【もくじ】

腸の中には約1000種類、100兆(一説には1000兆ともいわれており、実はよくわかっていません)の細菌が住んでいます。
これらの腸内細菌は同じグループで固まって、腸の中にびっしりと敷き詰められているので、お花畑にたとえられて「腸内フローラ」と呼ばれています。

これらの腸内細菌からなる腸内フローラが私達の腸内環境を作っているのです。
腸内環境が悪化すると、便秘や下痢というお腹の症状だけではなく、免疫機能が低下して腸の感染症だけでなく全身の感染症を起こしやすくなったり、最近の研究では肥満も関係することが分かってきました。

腸内細菌は腸の中でこんな働きをしている

腸内細菌で有名なものとして大腸菌がよく知られています。
大腸にいるから大腸菌と名付けられたのですが、大腸にいる菌は大腸菌だけではありません。大腸菌だけでも180種類以上あるのですが、ほとんどの大腸菌は無害です。

ではいったい腸内細菌は、腸の中でどんな働きをしているのでしょうか。

① エネルギーを作る

私たちが1日に必要とするエネルギーの約10%は、腸内フローラが作っています。
食事で消化できなかったものを腸内細菌が消化してくれています。

② 腸を動かす

腸内細菌は腸の働きを助けてくれます。例えば食中毒で悪い菌が入ってくると、元からいる腸の中の菌が働いて、腸を動かし下痢をさせて悪い菌を出してくれます。
また、腸内細菌には傷ついた腸の粘膜の修復を助ける作用も持っています。

③ 消化吸収を助ける

腸内細菌は私達が食べて消化された栄養の吸収を助けてくれます。
また、食べ過ぎて余った栄養を肝臓に溜めこむことを助けます。

④ 感染の予防

腸内細菌は外から入ってきた食中毒などの悪い菌と戦って、増えないようにしてくれます。

⑤ 免疫を高める

腸内細菌には免疫に関係する物質を作ったりして、免疫を高める力があることが分かっています。

⑥ がんに関係する

腸内細菌の中にはがんを予防する菌もいる一方で、発がん物質を作ってしまう菌もいます。
ただ腸内環境と、がんの関係に関しては、まだあまり詳しいことは分かっていませんが、今後の研究によっては、腸内環境を改善することでがんが予防できる方法が発見されるかもしれません。

腸内細菌でよく言われ善玉菌、悪玉菌、日和見菌ってなに?

善玉菌は腸内でどんな良いはたらきをするの?

代表的な菌として、乳酸菌やビフィズス菌がいます。
簡単に言えば、善玉菌とは私達にとって良い働きをする菌です。

・血圧を下げる
・がんの予防効果
・インフルエンザを予防する
・花粉症を改善する
・アトピー性皮膚炎の症状を抑える
・ピロリ菌を抑える
・コレステロールを下げる
・内臓脂肪を減らす
・皮膚機能を良くする
・過敏性腸症候群や炎症性腸疾患の症状をやわらげる
など・・・

悪玉菌はどんな「悪さ」をするの?

代表的な菌としてウェルシュ菌、ブドウ球菌、緑膿菌、病原性のある大腸菌などがあります。たんぱく質を栄養とし、ニオイのもとになったり、体に悪さをする有害物質を作り出します。
便やオナラが臭いのは悪玉菌が作ったニオイの元が原因なので、便やオナラが臭い方は腸の中で悪玉菌が増えている可能性があります。
一方で、悪玉菌の中にも、体にとって必要なビタミン等の栄養を作ったり、悪玉菌よりも悪い病原菌が腸の中に入ってきたときに、退治してくれる働きを持っているものもあり、体にとって必要な働きもしています。
ただ悪玉菌が一定量を超えると、悪い要素の方が強くなってしまいます。

日和見菌はどんな働きをするの?

日和見菌は善玉菌、悪玉菌のどちらにも当てはまらない菌です。
腸内細菌のなかではこの日和見菌が最も多く、バクテロイデスやユウバクテリウム、クロストリジウム、病原性をもたない大腸菌がこれに当てはまります。
この菌は普段はおとなしくしているのですが、悪玉菌が増えると悪玉菌と一緒になって悪さをするようになりますので、悪玉菌を増やさないようにしえ日和見菌を味方につけるようにしましょう。
日和見菌に関しては大部分はまだ解明されていないのですが、肥満やアレルギーに関係する菌があることが最近の研究で分かってきました。

からだにとって大切なのは善玉菌と悪玉菌のバランス

善玉菌はもちろん、悪玉菌でさえも私達にとっては必要です。悪玉菌を完全になくしてしまうのではなく、善玉菌と悪玉菌のバランスがとれていることが重要です。

バランス的には善玉菌2割、悪玉菌1割、日和見菌7割が理想的。

腸内環境を悪化させる3つの要因

① 年齢とともに腸内環境は悪化する

まずは年齢です。年齢が中年以降になると、よほど生活習慣に気をつけていないと善玉菌は減り、悪玉菌が増えます。それだけでなく、最も早く老化が始まる臓器は腸だということも分かってきました。

② 食生活が腸内環境を悪化させる

肉類をたくさん食べると悪玉菌が増えることが分かっています。
悪玉菌はたんぱく質を栄養とするので、肉食を続けると悪玉菌が増えると考えられています。

③ ストレスが腸内環境を悪化させる

ストレスがかかると腸の中に出てくるホルモンによって大腸菌が増え、腸内環境を悪化させるという研究結果があります。

便秘と肥満の関係

便秘により腸内環境が悪くなると、栄養の吸収効率が悪くなり、栄養がちゃんと使われないため、皮下脂肪や内臓脂肪がつきやすくなり、吸収効率がわるいのでエネルギーを不必要に摂らなければならなくなるので結果として太りやすくなります。
つまり、腸内環境を変えると、痩せやすい体質になることができるかもしれません。