キッチンのコンロの上にあるレンジフード。換気扇と呼ばれることも多いですが、ココって掃除したくないですよね……。年末に1年分の汚れをまとめて落とすか、なかには今まで1度も掃除したことのない人もいるでしょう。
しかし、プロ曰く、こまめに掃除するのが良いのだとか。緊急事態宣言が解除されたものの、まだまだ外出を控えたい今は絶好の掃除期間! 富士工業株式会社(以下 FUJIOH)のレンジフードマイスター・鈴木勝さんに掃除のコツを教えてもらいました。慣れてしまえば意外と簡単ですよ。
最初に自宅のレンジフードの種類をチェック
――まず、レンジフードマイスターという肩書きが気になるのですが、どんなお仕事をされているのでしょう?
鈴木勝(以下、鈴木):マイスターと言っていますが、特別な免許があるわけではありません。レンジフード国内シェアNo.1(※1)の弊社で一番詳しい人ということで、設計部のなかでもおしゃべりな私が選ばれました。仕事では、設計部に所属しレンジフードの開発に携わっています。
(※1)出典:シェア64.1%・富士経済「2017年版住宅建材マーケティング便覧」2016年実績
――開発もされているとのことで、レンジフードのことを知り尽くされているんですね! ちなみに、なぜ月1の掃除をオススメしているのでしょう?
鈴木:レンジフードの排気性能を維持するためです。調理中に吸い込まれた油がレンジフードのフィルターやファンに付着し、排気性能を落としててしまいます。そしてそのまま放置すると、油が酸化して固まり落としづらくなってしまうので、こまめに掃除したほうが良いのです。
――なるほど。年末掃除は1年分の油汚れが固まっているから大変なのですね(苦笑)。それでは早速、掃除の仕方を教えていただきましょう。
鈴木:まずレンジフードには見た目で大きく3タイプに分けられます。
①深型フード(シロッコファン/プロペラファン)
②浅型フード
③スリム型レンジフード
深型フードは中に入っているファンが2種類あり、シロッコファンは何枚も細長い羽根で構成されているタイプで、プロペラファンは文字通りプロペラの形をしたタイプです。
まず電源プラグを抜くかブレーカーを落とす
鈴木:掃除前に自宅のレンジフードのタイプを確認してみてください。タイプ別にパーツの取り外し方が異なりますが、全タイプ共通でまずしてもらいたいのは、電源プラグを抜くかブレーカーを落とすこと。掃除中にファンが回ってしまったらとても危険です。そして、けがの防止のため、厚手の手袋を忘れずにつけてくださいね。
――レンジフードって、深型フードのイメージがありましたが、他の種類もあるんですね。それぞれ、掃除の仕方はどう違うのでしょうか?
鈴木:パーツを外して洗うという流れは共通しています。それぞれ種類によってパーツの外し方が異なったりしますが、外したパーツの掃除の仕方は基本的に同じです。パーツの外し方は取扱説明書を参照しましょう。
――レンジフードの中までちゃんと見たことがありませんでしたが、油がベットリで驚きました……。
パーツはゴミ袋の中で洗えば、流し台を汚さずに済む!
――続いて、本題の掃除。取り外したパーツは、流し台で洗うのが一般的だと思いますが、汚れが気になりますよね。これってどうすれば良いのでしょう?
鈴木:弊社では、大きめのゴミ袋の中で洗うことをオススメしています。まず、流し台にゴミ袋を広げて、台所用中性洗剤を溶かしたぬるま湯(40〜45℃程度)を張ります。

そのなかにフィルター・整流板・ファンを入れて掃除します。ファンは高さがあるので、洗い桶や洗面器にゴミ袋をかぶせると洗いやすいですよ。

――確かに、ゴミ袋のなかで洗えば流し台を汚さずに済みます!
鈴木:はい。それと、油汚れを落とすためにアルカリ性洗剤(重曹など)と熱湯を使ったほうが手っ取り早いと思うかもしれませんが、それによって表面の塗装やメッキも一緒に落ちてしまうことがあります。なので、台所用中性洗剤とぬるま湯で優しく洗ってください。頑固な汚れはつけ置きすると落ちやすくなります。道具も使い古しの歯ブラシやスポンジなど、柔らかいものがオススメですよ。
レンジフードの本体も、台所用中性洗剤を薄めたぬるま湯を浸した布で拭くのもお忘れなく。洗ったパーツは水気を取ってしっかり乾燥させ、元通りに取り付けてください。
新しい製品ほどお手入れしやすい
――レンジフードをいためないという意味でも、優しくこまめに洗うのが良いのですね。
鈴木:長年使い続けて汚れがなかなか落ちない・吸い込みが悪いといった悩みがあるなら、最終手段としてレンジフードを買い替えるという選択肢もあります。というのも、業界では近年、お手入れしやすいレンジフードの開発に注力しているので、昔のものより清掃性は格段に良くなっています。
日々のお手入れは拭くだけでOK
――月1の掃除の他に、注意点や日々気を付けるべきことはありますか?
鈴木:とても基本的なことですが、レンジフードのお手入れをするときはしっかりとした椅子や台に乗ってください。レンジフードは高い位置に設置されていますし、ファンの入っている送風機部分は特に見えにくいです。手元が見えないまま、もしくは足場が不安定なまま外そうとすると思わぬ怪我をすることもあります。
また、日々のお手入れとして、レンジフードの本体などすぐに拭ける部分は調理後にキッチンペーパーで拭いてみてください。油をたくさん使った料理の後に拭くだけでも、汚れ具合はだいぶ変わります。あと意外かもしれませんが、こまめに室内を掃除することも大切です。レンジフードは室内の空気を吸い込むので、ペットの毛やチリ・ホコリなどが油と一緒に堆積するんです。なので、室内のお掃除をマメにすることで綺麗に保ちやすくなります。
100均のレンジフードフィルターって効果ある?
――最後に、100円ショップや日用品店で不織布のフィルターが売っていますが、あれは効果があるのでしょうか?
鈴木:不織布のフィルターは、メーカーとして使用をおすすめしていません。理由は2つあって、ひとつは火災リスクが高まる点。レンジフードが鉄板製なのは火事を防ぐ意味があるんです。もうひとつは吸い込む力を弱めてしまう点。吸い込み口をカバーしてしまうので、ニオイの捕集力が落ちてしまうんです。
フィルターのお手入れが面倒であれば、不燃材料で作られた使い捨ての「エコシアフィルタ」というレンジフードフィルターもあります。取り付けられる機種は限られてしまいますが、ご検討いただくのも良いかと思います。
――不織布のフィルターは安いしお手軽だと思っていましたが、デメリットもあるんですね。というわけで、今後はレンジフードも掃除ルーティーンに組み込むのが吉! 皆さんもぜひ、参考にしてください。
<取材・文/阿形美子>
(エディタ(Editor):dutyadmin)




