キレイになりたい。女性のみならず、老若男女、多くの人が願うことですよね。美容整形、エステ、メイク。手段はたくさんありますが、いくらキレイになっても満足できない人がいるのも事実。『美容はメンタルが9割』の著者、メイクアップアーティストのCeCeさんは言います。「メンタルを置き去りにしては、本当の意味でキレイにはなれない」と。
口紅をぬったら前向きになった、眉毛を描いたら背筋が伸びた、etc。メイクしただけで気分が上がった経験はありませんか。この些細なきっかけが、セルフエスティームに関係していると本書は説いています。セルフエスティームとは「自己肯定感」や「自尊心」「自分を愛する気持ち」のこと。自分で自分を認められなければ、本来持った魅力にも気づけないのです。
「自分自身を見定める価値観が180転換して、自分を肯定できるようになり、自分を認められる心(セルフエスティーム)、すなわち美人メンタルを手に入れたのです」と本書。外見と内面は、切っても切り離せない鎖でつながれていて、どちらを疎かにしても美しさは手に入りません。メイクをとおして自分を愛する方法、本書からおしえてもらいましょう。
潜在意識下にある呪い
「美容はセルフエスティームが9割」と本書に断言されても、明日から自分大好き人間になれというのも無理な話。コンプレックスや自己肯定感の低さは、傷ついた過去に要因があるかもしれません。私の場合だと「眉毛が太い」「唇がへの字」などでしょうか。

本書いわく「セルフエスティームが低い人ほど、そういった呪いの言葉をたくさん内に抱え込んでいる傾向にあります」。まずは、次の3つの質問にこたえて、書き出してみましょう。
1. 子供の頃に言われて傷ついた言葉は何ですか?
2. 「あの子には敵わない」と思った同性はいますか? もしいたら、それは誰ですか?
3. その子に対して「敵わない」と思った理由は何ですか?
「コンプレックスって実は、口から吐き出すだけで解消されます」と本書が言うように、ためしに口に出してみたら軽くなりました。コンプレックスそのものが体内から出て行った、そんなイメージです。あとは「ネガティブからポジティブに修正する」だけ。私の例で言うと、「眉毛が太い→凛々しい眉毛」といった具合です。
ご機嫌な自分を知っておく

コンプレックスが解消できたら、「キレイのトリセツ」を作りましょう。「自分は何をすると機嫌が良くなって、何をされると機嫌が悪くなるのか」。自分のご機嫌取りを怠っている人いませんか。機嫌がいいと、ニキビやシミのひとつやふたつ、目に入らないかもしれません。反対に機嫌が悪いと、ごくごく小さな吹き出物が巨大に見えてしまったり。それがさらにストレスになって悪循環。
自分を可愛がる=自分を甘やかす、と私もついマイナスに考えてしまいます。でも、アロマの香りをかぐ、高級チョコレートをひとつ食べる、といった小さなご機嫌取りで自分が活性化するなら、大歓迎じゃないですか。本書も「小さな変化でも自分に及ぼす良い影響は絶大」と言います。毎日の生活に、「キレイのトリセツ」を無理なく組み込んでいきましょう。
メイクをする本当の意味
メイクをする意味を考えたことがありますか。身だしなみだから、礼儀だから。大義名分はいろいろありますが、何よりも「人に好印象を感じさせる」ためではないでしょうか。では、人に好印象を感じさせる顔は、どんな顔でしょうか。ズバリ「愛情を感じる顔」と本書。つまり「気持ちがドキドキと高ぶったときにあらわれる表情」です。

頬が紅潮した「血色感」を赤やオレンジ系のチークでアピールし、潤んだ目をカラーコンタクトで演出。と本書がレクチャーしてくれましたが、メイクに自信がない人だっていますよね。そんな人は、「ひとつひとつの工程を丁寧に行い、それにはどんな意味があるのかをきちんと理解しながらメイクすること」がコツ。
さて、あなたは車窓やショーウインドーに映った自分に驚いたことはありませんか。想定外に疲労感がにじみ出ていた、洋服を試着して自然と笑顔になっていた、等々。心の作用で、簡単に表情は晴れたり曇ったりするのです。それをプラスにとらえ「心が動く瞬間の表情を覚えて活用する」と、これまた本書が日常でできるアップデート法をおしえてくれました。
日々、些末な楽しみを見つけて自分の中にハッピーを育てていく。心を耕すことを忘れなければ、「内面が豊かになり、表情が豊かになり、それがその人に顔立ちとして定着する」。

コンプレックスや劣等感を個性や魅力に書き換え、セルフエスティームを高めたあなたに、メイクは仕上げの魔法をかけてくれます。生き生きした土台=あなたの心と心を映す素顔があってこそ生きるメイク。
本書を読めば、ルーティーンだったメイクの時間が、かけがえのない時間に変わっていくでしょう。
―小説家・森美樹のブックレビュー―
<文/森美樹>
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森美樹
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)を上梓。Twitter:@morimikixxx
(エディタ(Editor):dutyadmin)
