
次々に出てくる新しいコスメや美容法。特にアラフォー以上の“大人の美活”は日々進化しています。
大人なら、ちゃんと理屈をわかって選びたい!というわけで、ヒットコスメや話題の美容法をシリーズで取材していきます。
今回話を聞いたのは、“さわらない美容”、“こすらない洗顔”を提唱し、著書『すっぴんクオリティをあげる さわらない美容』が話題の美容外科医・皮膚科医の上原恵理先生。

上原恵理先生
そんな上原先生が、ついに自身のブランド「Lov me Touch(ラブミータッチ)」を立ち上げました。第一弾として、こすらないクレンジング&洗顔「Lov me Touch クレンジングソープ泡 ホームケア LMT」(価格:3,500円 税別 内容量:200mL)を開発。なんと、初回の予約販売で完売するほどの注目商品となりました。
そこで、なぜこの商品を作ろうと思ったのか…上原恵理先生に制作秘話を聞きました。
W洗顔いらず、保湿成分セラミド配合の泡クレンジング
「私、基本的にズボラなんですよ(笑)。だから、オイルクレンジングが苦手で…。だって、オイルクレンジングって、洗顔していると肘までオイルが垂れてきてヌルヌルしたり、服についたりするじゃないですか?
かといってお風呂場で使うと、オイル洗顔は乾いた手で扱わないといけないので難しい…。しかも、オイル洗顔の後にW洗顔をしなければならないし、その洗顔フォームを泡立てるのもめんどくさい(笑)」
美肌のためにはまずは“こすらない洗顔”の徹底をと唱え続けている上原先生。自身の“ズボラ”体験から、肌への負担が少なく、かつW洗顔のわずらわしさからも解放されるような、革命的クレンジングを作りたいと開発に踏み切ったそうです。
「最初から泡立っていて、メイク落としも洗顔も一回でできるクレンジングがあったら嬉しいなと思って。だから、ボトルに特殊ポンプフォーマーを採用して、弾力のあるきめ細やかな泡を実現しました。泡を手でプレスすれば、皮膚をこすらずにしっかり洗顔できます。
また、メインの成分がオイル成分ではなく石鹸由来なので、寝起きでも使用していただけます。さらに、洗顔後肌がカピカピにならないように、保湿成分のセラミドも配合しました」
まさに、上原先生の理想を形にしたクレンジング。でも、完成までには苦労もあったのでは…。
「地味な作業で沼のような時間でした」

「開発していると、矛盾することばかりなんです。濃いアイメイクを落とす洗浄力は欲しいけど肌にやさしくしたいとか。肌にいい有効成分をバンバン入れると、有効成分を安定化させるために、別の成分をいれないといけない。そうすると相性が悪くなってしまって分離しちゃったり…。バランスって難しいんだなと思いました。
何度も試作を繰り返してはボツにするという地味な作業で、ズブズブとしずむ沼のような時間でした(笑)。でもこれで完成とは思っていないので、今もまだまだ開発途中です」
沼…! しかし、そんな努力を経て開発した「Lov me Touch クレンジングソープ泡 ホームケア LMT」は、初回の予約販売を開始して4日で完売したそうです。
「その後、レフィル(詰替え用 価格:2,980円 税別 容量:200mL)も作りました。私は洗剤とか、パウチタイプのレフィルをボトルに詰め替えるとき、ついこぼしてしまうので、ポンプだけ付け替えられるようにキャップ付きのボトルにしました」
洗顔時に肌をくるくるする先入観を取っ払ってもらいたい
ブランド名やボトルのデザインにもこだわり抜いたそうで…。
「Lov me Touchというブランド名はミラーメッセージになっていて、逆さまに読むとTouch me…not。このオリジナルのLovのロゴをくるっとひっくり返して見ると、Lという文字がTに見えるよう独特な文字デザインにしているんですよ。
Lov me Touchが官能的で魅惑的な女性のイメージである一方、Touch me…notは毅然と自立し自己決定力を備えた女性のイメージ。周囲を惑わすほどの美しさと自立した意志を兼ね備えた女性が、ブランドのコンセプトです。
ボトルのデザインも、清廉潔白なイメージの“白”にこだわり、洗練されたデザインに。現在はECサイト『Dr.BEAUTOPIA(ドクタービュートピア)』で販売していますが、いずれはAmazonや楽天、全国のドラッグストアなど幅広い販路で販売したいと思ってます」
ユーザーからも続々と反響が。
「かなりの方から、肌の調子がいいとか、洗った後の乾燥感がないという声を頂いています。You Tubeなどで“こう洗ってください”という動画をアップしているので、正しい使い方をしていただいているのかなって。
洗顔時に肌をくるくるする、みたいな先入観を取っ払ってもらいたいですね」
美容ローラーは絶対使っちゃダメ
著書を出し、クレンジングを開発して、“さわらない” “こすらない”美容を啓蒙(けいもう)してきた上原先生。そろそろ世間にも広く届き始めたのでは…!?
「2019年に『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)に出演して『こするってダメなんだよ』って話したときに比べると、広がってきてると思います。SNSやいろんなところで、とにかくこすらない、日焼け止めをつけろって言いまくってきましたから(笑)」
美顔ローラーなんかも…。
「絶対使っちゃダメです! 捨てるのはもったいないので、カツ丼を作るときの肉叩き棒か何かに使ってあげてください(笑)」

