが、私の誕生日の数週間後に、夫の遺骨が入った唯一無二の結婚指輪を手に入れることができたのです。


夫の遺骨が入った唯一無二の結婚指輪

 名字を変えたことも遺骨の入った指輪をすることも、実際に夫の死後、いつでも一緒にいるような気持ちになれました。それは1人で生きているようで、2人で生きているような、不思議な感覚。でも確実に、夫は今も私の中に生きています。

 次回は、そんな夫との最後の2週間を過ごした、自宅での看護生活についてつづりたいと思います。

―シリーズ「私と夫の1063日」―

<文/関由佳>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
関由佳
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。
芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。
夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。
Twitter/ブログ




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