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秘密のポエムを教室で朗読させられた夏…SNSがない時代の赤っ恥 | ビューティーガール

時刻(time):2020-08-16 07:51源泉(Origin):δ֪ 著者(author):kangli
誰にでも一つはある、どうしても隠したい自分の黒すぎる歴史。ギリギリ昭和生まれの草間理央さん(30代)は、中学時代に友達との間でちょっとした“暗号”がブームになったそうです。 SNSどころか携帯も持っていない頃。暗号をFAXで送りあっていた 「私の小中学生時代にはパソコンはもちろん、携帯電話やPHSを持っている友達なんてほとんどいませんでした。だから連

 誰にでも一つはある、どうしても隠したい自分の黒すぎる歴史。ギリギリ昭和生まれの草間理央さん(30代)は、中学時代に友達との間でちょっとした“暗号”がブームになったそうです。

SNSどころか携帯も持っていない頃。暗号をFAXで送りあっていた


「私の小中学生時代にはパソコンはもちろん、携帯電話やPHSを持っている友達なんてほとんどいませんでした。だから連絡手段は、毎回相手の家族のだれが出るか分からない緊張状態で家の電話にかけるしかないし、長時間おしゃべりもできません」

学校

写真はイメージです(以下同じ)

 連絡を取り合う手段が今より乏しかったあの時代。アプリの無料通話なんてもちろんありませんし、気軽にメールやSNSを送り合うこともできません。

「でも誰にも分からないように、こっそり連絡を取り合いたい!」

 そこで思い立ったのが自分たちにしか分からない“暗号”だったのです。




重要アイテムは“国語の教科書”


「お互いの家にあったFAXを使ったんです。何度かメッセージを送り合っていたのですが、受信してもお互いの家族に“ナイショ話”をもろに見られてしまいます。だから、『じゃあ自分たちしか分からない暗号で送り合えば完璧じゃない!?』ということになって。
 既存の暗号は難しすぎても解読する気をなくすし、かといって簡単すぎても家族に内容がバレバレ。だから私たちは“国語の教科書”を使ってオリジナルの暗号を作ることにしました」

手紙
 例えば、「P95の3、P100の6、P89の3、P34の2」と書かれた文。P○○は教科書の○○ページを指し、次の数字は右から○番目の頭文字の文字を示しているのだとか。ちなみに例えばこれで、「あそぼう」と解読するそうです。正直、相当面倒くさそうですが……。

「でも、『ウチらしか分からない言語を巧みに扱って、誰も知ることのできない会話を日夜繰り広げてるぜ……☆』的な感覚がすごくグッとくるというか。もう全力で中二病が大爆発していたんだと思います」

 誰かの噂話で盛り上がろうとしても、一言二言書くだけでFAX用紙にはビッシリと「P○の○」という文字が書かれます。
 それでも“自分たち以外の人間は解読できない”ところに夢中になっていたそうですが、ある出来事をきっかけにその自信は一瞬で崩れ去ってしまいます。








友達とのナイショ話が、まさかの両親に筒抜けだった


 夏休み中もずっと“暗号FAX”で超盛り上がっていた草間さん。でもある日、突然母親が『好きな男の話でFAX用紙を無駄遣いするな!』と部屋に怒鳴り込んできました。

怒る母
「FAXに書かれているのは暗号だけのはず。なぜ内容が知られているの!? と混乱していたのですが、『FAXのところに教科書が置きっぱなしになってたわ! ページの頭文字にご丁寧に○も付いてたし』と言われました。しかも父親もとっくに暗号の仕組みを理解していたらしく、2カ月間こっそり“娘と友達のヒミツのやり取り”を一足早く解読して楽しんでいたとか。もう恥ずかしくて恥ずかしくて……」

 暗号でやりとりした中には、青春大爆発なポエムなどもあったそうです。それを親に見られていたと思うと、確かに色んな意味で相当恥ずかしいかも……。

 しかし、それだけでは終わりません。




カンニングを疑われ、クラスみんなの前で暗号を朗読


「休みが明けて学校が始まったのですが、掃除の時間に、私と友達が教室内でも回していた“暗号で綴られた手紙”が先生に拾われてしまったんです。しかもタイミングが悪く、その日は定期テスト期間の真っ只中。暗号そのものも“P○の○”とテストのカンニングの答えを連想させるような作り方だったので、職員室に呼ばれたり、クラスで問題になったりとにかく大変で……」

 友達と二人、クラス全員の前に立たされて暗号を強制的に解読&音読させられた草間さん。
 国語の教科書を片手に解読して身の潔白を証明しましたが、そのときその手紙に書いていたのは「恋人にフラれた気持ちを綴ったポエム」だったのです。

ポエム朗読
「ポエムを大勢の友達の前で朗読させられるとか、もう相当の拷問ですよ……!完全オリジナルではなくて、当時好きだったあゆ(浜崎あゆみ)の『A Song for XX』という歌詞を借りて、そこに主語を自分にして書き足していたんです。
 例えば、『(理央は)いつも強い子だねって言われ続けて ~中略~
 そんな風に周りが言えば言うほど (理央は)笑うことさえ苦痛だよ……』
 もう、想像を絶する恥ずかしさでした」

 歌詞の朗読だけならまだしも、自分の名前を主語にした部分が痛みを倍増させています。さらに、歌詞の合間には、(この失恋は自分を磨くためのスパイス☆)(むしろありがとう☆)となんとも痛々しい文章もあり、それも含めてすべて朗読させられたとか。担任の先生、鬼ですね。







ヘンなあだ名までつけられてしまった


「文章の最後の☆マークすら、『ほし』って読まされるんですよ。それからその学期中は、私のあだ名はずっと『スパイ・ポエマー』でした」

スパイ
 クラスメイトいわく、「スパイ」の由来は「暗号を駆使しているから」だったとか。

 家族に秘密のやりとりを解読され、今度はクラス全員の前でポエムを朗読させられた草間さん。赤っ恥体験の連続に、暗号のやりとりは即中止したそうです。
“自分たちにしか分からないやりとり”が生むあのなんとも言えないドキドキ感は、大人になった今ではなかなか味わえません。黒歴史だって、時が経てば貴重な思い出です。

―あの夏の黒歴史―

<文/赤山ひかる イラスト/真船佳奈>



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