上原恵理「すっぴんクオリティを上げる さわらない美容」KADOKAWA
…女性として仕事をしてきて、不自由さを感じることが多い
また、上原先生はSNSで、将来的に女性のために医師という職業を超えた取り組みをしたいと語っていました。その真意は!?
「美容業界では、日頃から女性とお仕事することが多いんです。そんな中で、すごい能力があるのにもかかわらず、家事や育児に時間を割かなくちゃいけないから、仕事をセーブしなければならないという女性が多くて。
責任を持つ立場の女性が、一度仕事を辞めたら同じ立場のお仕事に戻るのも難しいし…女性として仕事をしてきて、不自由さを感じることが多いんですね。
だって男性が、育児とか家事を奥さんにまかせて100%で仕事してたら、そりゃ実績ができるの当たり前じゃないですか。だけど女性は家事などを負担しながら、時には親の介護とかも…。それでも仕事にくらいついている女性ってすごく強い。だから、そんな女性たちを支えたいんです」

上原恵理先生
もし実現したら、働きたい女性にとっての理想郷!
そして上原先生は、現在100%オーナー兼院長として理想の場を準備しているとSNSで発表。自立した女性として、どんどん前へ進んでいく姿はかっこよすぎます。
頑張りの源は反骨精神です
「私、元々コネがあったわけでもお金があったわけでもないし、女性として医療業界にいると“ガラスの天井”を感じて、医者として教授になる王道コースから挫折しまくった人間なんです。それでも頑張っていれば、なにか次のステップに一歩一歩上っていける、女性として起業していくことを続けていれば“やればできるんじゃない”って思ってもらえるのかなって。だから、毎日すごく働いてます(笑)」
ガラスの天井とは、職場などでの昇進で、女性をはじめとするマイノリティの人々が、それよりも上へはのぼれないよう立ちふさがる、ガラスのように目に見えない制限・障壁のたとえです。
聞けば、ほとんど休みなく働いているエネルギッシュな上原先生、その頑張りの源はどこにあるのでしょうか!?
「反骨精神ですね。これまで働いてきて“女のくせに”みたいに言われたことが多々あったので、半沢直樹じゃないけど『倍返しだ!』って気持ちです。
あとは、自分自身に負けたくないって気持ち。美容外科って、病気じゃない人にメスを入れる超ハイリスクな世界なので、どんなに頑張っても患者さんの要求を100%叶えられなかったり、予想していないトラブルがあったり、悔しい思いや申し訳ない思いもたくさんしてきました。
SNSではあえて楽しそうな面だけを出してますけど、裏側はどちらかというと辛いことの方が多いし、華やかなセレブライフみたいなのは全く無い(笑)。今回発売したクレンジングが売れたとしても、次の商品を作るために売上げを使っちゃってるんでお金が入るわけでもなく…。だけど、終わらない戦いを、ずっと根性で戦ってます。『いつか見てろよ!』って(笑)」
“こすらない美容”を提唱し、独自のクレンジングを開発。そして、オーナー院長に…、一歩ずつ夢を現実にしていく上原先生。女一人、戦う背中を見ているだけでも勇気づけられます!
<上原恵理 取材・文/満知缶子>
⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
上原恵理
形成専門医・美容外科医・美容皮膚科医として美容クリニック及び大学病院に勤務。著書『すっぴんクオリティを上げるさわらない美容』(KADOKAWA)Twitterアカウント:@dr_uehara インスタグラム:@eri.uehara You Tube「えりりんちゃんねる」
(エディタ(Editor):dutyadmin)


